就労移行支援まるわかりガイド

役立つリアルな情報を紹介!
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就労移行支援に興味はあるものの、どんなサービスなのか分からず利用を悩んでいる方に向け、サービスのこと・利用に関することについてまとめました。
就労移行支援事業所ディーキャリアの卒業生&スタッフの体験談を交え、リアルな情報をお伝えします!
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「働きたいけど…」こんなお悩みはありませんか?
  • 働くことに不安がある
  • 自分に合う働き方や仕事内容が分からない
  • 障害とうまく付き合う方法が分からない
  • 生活リズムが乱れている、体力に自信がない
  • 就職活動がうまくいかない
  • 過去の失敗を繰り返しそうで心配
  • 職場でのコミュニケーションが苦手
就労移行支援は、障害のある方の「働く」をサポートする障害福祉サービスです。
一人ひとりの「働く」に関する悩みや課題にあわせた支援をおこないます。
  • 障害特性との付き合い方を学ぶこと
  • 働くための準備をすること
  • 自分に合った職場を探し、就職活動をすること
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「働くこと」に少しでも自信を持ち、活き活きとした社会生活を送りたい!
そんなあなたのサポーターです!
ゼロから知りたい方向けBEGINNER
  • 就労移行支援ってなに?
  • 具体的なサービス内容は?
  • 利用するメリットは?
  • 利用条件は? 手帳は必須?
  • どんな人におすすめ?
  • 利用料金はどのくらい?
  • どのくらいの期間通えるの?
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詳しく知りたい方向けADVANCED
  • 利用までの流れは?
  • 就労移行支援の選び方は?
  • 実際利用してどうだった?
  • よくあるご質問
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目次
ゼロから知りたい方向けBEGINNER
  • 就労移行支援ってなに?
  • 具体的なサービス内容は?
  • 利用するメリットは?
  • 利用条件は? 手帳は必須?
  • どんな人におすすめ?
  • 利用料金はどのくらい?
  • どのくらいの期間通えるの?
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詳しく知りたい方向けADVANCED
  • 利用までの流れは?
  • 就労移行支援の選び方は?
  • 実際利用してどうだった?
  • よくあるご質問
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就労移行支援ってなに?

就労移行支援とは、障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で定められた「障害福祉サービス」の一つで、障害のある方の「働く」を支援するサービスです。
一般就労への就職を目指す65歳未満の障害のある方を対象に、大きく分けて3つの支援をおこないます。
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一般就労 」とは、企業や公的機関などに就職をして労働者として働く一般的な働き方を指します。福祉サービスを受けながら、労働者かつサービス利用者として働く「福祉的就労」と区別するときに使われる表現です。
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働く準備をサポート
就職するために必要となるスキルや知識を身につけるための事業所内・実習先での訓練を提供します。
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Step2
就職活動をサポート
一人ひとりにあった「仕事選び」をするための準備から、実際の就職活動まで一貫してフォローします。
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Step3
職場定着をサポート
就職後に、長期間・安定的に働くための面談や就職先への合理的配慮の提案などをおこないます。上記のサービスを原則として24カ月(2年)の間、利用することができます。
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詳しい内容は具体的なサービス内容は?で説明します!

就労移行支援事業所とは?

就労移行支援事業所とは、就労移行支援のサービスを提供する事業所のことです。
就労移行支援事業所は2022年10月1日時点で全国に3,393か所あります。
専門学校や塾と同じように、事業所によって特徴はさまざまです。
雰囲気や利用者層(年齢や障害種別等)が異なるだけではなく、サービスとして提供される訓練プログラムや就職活動サポートの内容、そしてどの分野に強みがあるか(例:ITスキルを習得できる、障害の特性対策が学べる等)など、その特徴は多岐にわたります。
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自分に合う事業所の見つけ方は就労移行支援事業所の選び方は?でお伝えします!

就労継続型支援との違いは?

