できない自分を責めすぎないために発達障害・精神障害のある方へ

働きたい気持ちはあるのに、不安が強くて一歩が踏み出せないことはありませんか。「みんなができていることが、自分にはできない」「また同じ失敗を繰り返すかもしれない」——そんな思いを抱えたまま、就職活動や通所に足が向かなくなってしまう方は少なくありません。
発達障害や精神障害のある方にとって、働くことへの不安は、決して珍しいものではありません。そして、それは自分を責めすぎないための考え方を知らないまま、一人で抱え込んでしまっていることが原因のひとつでもあります。この記事では、なぜそうした悩みが生まれるのか、そして「できない自分」とどう向き合っていけばよいのかを、やさしい視点で整理していきます。
なぜ「働くことへの不安」は起こるのか
発達障害や精神障害がある方は、感覚の過敏さや、物事の捉え方の特性、疲れやすさなど、人によって異なる特性を持っています。そのため、周囲と同じペースで動こうとすると、思った以上に心や体に負担がかかることがあります。
また、過去に「うまくいかなかった経験」があると、それが記憶として残り、次の挑戦への不安につながることもあります。これは特別なことではなく、誰にでも起こり得る自然な反応です。自分を責めすぎないためには、まずこの「不安が生まれる仕組み」を知ることが最初の一歩になります。
できないのは、あなたの努力不足ではありません
「もっと頑張ればできるはず」「自分の努力が足りないだけだ」——そう考えてしまう方は多いですが、発達障害や精神障害による困りごとは、根性や気合いだけで解決できるものではありません。
脳の特性や心身の状態は、本人の意志だけでコントロールできる範囲を超えていることがあります。そのため、うまくいかない場面があっても、それは能力や人間性の問題ではなく、環境や方法が本人の特性に合っていなかっただけ、という場合がほとんどです。まずは「自分を責めすぎない」という前提に立つことが、次の行動につながります。
少しだけ、考え方の向きを変えてみる
不安が強いときほど、「できないこと」に目が向きがちです。しかし、視点を少し変えるだけで、気持ちが軽くなることがあります。たとえば、「完璧にできたか」ではなく「今日一つでも試せたか」に注目してみる、というやり方です。
また、「治す」のではなく「整える」という捉え方も大切です。特性そのものをなくすことを目指すのではなく、自分に合った環境や工夫を見つけていくことで、無理なく働き続けられる形に近づいていきます。このように、考え方を少しだけ調整することが、大きな安心につながります。
日常でできる小さな工夫
いきなり大きな変化を目指す必要はありません。日常の中で取り入れられる小さな工夫を積み重ねることが、結果的に安定した生活や就労につながります。
- 朝起きる時間や寝る時間など、生活リズムをできる範囲で一定に保つ
- 「できたこと」を一日の終わりに一つだけメモしてみる
- 不調を感じたら、我慢せずに休む時間を先に決めておく
- 一人で抱え込まず、家族や支援者に今の状態を言葉にして伝えてみる
たとえば、体調が優れない日は無理に予定を詰め込まず、「今日はここまでで十分」と区切りをつけることも、立派な工夫のひとつです。
就労移行支援でできるサポートとは
就労移行支援では、働くために必要なスキルを身につけるだけでなく、自分の特性や得意・不得意を客観的に整理していくサポートを受けられます。生活リズムを整える練習、コミュニケーションの練習、模擬的な職場体験などを通じて、いきなり就職するのではなく、段階を踏みながら準備を進めていくことができます。
また、事業所によっては、通所が安定しない時期があっても、その状態に合わせてペースを調整しながら通い続けられるところもあります。一人で就職活動を進めるよりも、専門的な視点からのアドバイスを受けながら進める方が、不安を抱えたまま孤立せずに済むという利点があります。
より詳しい制度の情報を知りたい方は、国が運営する発達障害ナビポータルでも、発達障害のある方やご家族向けの支援情報が紹介されていますので、あわせて参考にしてみてください。
支援の現場から見た大切な視点
支援の現場では、「できないことを叱られてきた経験」を持つ方に多くお会いします。そのため、まず大切なのは、本人の「できないこと」ではなく「今できていること」に目を向ける関わり方です。
大切なのは、特性を無理に矯正しようとすることではなく、その方に合った環境やペースを一緒に探していくことです。焦らず、少しずつ自分のペースを整えていくことが、結果として長く安定して働き続けることにつながります。支援者は、その過程に寄り添う存在であるべきだと考えています。
まとめ「整える」ことは、今日から始められます
働くことへの不安や、「できない自分」への罪悪感は、決してあなた一人だけが抱えているものではありません。発達障害や精神障害があっても、自分に合った環境や工夫を見つけることで、無理のない形で働き続けている方はたくさんいます。
すぐに何かが劇的に変わるわけではなくても、少しずつ考え方や生活を整えていくことはできます。焦らず、今日できることから始めてみましょう。
一人で抱えずに、まずは相談から
働くことに不安がある方は、一人で抱え込まずに、まずは見学や相談から始めてみませんか。ディーキャリアワーク多摩センターオフィスでは、発達障害や精神障害のある方お一人おひとりの特性やペースに合わせたサポートをおこなっています。「まだ働ける自信がない」という段階からのご相談も歓迎していますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
※本記事は介護福祉士の監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。必要に応じて医療機関や専門機関へご相談ください。
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