発達障害の私のリソース管理術:「時間」に縛られず「資源の質量」で考える方法

ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。
発達障害の私にとって、毎月の給料日を区切りとした「時間ベース」の管理は困難が伴います。
「タイムブラインドネス」とは?
あなたは「タイムブラインドネス」を知っていますか?
これは、時間の見通しや長さの感覚を掴むことが苦手という、発達特性によく見られる傾向のことです。
タイムブラインドネスが影響するのは、お金だけではありません。今回は、「時間」ではなく、「リソース(資源の質量)」として捉え直すことで、お金、疲労、人間関係の3つの問題を解決する方法をご紹介します。
1. タイムブラインドネスが3つのリソースを脅かす
なぜ従来の管理法が機能しないのでしょうか。タイムブラインドネスは、抽象的な見通しを困難にするため、以下の3つの資源管理を崩壊させます。
| リソースの種類 | 脅威となる問題点 |
| ① お金のリソース(金銭管理) | 給料日から月末までの「残り時間」が抽象的。衝動性とも相まって、今使えるお金の「残りの量」を把握できず、予算オーバーにつながります。 |
| ② 身体と精神のリソース(疲労回復) | 回復時間の見通しが立たず、計画的な休息が取れない。結果、無理が続き、大きなリソース(健康)を失いやすくなります。 |
| ③ コミュニケーションのリソース(人間関係) | 適切な時間や頻度を感覚的に掴むことが難しい。「知らず知らずのうちに相手に合わせすぎて疲弊したり、急に関係を絶ってしまったりする」原因となります。 |
2. お金編:金銭を「物理ブロック」として管理する
お金を単なる「数字」ではなく、特定の目的のための「物理的な資源の塊(リソースブロック)」として定義し直します。
解決策①:用途別ブロック化(封筒・口座分け)
- 実践: 給料を受け取ったら、「食費ブロック」「趣味ブロック」のように名前を付けた封筒やサブ口座に物理的、またはデータ的に分けます。
- メリット: ブロックの総量が減っていくことに焦点を当てられるため、時間軸を無視し、視覚的に管理できます。
プログラミング思考との関連
この「リソースブロック思考」は、プログラミングにおける「変数(データを格納する箱)の定義と管理」や「タスクの構造化」と非常に近いです。得意な論理的思考を日常に応用できます。
3. 🔋 疲労編:エネルギー残量を「質」として認識する
疲労を「時間で回復するもの」ではなく、「身体のバッテリー(残量)」として質的に認識し、リソースが尽きる前にチャージします。
解決策②:エネルギー管理と消費行動の回避
- 自覚: 衝動的な消費(無駄な買い物など)は、「集中力が切れた」「精神的に疲れている」ときに起こりやすいことを理解します。
- 回避: 疲労というエネルギーリソースが減り始めたら、お金のリソースを消費する前に、「強制的に休む」「散歩に行く」など、消費行動を回避するアクションを取ります。
解決策③:回復を「行為」でブロック化する
- 実践: 「回復=時間」ではなく、**「回復=行為」**に置き換えます。
- 「疲労回復には、ベッドで30分の仮眠ブロックが必要」
- 「週末には、趣味に没頭する4時間のチャージブロックが必要」
- このように行為を定義し、予定に入れます。
4. 人間関係編:感情と曖昧さを組み込んだリソース管理
社内や組織では、コミュニケーションのブロックを自分で決めることができません。ここでは、効率性よりも「感情」と「関係性の維持」という曖昧なリソースをいかに守るかに焦点を移します。
ブロック思考の落とし穴
かつて私も、人間関係を厳密な「目的完了ブロック」で捉えすぎてしまい、「効率的な仕組みに人間の感情を無理やり当てはめよう」として、コミュニケーションがうまくいきませんでした。
人間関係には「感情」と「曖昧さ」があります。この事実を認めた時、自己理解が深まり、世界への理解も深まり、人との関わりが少し楽になりました。
解決策④:対話の「目的」に「許容範囲」を組み込む
従来の「この会話は〇〇を決定したら終了する」という目的設定に、感情的な許容範囲を組み込みます。
| 従来のブロック思考(タスク重視) | 新しい許容範囲設定(関係性重視) |
| 「タスクAが決定したら即終了。」 | 「タスクAに加えて、相手が雑談を5分挟むことは許容する。」 |
| メリット | 「効率性」というリソースを少し手放し、「心理的な安全性」というリソースを確保することで、関係性の破綻を防ぎます。 |
解決策⑤:特性を活かす「感情コストの計測」と「戦略的自己開示」
自分の感情の動きを客観的に計測し、それを相手とのコミュニケーションに活かす仕組みを作ります。
① 感情コストの「種類」をラベリングする
消耗したリソースを単に「疲労」とするのではなく、「感情コスト」なのか、「思考コスト」なのかを区別します。
- 感情コスト: 相手の感情に共感したり、気を遣ったりして消耗する疲労。
- 思考コスト: 相手の発言の意図を過剰に分析したり、次に来る質問を予測したりして消耗する疲労。
なぜ計測するのか? このラベル付けにより、「感情コストなら趣味ブロックで回復」「思考コストなら論理的な作業でリセット」など、回復ブロックの質を高めることができます。
② 特性を「自己開示」としてブロックに組み込む
曖昧さへの理解を深めることは、自分の特性を相手に理解してもらうことにも繋がります。自分の特性をコミュニケーションを円滑にするための情報として使います。
- 実践例:
「私は時間の見通しが苦手で、話が長くなると集中力が切れやすいです。効率よく進めるため、『残りあと5分で結論を出す』というブロックを設けても良いでしょうか?」
これは、協力的なブロックを設定する方法です。これにより、相手の感情的な理解(配慮)を引き出しつつ、自分のリソースも守ることができます。
解決策⑥:事前の「回復ブロック」を確保する(短期・長期)
- コスト計測: 「Aさんとの会議は回復に1時間かかる」など、対人関係のコストを計測します。
- 短期回復(席でのマイクロ・リセット): 会議や対話の直後は、席に戻り、「次の作業準備」をしながら数分間の冷却期間(例:目を閉じて深呼吸5回など)を設け、次のタスクに資源を割くためのメンタルリセットとして処理します。
- 長期回復(週末): 累積する疲労を考慮し、週末に「〇時間のリセットブロック」をあらかじめスケジュールに入れます。「この週末の〇時間が今週の最終的なチャージリソースである」と明確に定義することで、週の終わりまで見通しを持って乗り切ることができます。
🤝 結びに:仕組みづくりが不安を減らす
金銭管理、疲労回復、人間関係の全ては、意志の強さではなく、自分の特性に合わせた「仕組みづくり」です。そして、人間関係においては、自分の「感情と曖昧さ」を認め、他者の「感情と曖昧さ」を許容するための「緩いブロック」を設定することが、持続可能なリソース管理の鍵となります。
この新しい仕組みを試すとき、たとえ、最初、うまくいかないことがあっても、決して自分を責めないことが大切です。失敗は、あなたの特性に合わせたより良い方法を見つけるための貴重なフィードバックだと捉えましょう。
ディーキャリア立川オフィスでは、個々の特性に合わせたサポートしています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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