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発達障害の私の「お金の管理ができない」は意志の弱さじゃない!特性を活かした3つの防御策
人生を生き抜こう、おはようございます、ピアスタッフかまちです。
毎月、給料日には「今月こそ貯金!」
と決意するのに、気づけば月末には
残高がゼロ。

衝動的な買い物で後悔したり
どこにお金を使ったか見当もつかない。
こうした「お金の管理ができない」という状況は
「だらしがない」「意志が弱い」と自己嫌悪に陥りがちですが
それは違います。私自身、この問題は特性と深く結びついていました。
「未来の見通しの困難さ」や「衝動性のコントロールの難しさ」といった特性が
現代社会の「簡単すぎる支払い方法」と結びつくことで、お金が瞬時に溶けてしまうのです。
今回は、この「お金の管理ができない」という問題を特性から分析し
あなたの脳の仕組みを活かした、実践的な3つの防御策をお伝えします。
📌 本記事の目次
- ⚡️ 特性別分析:「なぜお金が消えるのか?」
- 📝 【コア解決策】特性を活かした3つの防御策
- 🚨 危険な落とし穴:見通しの困難さが招く自己嫌悪
- 💖 ピアスタッフからのエール:お金の不安を乗り越えるために
1. ⚡️ 特性別分析:「なぜお金が消えるのか?」
あなたは今、「どうせ自分はダメだ」と思っていませんか?
お金の管理が難しいのは、あなたの努力不足ではなく、脳の特性が原因です。
① 衝動性(ADHD特性)による「今」の優先
ADHDの特性が強いと、未来の利益(貯金)よりも目の前の報酬(欲しいもの)が過度に魅力的に映ります。
欲しいと思った瞬間に「すぐに手に入れる」という行動にブレーキがかかりにくいのです。
- 影響: スマホ決済やワンクリック購入など
- 手軽な支払い方法が衝動的な行動を加速させます。
② 見通しの困難さ(ASD特性)による計画の破綻
ASDの特性が強いと、「来月の生活費」や「数年後の目標」といった抽象的な未来のイメージを
「今持っている現金」と結びつけて考えるのが難しくなります。
- 影響: 月の予算を立てても、日々の支出と結びつかず、途中で計画自体が**「意味不明なもの」**となって破綻しがちです。
③ ワーキングメモリの負荷(共通)
日々のお金を使うたびに残高を計算し、予算を意識し続けることは、非常に高いワーキングメモリ(一時的な情報処理能力)を消費します。
このメモリが逼迫することで、結果的に「考えるのをやめてしまう」という状況に繋がります。
2. 📝 【コア解決策】特性を活かした3つの防御策
お金の管理は「意志の力」ではなく「仕組みの力」で解決します。あなたの脳が苦手な部分を外部ツールで補い、自動的に管理できる仕組みを構築しましょう。
防御策① 脳を休ませる「強制ブロック」の仕組みを導入する
衝動性を力で抑えるのは無理です。衝動的な行動を起こす前に、物理的な壁を作りましょう。
- 支払い手段の制限(実行性の確保): 家計簿アプリへの入力も続かないのが私たちの特性です。だからこそ、スマホに特定の決済アプリしか入れないこと。決済履歴が一つにまとまるため、自動的に家計が可視化されます。
- 給与の自動積立: 毎月の給与から一定額を**「貯金・投資口座(ブロック口座)」**に自動で振り分け設定する。この口座のカードは使わない場所へ保管します。
- 現金化の制限: 日々の買い物は、週に一度だけ引き出した現金(定額)だけで生活するルールを設けることで、衝動的な支出を減らします。
防御策② 未来を視覚化する「見通しデータ」を作る
見通しが苦手な特性を補うため、抽象的な「お金」という概念を、具体的で視覚的な「未来のデータ」に変換します。
- 未来の口座残高グラフの作成: 1ヶ月の出費を計算し、それを日割りした折れ線グラフを、目につく場所に貼る。毎日、残高を確認し、そのグラフと照らし合わせることで、「今使ったら未来がどうなるか」を脳が認識しやすくなります。
- 「目的別封筒(バケツ)」の活用: 予算を「食費」「趣味」「交際費」など目的別の封筒(またはデジタル家計簿のバケツ)に振り分ける。残りが目に見えて分かる状態にすることで、使いすぎを防ぎます。
- キャッシュレスなら「予算専用カード」: デビットカードやチャージ式プリペイドカードを「今月の予算専用」として用意し、そこに予算分だけチャージする。残高がゼロになれば、物理的にそれ以上使えないため、衝動性が抑えられます。
防御策③ 自分一人で解決しようとしない「専門家との連携」
お金の問題は、特性の課題が深く絡むため、自分一人で解決しようとすると必ず挫折します。
- 専門家への相談: 資産運用や将来の設計のために天引きしたお金を投資に回す方法もありますが、その際は、専門のファイナンスプランナーさんに相談することが、特性の工夫として非常に有効です。
- 私自身、友人のファイナンスプランナーに何度も助言をもらうことで以前よりマネープランがクリアになりました。
- 「書く技術」の自動化: クレジットカードは「固定費専用」とし、家計簿アプリで固定費の自動記録を徹底するなど、手動入力作業を極力ゼロにする仕組みを構築しましょう。
衝動性と見通しの困難さは「強制ブロック」で防御し
自動化と視覚化、そして専門家への依頼によって脳の負担をゼロにすることが、継続の鍵となります。次は、お金の管理で陥りがちな危険なパターンを見ていきましょう。
3. 🚨 危険な落とし穴:見通しの困難さが招く自己嫌悪
お金の管理ができないと、自己嫌悪や人間関係の悪化という二次的な問題に陥りがちです。
私の若い頃の経験から言うと、強いストレス下では、特性由来の認知の歪み(白黒思考、過度な一般化)が働きやすくなります。
「お金がないのは全て自分のせいだ」「自分は一生ダメだ」と衝動的に自己否定に走ってしまうのです。
この自己否定は、友人や恋人からの金銭的なアドバイスを「自分への攻撃」と衝動的に決めつける**ことにもつながり、人間関係の孤立を招きかねません。
この暴走を防ぐ鍵は、あなたが書き出した(今、自分がどんな衝動に支配されているか)を、まずは「そう感じているんだね」と人間として受け止めることです。
その上で、(感情のきっかけとなった事実)をデータとして横に並べます。
「感情」と「事実」を切り離して、感情のない第三者の視点を入れる。この冷静な作業が、私たちを衝動的な決めつけから救い出してくれます。
4. お金の不安を乗り越えるために
「お金の管理ができない」という事実は、「あなたの脳の仕組みが、現代社会の支払いシステムと相性が悪いだけだ」というサインです。
お金の不安は、そのままメンタルに来ます。 ストレスがたまり、衝動的な行動や自己否定が加速するという悪循環を生み出します。
だからこそ、この問題に率先して解決するためにも、「働く」を安定させることが最大の解決策です。
就労移行支援事業所などの福祉サービスで、働くスキルと習慣をトレーニングして就職するというのは、**「安定した収入」と「社会とのつながり」を得るための、特性を活かした最大の問題解決ではないかと思います。
自分を責めず、「仕組み」と「専門家」の力を借りて、あなた自身の安全を守りましょう。
あなたは、一人ではありません。 あなたの特性を活かし、ともに乗り越えていきましょう。
人生を生き抜こう、次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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