就労継続支援(A型・B型)とは、一般就労を目指すことが難しい方に向けた「福祉的就労」を提供する施設です。
就労移行支援事業所と同じく、就労継続支援も「障害者総合支援法」に基づく福祉サービスであり、障害のある方が社会で働くための支援をおこなっている点では共通しています。
就労移行支援は「働くための訓練をする場」ですが、就労継続支援は「福祉サービスを受けながら働く場」であることが、大きな違いです。
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就労継続支援の「A型」と「B型」との違いは、
・A型:雇用契約を結んで給与をもらう(平均賃金:月81,645円※令和3年度)か、
・B型:雇用契約を結ばず工賃をもらう(平均工賃:月16,507円※令和3年度)か、 の違いです。

支援スタッフに聞いた!ディーキャリアってどんなところ?

ディーキャリアは、発達障害専門のプログラムを提供する就労移行支援です。
発達障害の特性による働きづらさをフォローするプログラムと、自分の価値観や適職を見極めるカリキュラムを提供しています。
発達障害の特性に応じた訓練をおこなっていますが、発達障害以外の障害(うつ病・不安障害・統合失調症・適応障害・双極性障害等)のある方も多く在籍しています。
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ディーキャリアに少しでも興味を持ってくださった方は、ディーキャリアとは|ディーキャリアの特徴をぜひご覧ください。

具体的なサービス内容は?

就労移行支援事業所では「一般就労を目指す」ことをゴールに、以下の3つのステップに沿って支援をおこないます。
就労移行支援ってなに?で、3ステップについて簡単に説明しましたが、具体的な内容をひとつずつ紹介します。
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事業所によって提供される支援やプログラムの内容が異なることがありますが、サポートの流れは同じです。
Step1
働くための準備をサポート
  • 働くうえで必要となる知識・スキルを身につけるための訓練
  • 生活リズムを整える、体調管理やストレス対処法を身につけるための訓練
  • 職場体験、企業実習
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就職活動をサポート
  • 一人ひとりの適性や特性にあった働き方・職場探し
  • 求人の開拓・紹介、就職活動のフォロー(就職相談・面接練習・応募書類添削等)
Step3
職場定着をサポート
  • 就職後、勤務継続するために必要な相談・支援をするための面談
  • 企業に対する職場環境調整の依頼
  • 就職後半年間、就職先での悩みや課題を解決するためのサポートを実施 7か月目以降は「定着支援サービス」を最長3年間利用可能
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「働くための自信を持ちたい」「障害との向き合い方を学びたい」「自分に合った仕事を見つけたい」というニーズにこたえるサービスです。

利用するメリットは?

就労移行支援を利用するメリットは、働くために必要な知識やスキルを習得するためのサポートを受けられることです。
  • 「就労準備性」を高める
  • 「障害への対処力」を高める

就労準備性とは

就労準備性(職業準備性)とは、障害の有無を問わず、働くために必要な基礎的な能力のことです。
働き続けるためには、以下の5つの資質が必要だとされています。
ピラミッドの一番下「健康管理」から順に積み上げていくことが重要です。
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健康管理
  • 障害への自己理解を深めて日常生活を維持するスキル
  • 食事栄養管理、体調管理、服薬・通院管理など
日常生活管理
  • 生活習慣を整えるスキル
  • 規則正しい生活、睡眠時間の管理など
対人スキル
  • 職場で円滑な対人関係を築くスキル
  • コミュニケーション力、感情のコントロールなど
基本的労働習慣
  • 社会人として身につけるべきスキル
  • ビジネスマナー、一定時間働ける体力、職場ルールの理解など
職業適性
  • 業務を遂行するためのスキル
  • その仕事に必要な実務知識・技能、適性、持続力、正確性など

障害への対処力とは

就労準備性の「健康管理」だけではなく、以下のスキルも働き続けるためには必要です。
  • 自身の障害への正しい理解
  • 障害による困りごとへの自己対処力
  • 周囲に助け(配慮)を求める能力

