DESC法がうまく使えない発達障害の私が硬くなる理由と、自分らしく伝えるための対策
〜「ロボットみたいになっちゃう」を卒業する、アサーティブ・コミュニケーションのライフハック〜
「DESC法を習ったけど、実際に使うとなんか硬くなってしまう」「型通りに言おうとすると、言葉が詰まってしまう」「ドラマのセリフみたいで、なんか気恥ずかしい」——そんな経験、ありませんか?

こんにちは!ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。
就労移行支援の訓練でDESC法を学んだものの、「わかるんだけど、実際に使うとうまくいかない」という声をよく聞きます。私自身もそうでした。「なぜ型通りに言おうとするほど、会話がぎこちなくなってしまうのか」——その理由を知るだけで、ぐっとラクになります。
この記事では、DESC法が硬く感じてしまう理由を整理したうえで、自分らしく伝えられるようになるための、具体的な対策をお伝えします。
1. なぜ、DESC法を使おうとするほど会話が硬くなってしまうのか?
DESC法がうまく使えないのは、練習が足りないからでも、コミュニケーション能力が低いからでもありません。いくつかのごく自然なしくみが重なっています。
- 順番を守ろうとするだけで、脳がいっぱいになってしまう。 DESC法はD(描写)→E(感情・意見)→S(提案)→C(結果)という順番で伝えるフレームワークです。この順番を正しく守ろうとするあまり、脳の処理が「構成のチェック」でいっぱいになってしまいます。その結果、目の前の相手への配慮や、本来持っているはずの柔らかさが消えてしまい、「冷たい定型文」のような話し方になってしまいます。
- 「E(感情・意見を伝える)」が、日本語では特に難しい。 DESC法の「E」は、自分の気持ちをストレートに伝えるステップです。しかし「私は困っています」「私は悲しいです」「私は納得できません」——日本のビジネスシーンや日常会話でこれをそのまま言うと、ちょっと重かったり、ドラマのセリフのように浮いてしまったりします。この「かたさ」や「気まずさ」が、DESC法を使いにくくしている大きな原因です。
- フレームワークの構造と、日本のコミュニケーション文化の相性がそもそもちょっと悪い。 DESC法は「論理・順序・型」を重視するフレームワークです。一方、日本のビジネスや日常のコミュニケーションは「空気感・遠慮・調和」を大切にする文化があります。この2つの相性がそもそもちょっと噛み合わないため、型通りに使おうとするほど「なんか違う」と感じやすくなってしまうのです。
2. まず知っておく!DESC法は「型を守るもの」じゃなく「考え方を借りるもの」だ
「DESC法=4つの順番通りに話さなければいけない」という思い込みを、まず手放しましょう。ここを整理しておくことが、一番大切な下ごしらえです。
**DESC法の本来の目的は:**自分の気持ちや意見を、相手を傷つけず、自分も我慢しすぎずに伝えること——つまり「自分も相手も大切にする伝え方」を身につけることです。
型を完璧に守ることが目的ではありません。「相手に何を伝えたいか」「どうしてほしいか」を整理するための考え方として借りるのが、一番自然な使い方です。
たとえばこんなイメージです。
- 型通りの使い方(硬くなりがち):「事実は〜です。私の意見は〜です。提案は〜です。よろしくお願いします。」
- 考え方として借りた使い方(自然に伝わる):「あのミーティングの件なんですが、急に変更になって少し困ってしまって……もし可能なら、前日までに教えてもらえると助かるんですが、どうでしょうか」
後者も、ちゃんとD→E→S→Cの流れを踏んでいます。型を意識しすぎず、自分の言葉で話しているだけです。
3. その場で試せる!具体的な対策
DESC法を「自分らしい言葉」で使えるようにするための対策を紹介します。
【対策①】まず「何が嫌だったか」と「どうしてほしいか」の2点だけ整理する
4つの順番を全部意識しようとするとパニックになります。ハードルを地面まで下げて、まず「何が嫌だったか(D+E)」と「どうしてほしいか(S)」の2点だけ頭の中で整理しましょう。この2つが決まれば、あとは自分の言葉でつなげるだけです。
【対策②】「E(感情)」を柔らかい日本語に変換する
「私は困っています」が重く感じるなら、同じ気持ちをもっと日常的な言葉で言い換えてみましょう。
- 「私は困っています」→「ちょっと困ってしまって…」「正直、どうしたらいいか迷っていて」
- 「私は納得できません」→「少し引っかかっているんですが」「確認させてもらえますか」
- 「私は悲しいです」→「なんか、もやっとしてしまって」「少し気になっていて」
完全な文章にしなくていいです。「…」や「〜なんですが」という語尾を使うだけで、ぐっと柔らかく伝わります。
【対策③】練習は「日常の小さな場面」から始める
いきなり職場の上司に対してDESC法を使おうとするのは、ハードルが高すぎます。まず、訓練のスタッフへの声かけや、日常の小さなお願い事から練習してみましょう。
<日常で使えるセリフ例>
「今日の訓練なんですが、少し集中しにくい環境で……もし可能なら席を移動してもいいですか?」
「さっきの話、もう一度確認させてもらえますか。聞き取れなかった部分があって、少し不安で」
型を意識するより、「相手に正直に、でも穏やかに伝える」ことを意識するだけで十分です。
【対策④】うまく伝えられなかったあとは「次はここを変えてみよう」と1点だけ決める
うまく使えなかったとき、「やっぱり自分にはできない」と自己批判に入るのをやめましょう。「今日は感情の部分が重くなってしまった」「次は『少し困っていて』に変えてみよう」と、1点だけ次の改善点を決める。それだけで十分です。一度でうまくいかなくて当然です。使いながら自分の言葉に馴染ませていくものです。
■ まとめ:DESC法は「型を守るもの」じゃなく「自分らしく伝えるための考え方」だ
「また型通りに言えなかった」と一人で抱え込んでフリーズするのをやめて、「2点だけ整理する」「感情を柔らかい言葉に変換する」「日常の小さな場面から練習する」という道具を使いながら、自分らしい言葉で相手とちょうどいい距離でスマートに伝えていこう。
DESC法は、型を完璧に守るためのものではありません。「自分も相手も大切にしながら伝える」という考え方を借りるためのものです。自分の言葉で使えるようになったとき、はじめて本当に役に立つ道具になります。
最後に:ディーキャリア立川オフィスで「自分らしい伝え方」を一緒に練習しよう
ディーキャリア立川オフィスでは、DESC法をはじめとするアサーティブ・コミュニケーションの訓練を、実際の場面に近い形で練習できるプログラムに取り組んでいます。「習ったけどうまく使えない」「職場でどう伝えればいいかわからない」「断り方や相談の仕方を練習したい」という方も、ぜひ一度、見学や無料相談にいらしてください。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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