オフィスブログ
また一人卒業生がディーキャリア蕨オフィスを巣立っていきました~Nさん御卒業おめでとうございます~
初めに
また一人、ディーキャリア蕨オフィスから、素晴らしい成長を遂げた訓練生が卒業生として巣立っていきました。
ディーキャリア蕨オフィスでは卒業に当たり、利用者とスタッフの前で卒業までの道のりをスピーチをしていただきます。これまで引きこもった時期や就労してもうまくいかなかったことを含め、さまざまな苦労をしてきたNさんでしたが、ディーキャリア蕨オフィスと出会い、希望を持てたこと、徐々に考え方の視点を変えられたこと、仲間を得られたこと、就職にたどり着けたことなど、今回も素晴らしいスピーチを聴くことができました。
卒業したNさんとはどんな人?
彼は、絵を描くアーティスト気質のある方です。若い頃には専門学校でも勉強をした経験をもっています。その才能を生かして、ポスターやカレンダー制作、時には他の訓練生に向けて全体講座などをしてもらいました。本人の得意なこと価値観を踏まえて就職先を検討し、結果的には宝飾加工関係の仕事に就くことが決まりました。
卒業スピーチでは、「空」の写真をみんなに見せてくれました。毎日毎日、表情の変わる空の写真を撮りためていたものです。自然から力をもらえるとおっしゃっていました。たくさんの中から、数枚を紹介します。どれも素晴らしくて、心が洗われるようでした。


Nさんの卒業スピーチより
もう悲惨にならざるをえない人生の道筋ができてしまっていて、せめて少しでも人並みにと思っていた私。でも何度も大失敗。未来が見えない。努力しても報われない。努力しても空回り。遠回り過ぎる。いつも心には焦りや不安や苛立ちがありました。
そういう私を救い上げてくださり、拾い上げてくださり、学ばせていただき、人生の道筋を新しく作ってくださったディーキャリア蕨オフィスには感謝にたえません。スタッフの皆様、ありがとうございました。そして私と同じく訓練生の皆さん、ありがとうございました。この1年半の間、とても楽しかったです。
ここで就職できるのは凄くいいタイミングではないかと思います。初めはパートからのスタートだけど、マイペースにやってゆきます。自分には絵があるし。私の絵はまだまだだけど堂々と「私は絵を描く人です」と言っていきたいと思います。
ある人から言われた言葉です。「苦しみの深かった人は、それだけ見る人を励ます、救いの絵が描けるようになるんだよ」それを信じて心に額に汗をかいて絵を描く人になりたいと思います。それは一人一人の人間を心から愛し、慈しむ、目には見えないけれど共に涙を流し、共に喜び、時に励まし、確かに私たちを見守って下さる天使のような存在を描きたいと思っています。アートとは見えないもの、見えない世界を現すことだと思っていて、そういう世界を表現したいと思っています。そして、人間性に磨きをかけたい。これはずっと前から願っていたことです。誰に対しても畏敬の念をもち、どんな人の中にも光があるんだと。その光を見つめながらその人の光を信じて関わっていきたい。そして、いつも誰かに支えられている感謝を忘れずに心の深みに微笑みをもって暮らしていきたいです。今までありがとうございました。
相談できる先をもつことや自分としてのよりどころ(アイデンティティ)を持っていることの大切さを改めて感じました。


訓練生、スタッフからのメッセージ
Nさんのスピーチを聞いた後は、訓練生、スタッフ一人一人から思いを伝えました。
●イベントでは、幹事のみんなが調子が悪いときに、率先してリーダー役をして、みんなをひっぱってくれた。
●グループ発表で自分がみんなに迷惑をかけたとき「彼はクリエイター気質だから」と擁護してくれた。自分は、お世話になりっぱなしだった。
●Nさんは「自分には絵があるから」というけれど、絵だけではないと思います。笑顔や大きな愛をもっていると思います。
●柔らかい雰囲気。「ほがらか」という印象。一緒に訓練してガチガチだった肩の力が抜けた。感謝している。
Nさんの隠れた人柄も表れた時間でした。スタッフとしても、場をなごませ、周りに配慮し、みんなに優しい言葉をかけてくれたNさんに心から感謝しています。
私たちスタッフ一同は、Nさんをこれからも応援し続けます!