求人の応募条件に入ることも

障害者雇用枠での人材採用において「就労移行支援を利用していた方(卒業生)」が応募条件であったり優遇条件になったりすることがあります。
就労移行支援は「就労準備性を高めること」「障害への対処力を身につけること」を目的としたサービスなので、就労移行支援の卒業生は「求めている人材要件を満たしている」と捉えることができるためです。
就労移行支援では、これらのスキル習得に向けた訓練を提供しています。
さらに、一人ひとりの適性や希望に沿った「働く」を実現するための支援もおこないます。
  • 自分に合う仕事や働き方探しのサポート
  • 就職活動のサポート
  • 就職後定着するためのサポート
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就労移行支援では、障害による困りごとへの対策を身につけられるため、「働きづらさ」だけではなく、日常生活における「生きづらさ」も軽減させることができます。

卒業生に聞いた!就労移行支援を利用して良かったことは?

ディーキャリアの卒業生に、「就労移行支援を利用して良かったこと」についてインタビューを実施しました。
障害による困難や悩みを解決したり軽減したりすることができた点が「良かったこと」として多くあげられたため、「利用前の困りごと」とあわせて紹介します。
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「働くこと」に前向きになれた

利用前の困りごと
利用前は、体調を崩しやすいことと、ADHD特性による仕事上のミスが多かったことから、働くことに自信がありませんでした。
セルフケア(自己管理)や障害特性への対処法を学びながら、働くことに自信を身につけつつ、キャリアプランニングを作成しながら「自分の送りたい人生」を見つけることができました。
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生きるのが楽になった

利用前の困りごと
社会人になってから、集中力が続かない・コミュニケーションが円滑に取れないなど「できない」ことが増え、自己嫌悪に陥ってふさぎ込むことが多くありました。
「ストレスケア」「感情のコントロール」「コミュニケーションスキル」を学び、仕事面・プライベートで活かせています。自分の苦手なことを自覚することで、自分を責めなくなりました。
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対人関係が楽になった

利用前の困りごと
コミュニケーションがとにかく苦手で、人とのかかわりを避けて生きてきました。意を決して働いた先でも、上司とのやりとりがうまくいかず、自分に働くことは無理だと引きこもっていました。
「会話」や「意思疎通」のテクニックを学んだことで、コミュニケーションに対する恐怖心が軽減しました。今では、相手の反応を確認しながら仕事に取り組むことができており、人とのかかわりが楽になりました。
\ その他の利用して良かったこと /
同じ悩みのある人と交流することができた
自己理解(自分の障害特性や困りごと)が深まった
自分の強みを見つけることができた
セルフケアや特性対処の方法を学ぶことができた
希望する仕事に就くことができた
自分に必要な合理的配慮を知ることができた
就職活動のサポートを受けることができた
気持ちのコントロールができるようになった
ストレスとの向き合い方を学んだ
一人ひとりの利用前の「お悩み」によって感じるメリットはそれぞれですが、「生きやすさ・働きやすさ」を感じることができるようになった点は共通しています。
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卒業生にインタビューをした記事はディーキャリア卒業生が語る「就労移行支援」のリアルにまとめました!ぜひあわせてご覧ください。

利用条件は?障害者手帳は必須?

