ある発達障害当事者の「優しい」を卒業する。他者優先で疲れないためのテクニック

美徳だった「優しさ」が自分を苦しめる
ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフ、発達障害当事者かまちです。
私自身、長らく「優しい」という言葉を美徳だと信じて生きてきました。他人の感情にばかり意識が向いて、「相手がどう思うか」「場が乱れないか」を優先するあまり、自分の意見や要望は常に後回しになりがちでした。
そして、周囲は「この子はやさしい」で済ませてしまう。しかし、本当に知ってほしいのは、その「優しさ」の裏側にある、自分が何を思い、何をしたいのかという、自分自身さえも掴みきれない気持ちの難しさです。
今回は、この「優しさ」の裏側にある発達特性との関係を解き明かし、他者優先のループから抜け出すための具体的な方法をご紹介します。
1. 発達特性と「優しさ」の危険な関係
なぜ、発達特性を持つ私たちは、他者優先の「優しさ」を発揮しやすいのでしょうか。そこには、特性由来の理由が潜んでいます。
① 他者の感情の「過剰な察知」(共感性の高さ)
特性を持つ方は、しばしば他者の感情の機微を鋭敏に察知する能力(過剰な共感性)を持っています。これにより、相手の小さな不快感や不安を「自分の責任」のように感じ、それを解消するために、すぐに自己犠牲的な行動(優しさ)を取ってしまいがちです。
② 衝突・混乱の回避行動
場の空気を乱すことや、意見の衝突に対して極端な不安を感じる場合があります。そのため、自分の意見を主張するよりも、「優しさ」という最も安全な行動で場を調和させ、トラブルを未然に防ごうとします。これは、特性を持つ方にとっての**生きていくための「防御の鎧」**となってしまうのです。
2. 🤯 自分の気持ちが「後回し」で見えなくなる
「優しさ」を続けていくと、ある種の自己認識の困難に陥ります。
① 「本当にしたいこと」の感覚が麻痺する
常に他者のニーズを優先していると、脳は「他者のニーズ=自分のニーズ」だと誤認し始めます。その結果、自分が本当に食べたいもの、行きたい場所、やりたいことといった、ささいな自分の気持ちさえも「どうでもいい」と感じるようになり、自己の感情のセンサーが麻痺していきます。
② 周囲からの「表面的な理解」
周囲は、あなたの疲弊に気づかず、「いつも気持ちよく引き受けてくれる」「穏やかで優しい人」という表面的なラベルを貼ってしまいます。このラベルがある限り、あなたがSOSを出しても、「あの優しい人が、まさか」と、本当に伝えたい内面の葛藤は理解されにくいというジレンマに陥ります。
3. 「優しさ」を「自己理解」と「境界線」に変換する技術
疲弊しない自分になるために、従来の「優しさ」を手放し、自分のリソースを守る「境界線(バウンダリー)」と「自己理解」という新しい技術を身につけます。
解決策①:自分の感情を「優しさ」の前に言語化する
相手の頼みを聞く前に、まず「自分は何を感じているか」を1秒で確認します。
- 「(疲れているから、今は嫌だ)」
- 「(これは自分の得意なことだから、やってもいい)」
この言語化の訓練は、自分の気持ちのセンサーを再起動させ、「他者優先」の反射的な行動を食い止める最初のステップになります。
解決策②:「ごめんなさい」の前に「ありがとう」を使う
断る際、「ごめんなさい、できません」と言うと、罪悪感が生まれます。これをやめて、「お声がけありがとうございます。ただ、〇〇の都合で今回は難しいです」と言い換えます。
- メリット: 相手への感謝を示しつつ、自己の状況(都合)を優先する意思を明確に伝えられます。
解決策③:物理的な「境界線」を設定する
人間関係の消耗を防ぐために、物理的なリソース管理と同じように、「境界線」を設定します。
- 「この話題が出たら、立ち上がって別の作業に戻る」
- 「残業の誘いは、『今日の充電リソースが空になる』から断る」 感情論ではなく、物理的なリソース(時間、エネルギー)が理由だとすることで、客観的に境界線を守りやすくなります。
🤝 結びに:優しさは「使いどころ」を選ぶリソース
「優しさ」は、あなたが持つ貴重なリソースであり、無尽蔵ではありません。
自分の心と身体の境界線を理解した上で、「どこに、どれくらいの優しさを使うか」を戦略的に選べるようになること。それこそが、特性を活かし、他者に振り回されずに生きるための、真の強さとなります。
ディーキャリア立川オフィスでは、この「自己理解」と「境界線」の設定を、仕事や日常生活を通じて学ぶことができます。自分を守るためのスキルを、一緒に身につけていきましょう。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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