「上司が怖い」と感じるのはなぜ?その正体と、心をすり減らさないための距離感の取り方
〜「アサーティブ・コミュニケーション」で、評価と自分を切り離す〜

「……はい、承知いたしました。……申し訳ありません」
オフィスに響く、自分の震える声。電話を切った後、背後に立つ上司の気配を感じるだけで、心臓がバクバクと音を立てる。 「何か言われるんじゃないか」「またミスを指摘されるんじゃないか」 デスクに向かっている間も、耳は常に上司の足音や、キーボードを叩く強さを探っている――。
こんにちは!ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。
就労移行支援の現場にいると、よくこんなお話を聞くことがあります。 「過去の職場で『上司が怖い』と感じ、出勤すること自体が苦痛になってしまった」と。
でも、知っておいてほしいのです。
それは、あなたが繊細すぎるからでも、仕事ができないからでもありません。
実は、会社という組織の構造上、「部下が上司を怖く感じるのは当たり前」な理由があるのです。 今回はその正体を整理し、「アサーティブ(自分も相手も大切にする)」な視点を取り入れることで、どうすれば少し楽に働けるようになるのかを考えてみましょう。
1. なぜ「上司」という存在は、これほど威圧感があるのか?
上司に対して身構えてしまうのは、主に「評価の主導権」を相手が握っているからです。
- 納得できない「ジャッジ」の怖さ 会社では「一緒に働くチームメイト」であるはずの上司が、同時に「あなたの採点者」でもあります。「嫌われたら評価が下がるかも」という不安が、相手を必要以上に大きな存在に見せてしまうのです。
- 予測できない「不確実性」 上司の機嫌や、プレッシャー……。自分ではコントロールできない理由で上司の態度が変わる時、私たちは「次はどう来る?」と常に警戒モードになり、それが恐怖心へと変わります。
2. 「怖い」という感情は、自分を守るためのサイン
「怖い」と感じる自分を責める必要はありません。それは脳が「今は無理をせず、慎重に振る舞え」とあなたを守るためのアラートを出している証拠です。
むしろ、そのアラートを無視して「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込む方が、心にとっては危険な状態。まずは「今、自分は警戒モードに入っているな」と客観的に認めてあげることが、心の回復の第一歩です。
3. 問題解決としてのアサーティブ・コミュニケーション
「怖い」という感情に飲み込まれそうな時こそ、アサーティブ・コミュニケーションの考え方が役立ちます。
① 「役割」として接し、感情を切り離す
上司を「怖い人」という一人の人間として見ると、どうしても感情が揺さぶられます。「彼は今、上司という役割を演じているだけ。私も部下という役割を演じている」と、ビジネス上のキャラクター同士の付き合いだと割り切ってみましょう。
② 情報を小出しにして「予測」させる
上司が怖いのは、実は上司自身も「部下が何をしているか見えなくて不安」だから、というケースがあります。 あえて自分から進捗をこまめに共有(事実をアサーティブに伝える)し、相手に安心感を与えることで、結果的に相手からの突発的な攻撃を減らすことができます。
③ 「社外の視点」を常に持っておく
「この会社、この上司がすべて」と思うと、相手の言葉が絶対的なものに聞こえてしまいます。「いざとなれば別の場所もある」という選択肢を心に持っておくだけで、上司の威圧感は驚くほど小さくなります。
あなたの価値は「評価」では決まらない
上司から下される評価は、あくまで「その会社での、その瞬間のパフォーマンス」に対するものであり、あなたという人間の価値とは全く別物です。
もし今、上司の顔色を伺って苦しいなら、少し深呼吸をして「これはただの仕事のワンシーンだ」と自分に言い聞かせてみてください。あなたの心と健康を守ること以上に、優先すべきタスクはありません。
「上司との話し方がわからない」「どうしても萎縮してしまう」という悩みも、ぜひオフィスで聞かせてください。アサーティブな伝え方を練習して、少しずつ「怖さ」を「仕組み」で解決していきませんか?
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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