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスであるため、利用には所定の要件があります。
障害者手帳は必須ではありません。障害者手帳をお持ちでない場合は、医師の診断書や意見書など、障害や疾患により支援が必要であることが確認できる書類があれば、利用を申請することができます。
利用する際には、お住まいの自治体に利用を申請し、希望するサービスの利用を認定された障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)の発行を受ける必要があります。
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就労移行支援の対象になる方は、以下のとおりです。
  • 原則として18歳以上満65歳未満の方 ※例外として「65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた方は、当該サービスについて引き続き利用することが可能」と定められています。
  • 身体障害、知的障害、精神障害(統合失調症やうつ病、双極性障害、適応障害、てんかんなど)、発達障害や、難病の方のある方
  • 一般企業への就職を目指しており、就労が可能と見込まれている方 ※福祉的就労である「就労継続支援事業所(A型・B型)」への就職を希望される方は対象になりません。
  • 現在、就労していない ※申請を受け付ける自治体の判断により、休職中やアルバイトをされている方などの利用が例外的に認められる場合もあります。休職者については、所定の要件を満たす場合に利用が可能となります。
一般企業で働いていたが休職中の方や、在学中の大学生(4年制大学・大学院・短大・高専含む)の方についても、一定の条件を満たす場合には、ご利用いただけることがあります。
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ディーキャリアでは、「復職する予定が決まっている休職中の方」「大学4年生の方」「アルバイトをされている方」が利用されている事例がありますが、自治体によって判断がさまざまです。まずは相談してみるのがおすすめです。

支援スタッフに聞いた!実際にどんな方が利用してる?

ディーキャリアの利用者の方の内訳(2024年1月時点)は、発達障害の診断のある方が半数を占め、ASD(自閉症スペクトラム症):約3割、ADHD(注意欠如・多動性症):約2割です。
年齢は、20~30代の方が半数以上を占め、20代:約4割、30代:約3割です。ここ数年は「発達障害」の認知が広がった影響か、40代や50代の方からのお問い合わせも増えている印象です。
診断別 beginner4
年齢別 beginner4
具体的なデータは出していませんが、現場での経験でいうと、以下が「利用前の就労経験」の内訳です。
正規雇用で働いたことがある方
60%
その内
一般雇用枠
95%
障害者雇用枠
5%
非正規雇用(パート・アルバイト)
のみで働いたことがある方
25%
働いたことがない方
15%
一般雇用枠で働いていたものの、特性による困りごとがあって、ディーキャリアに相談に来る方が多いですね。
もちろん「働いたことがない方」や「アルバイトしかしたことのない方」もいらっしゃいます。
一人ひとりのこれまでの経験に応じたサポートをおこなうように心がけています。これまでの就労経験を問わず、「長期的に働きたい!」「発達障害の特性対策をしたい!」という方が多く在籍されています。

どんな人におすすめ?

就職を目指す障害のある方で、その障害や特性による「困りごと」や「生きづらさ・働きづらさ」を抱えている方は、ぜひ就労移行支援の利用を「進路のひとつ」として検討いただくのがおすすめです。
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働くことに自信のない方
  • 「働いた経験がない」「働いたことはあるが、うまくいかなかった」「退職してからブランクがある」など、就職することへの不安がある方
  • 「働くためのスキルがない」「生活リズムが乱れている」「ストレスで体調不良になることが多い」など、働く準備が整っていない方
障害による困りごとのある方
  • 障害やその特性による「生きづらさ・働きづらさ」がある方
  • 職場で配慮を受けたいが、どうすればよいか分からない方
自分に合う働き方が分からない方
  • 障害者雇用枠と一般雇用枠のどちらが向いているか分からない方
  • 自分に向いている仕事を知りたい、将来やりたいことを見つけたい方
就職活動に苦手意識のある方
  • はじめての就職活動で何から手を付けるべきか悩んでいる方
  • 面接でうまく話ができない、自己PRや志望動機を考えるのが苦手な方
就職後も相談できる場所が欲しい方
  • 長期的に働き続けるための相談がしたい方
  • 就職先の職場との環境調整をサポートしてほしい方
実務スキルを身につけたい場合は「職業訓練」や「スクール(資格取得やプログラミング等)」、休職中で現在の職場に復帰を希望する場合は「リワーク(復職支援プログラム)」、福祉的就労を希望する場合は「就労継続支援」、働くためのサポートを受けずに就職活動をするという場合は「障害者雇用枠専門の転職エージェント」などの選択肢があります。
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どれを利用するか悩んでいる方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。状況や希望をうかがいつつ、選択肢を一緒に考えるための無料相談会も実施中です。

卒業生に聞いた!どんな人におすすめ?

ディーキャリアの卒業生に、「どんな方に就労移行支援(ディーキャリア)の利用をおすすめしたいか」をインタビューしてみました。
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障害による困りごとがある方におすすめ!
ディーキャリアでは、障害名がこれだからこうという支援じゃなくて、こういう困りごとがあるからどうしていくかを考えてくれます。
障害があって悩んでいて、解決する方法を一緒に考えてほしいという方におすすめです。
特性対策(障害による困りごとへの対処法)を実践する訓練もあるので、コミュニケーションや感情のコントロールなどを、学ぶだけでなく、ちゃんと身につけることができます。
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障害者雇用枠での就職活動を目指したい方におすすめ!
障害者雇用枠での就職活動は、自分の障害のことや必要な配慮事項を伝えなければなりません。自分の言葉で説明するのが難しかったので、応募書類の作成や面接練習などのサポートはありがたかったです。
自分に合う求人を一緒に探してくれたり、面接に同席をしてくれたりしたことも心強かったです。
一人で就職活動をするのに不安がある人におすすめです。
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障害特性を理解したい方におすすめ!
発達障害のある方が長く働くためには、自分の特性について知ることがとても大切だと考えています。自分にどのような特性があるかを知って、どのように具体的に対策をすればよいかを知ることで、働きやすくなると思います。
面接のときにも、自分の障害のこと・特性への自己対処法・企業に求める合理的配慮を自分で説明する必要があり、自己理解の度合いが採用の合否にも影響することもあるそうです。
事業所によって支援実績のある障害種別が違うので、自分の障害にあった事業所で、自己理解とセルフケアを学ぶのがおすすめです。
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仕事が長続きしたことがない方におすすめ!
仕事が1年以上続いたことがなく、転職を頻繁に繰り返してきました。
そのせいで、正社員で入社したいと思っても、職務経歴を見て書類で落とされることが続き、自信を失っていきました。
就労移行支援事業所に通うことで、自分の特性を知り、どう対策していけばいいかわかったことで働きやすくなったのはもちろんですが、自分の経歴は変えられない中で、どう書類でまとめればよいか・離職期間や転職の回数についてどう説明すればよいかをアドバイスしてもらえたことがよかったです。
離職期間が長かったり、転職回数が多い方には、就労移行支援のフォローをもらうことがおすすめです。
番外編おすすめ出来ない方は?
就労移行支援をおすすめできない方についても意見が出たためご紹介します。
自分で障害への対策ができている方
この場合は、職業訓練校や転職エージェントの利用がおすすめです。
就労移行支援は「障害への対処法(ヒューマンスキル/ソーシャルスキル)を学ぶ」、職業訓練は「職業スキル(業務で使う知識や技術)を学ぶ」という目的がそれぞれあり、どちらが自分に合うかを考える必要があります。
就職を目指していない、通所ができない方
この場合は、「自立訓練(生活訓練)」の利用がおすすめです。
就労移行支援は「就職を目指す」ことを目的としているため、週5日しっかり通所できるようになることを目指す必要があります。はじめのうちは、少ない日数や時間で通うこともできますが、将来的には「働く」ことを見据えて毎日通所できるようにならなければなりません。「働きたい」という意思がない方は、毎日の通所に対してのモチベーションが保てないし頑張れないと思う…という意見がありました。
自立訓練(生活訓練)にご興味がある方は、「自立訓練(生活訓練)事業所 ディーエンカレッジ」のサイトをぜひご覧ください。

利用料金はどのくらい?

就労移行支援の利用料は、9割を国と自治体が負担し、残りの1割を利用する本人が自己負担します。
さらに、世帯所得(本人と配偶者)に応じて、「負担上限月額区分」が設定されており、1か月の利用日数に関わらず、それ以上の負担は生じません。
自己負担の上限額には4つの区分があり、本人と配偶者の所得(=世帯所得)によって決められます。
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※注1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
※注2:収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
※注3:入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
詳細は、厚生労働省|障害者の利用者負担のページをご確認ください。

支援スタッフに聞いた!利用中の生活費はどうしてる?

就労移行支援の利用を検討するうえで、懸念ポイントとなるのが「お金」についてです。
原則として働きながらの利用することができないため、利用期間中の生活費をどう工面するべきか悩まれる方も多いです。
ディーキャリアの実態について紹介します。参考になれば幸いです。
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サービスの利用料について

ディーキャリアの利用者の方のうち約8割以上の方が、自己負担0円で通所をされています。

サービス利用中の生活費について

就労移行支援の利用中に生活費をサポートしてくれる制度があります。
それぞれ受給をするための条件がありますが、一例を紹介します。
  • 障害年金
  • 失業保険(雇用保険)
  • 疾病手当金
  • 生活保護
  • 自立支援医療制度
  • 住宅確保給付金
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ディーキャリアにご相談をいただければ、あなたが利用できる可能性のある制度をご紹介することも可能です。お気軽にフォームよりお問い合わせください。
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「障害年金」について、詳しくは
発達障害のある方が障害年金を受け取るための条件や申請方法の記事を合わせてご覧ください。
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どのくらいの期間通えるの?

就労移行支援を利用できる期間は、原則で最長2年間です。
ただし例外として、自治体により必要性が認められた場合には、更に、最大1年間延長されることがあります。
就労移行支援の利用後は、「就職定着支援」を利用することができます。就職定着支援は、一般就労をしている障害のある方をサポートする障害福祉サービスです。
就職先や医療機関・福祉機関との連携を図りながら、安定した就労を実現するための支援をおこないます。
就職定着支援の利用期間の上限は3年間です。
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支援スタッフに聞いた!実際の利用期間はどのくらい?

ディーキャリアに通所されている方の利用期間は、早期就職を目指す方は3か月~半年、平均すると8~10カ月、じっくり働く準備をしたい方は1年半程度で卒業されています。
一人ひとりの「就労準備性(働くうえで必要とされる基本的な能力)」の習得段階や、心身の健康面などの状況を見ながら、年間で支援計画をたて、定期的に見直します。
「自分のペースに合わせて訓練を受けたい」「早く就職したい」などご本人の意向をうかがいながら、目標とする卒業時期を決めていきます。

利用までの流れは?

就労移行支援の利用までの流れをステップごとに紹介します。
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お問い合わせをいただいたあと、契約までの流れは支援スタッフがフォローしますので、ご安心ください。
STEP1問い合わせ
まずは、自分が通いたい就労移行支援事業所を探します。インターネットで情報を調べることもできますし、お住まいの行政の障害福祉窓口に紹介してもらうこともできます。
希望する事業所が決まったら、利用相談の問い合わせをしましょう。診断書や障害者手帳がない場合でも相談可能であることが多いです。
STEP2見学・体験会
事業所の見学・体験会に参加します。事業所や支援スタッフ・利用者の方の雰囲気や、プログラム内容について知ることができます。
利用後のミスマッチを防ぐためにも、見学だけではなく体験をすることがおすすめです。
STEP3ご利用手続き(受給者証発行)
利用する事業所が決まったあとは、お住まいの行政窓口で「障害福祉サービス受給者証」の申請・発行をおこないます。
STEP4利用契約
受給者証の発行が完了したら、利用する事業所と利用契約をおこないます。
契約後に、一人ひとりの課題やお悩みに合わせた「個別支援計画」を支援スタッフが作成します。
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ご契約後は、ご利用のスケジュールを支援スタッフと相談しながら決めていきます。
ご利用手続きから利用開始まで約1~2か月かかることがありますので、気になっている方はまずはお気軽に見学・体験に参加してみてはいかがでしょうか?

自分に合う、就労移行支援事業所の選び方は?

利用する就労移行支援事業所を選ぶときには、「自分に合っているかどうか」を見極めることが重要です。
世の中にはたくさんの事業所があり、それぞれ特色があります。選ぶときにチェックしたいポイントについて紹介します。
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「思っていたのと違う!」と利用後に後悔しないためにも、いくつかの事業所を比較しながら検討していくのがおすすめです。
POINT1プログラム内容
提供されるプログラム内容は事業所によって多岐に渡ります。
自分の困りごと」を解決し、「自分が学びたいこと」を身につけられるプログラムがあるかどうかが見極めポイントです。 困りごと・学びたいこと別のプログラム例を紹介します。
困りごと・学びたいこと別プログラム例
  • 障害特性による困難がある
    特性対策のプログラム 障害理解のプログラム
  • 自分に合う仕事が分からない
    業界・職種を学ぶプログラム キャリアを考えるプログラム
  • 実務スキルを身につけたい
    PCの基本操作を学ぶプログラム ITスキル習得のプログラム
  • 生活リズムを整えたい
    セルフケアのプログラム 体力をつけるための運動プログラム
いま抱えている課題を解決するために必要なことは何か?を考えることが大切です。
「一般企業への就職を目指す」という意味では、どの事業所に通ってもゴールは同じですが、その事業所がどの課題解決に注力した支援をおこなっているのかを事前によく確認しておきましょう。
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特定の障害種別(発達障害、うつなどの精神種害等)や、特定の職種(ITエンジニア、軽作業、事務職等)に特化したプログラムを提供する事業所も多くあります。
障害による困りごとがある場合や、特定の職種を目指したい場合には、それらを判断軸にしましょう。
POINT2事業所の立地・雰囲気
就労移行支援事業所は「通所型(自宅でサービスを受けるのではなく、事業所へ自分で通うタイプ)」のサービスですので、通い続けられるかどうかというのも大切なポイントです。自宅からのアクセスなど通所のしやすさもしっかりと確認しておきましょう。
ただし、「就職後」を見据えたときには、日々の通所も訓練のひとつになると考えることもできます。あえて「混雑している・乗り換えがある」という場所に、練習のために通所される方もいます。
事業所の雰囲気が自分に合うかどうかも重要です。 内装などの事業所そのものだけではなく、通所している他の利用者の方や、支援スタッフとの相性も見極めポイントです。
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見学や体験の際には、自分にとって居心地が悪くないか、大きな負担のかからない環境であるかを確認しておきましょう。
POINT3利用者の属性(障害種別や年齢等)
その事業所の利用者の方について、どの障害種別(身体・知的・精神)の方が多いかは、自分に合った事業所を探すための大切なポイントの一つです。
自分と同じ困りごとを抱えている方が多ければ、その困りごとに合わせた訓練プログラムやサポートも手厚くなります。また、他の利用者の方と悩みや課題を共有することもできるかも知れません。
同様に、利用者の方の年齢層が自分と合っているかどうかも、通いやすさを左右するポイントになります。
POINT4就職実績
事業所を比べる際に、数字でもっとも端的に比較しやすいのが就職実績です。以下の4つの項目を確認しておきましょう。特に注目すべきは「就職率」と「定着率」です。
「就職実績」として確認しておきたい4つの項目
1.就職率
事業所を退所※した人のうち、一般就労等をした方の割合。その事業所が「仕事に必要な知識・スキルを含め、実際の就職にむけた支援を十分にできているか 」を測る指標となる。
2.定着率
事業所の退所後に入社した企業等を、早期退職せずに継続して勤務している方の割合。その事業所が「長期的に継続した安定就労をするために、必要な支援が十分にできているか 」を測る指標となる。
3.就職人数
その事業所を退所して就職した人の人数。「延べ人数」や「累計」の場合は、単純に開所からの年数が長いほど増えるので、「直近半年~1年の実績」などと期間を絞って確認すると、最新の 事業所から一般就労への移行状況を比較しやすい。
4.就職実績のある業界・職種
その事業所を退所した人が就職した企業の業界や職種。「その事業所が、どの分野の就職に強みがあるのか」という特色が現れやすいため、希望する業界・職種がある場合はチェックすると良い。
※ 就労移行支援事業所では、「訓練を終えて就職した人」「就職が決まらず途中で退所、または、利用期間が終了した人」も、いずれも「退所」と表記します。
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ホームページに情報が出ていない場合でも、事業所に見学に行ったときに確認することができるケースもあります。利用前の面談のときに質問をするのがおすすめです。

卒業生に聞いた!選んだときのポイント

ディーキャリア卒業生に、就労移行支援事業所の選び方と判断理由について話を聞いてみました。
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Webで調べたうえで、希望に合いそうな4つの就労移行支援事業所に見学に行きました。
最終的にディーキャリアを選びましたが、それまでの流れと判断軸についてお話しします。
POINT1希望する職種の就職実績があるか
就労移行支援を利用検討する前から、希望する職種が明確にありました。
「障害があってもやれそうな仕事」ではなく、「自分が目指したい仕事」に就くことをサポートしてくれるかどうかがポイントになりました。
就職先が「事務系」「作業系」だけのところは、自分の希望とは合わないと判断しました。
POINT2自分に合った訓練が受けられるか
すでに社会人経験があったため、基本的なビジネスマナーやスキルよりも、もう少し技術的な訓練が受けられるかどうかがポイントになりました。
「働いたことのない/働いた経験が少ない人」だけを対象とした訓練は、私の希望とは合わないと判断しました。
就労移行支援への期待として、就職のための技術的な訓練だけではなく、「メンタルケアやセルフケアの方法」を学びたいという希望があったため、自分の心身の健康や生活リズムを整えるための訓練があるかも重要でした。
POINT3発達障害の特性への考え方が自分と合っているか
4つのうち2つが最終的に候補に残ったのですが、最後の決め手となったのは「発達障害の特性への考え方」でした。
選ばなかった事業所では、「発達障害のある人はみんな特別な能力を持っているはずだ」という考え方を持っており、少し違和感がありました。発達障害を「特殊能力」のように扱うのではなく、「ありのままの姿」を基準にして、現実的な対策を学べるほうがいいなと感じました。支援員の方が「障害者だからといって“何か特別な人”という扱いはしません」と言っていたのがいいなと思って、ディーキャリアに通うことに決めました。
卒業生のインタビューを踏まえると
  • 「障害がある方の”働く”への考え方(支援方針)」が自分と合っているか
  • 自分が目指したい進路をサポートしてくれるか
  • 訓練の「レベル感」が合っているか
  • 自分が期待することを学ぶことができるか
も、就労移行支援事業所を選ぶうえでは見極めておきたいポイントになりますね。
重視するポイントは人それぞれですが、「就労移行支援に期待すること」と「自分との相性」は必ずチェックするべきと言えるでしょう。
  • 自分が求めているプログラムがあるか(障害特性の理解と対策)
  • 自分の障害種別(発達障害)に特化した支援をしているか
  • 支援スタッフとの相性、信頼できそうか
などの意見があがりました。
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ホームページやパンフレットだけでは判断することが難しいため、まずは事業所に実際に行ってみるのがおすすめです!

実際に利用してみてどうだった?

就労移行支援のリアルな体験談を紹介するため、ディーキャリア卒業生に「実際に就労移行支援を利用してみてどうたったか」についてインタビューをおこないました。就労移行支援に行くかどうかを迷われている方の判断材料になる情報満載です!
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