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「運動が苦手」な発達障害の私が、劣等感を 3ステップ で手放し、自己肯定感を高める方法
人生を生き抜こう、おはようございます、ピアスタッフかまちです。
子どもの頃、体育の時間が苦痛で仕方なかった発達障害当事者は、私を含め少なくないのではないでしょうか。特にADHDやASDの特性を持つ場合、不器用さや、視空間認知の困難から、集団でのスポーツや体の使い方が苦手になりがちです。

そして厄介なのは、「運動が苦手」という事実が、いつの間にか「自分は何もかもうまくできない」という劣等感や自己肯定感の低さと直結してしまうことです。
この記事では、私自身のADHD/ASD当事者としての経験と、就労移行支援事業所での知見に基づき、この「運動が苦手」が引き起こす心理的な困難を深く分析します。そして、健全な境界線を引き、自己犠牲からの脱却へと繋がるリフレーミングと具体的な行動ツール(アサーティブな体の使い方)をお伝えします。
1. 😓 運動苦手意識の背後にある「完璧主義による自己補完」
発達障害当事者が運動を苦手に感じ、それが劣等感に結びつくプロセスには、特性と心理が深く関わっています。
1-1. 特性からくる身体的な困難(ADHD/ASD特性)
- ADHD/ASD特性とDCD(不器用さ): 運動が苦手な背景には、発達性協調運動障害(DCD)が併存しているケースが多くあります。これは脳の情報処理の問題であり、努力や根性の問題ではありません。
- 視空間認知の困難: ボールまでの距離が掴みにくい、体の動きの微調整が難しいといった困難が、成功体験を阻み、「自分は運動音痴だ」という認知を形成します。
1-2. 劣等感の裏返しとしての「完璧主義による自己補完」
この身体的な困難と、周囲との差から生まれた劣等感を埋めるために、私たちは無意識に自己補完をしようとします。
かまち自身の過去の経験
私は、体育が苦手で運動神経が悪いと認識されるのを恐れ、勉強や、他人の手伝いなど、自分が「確実に評価される分野」で過剰に頑張りました。特に友人の課題を手伝う、他者の相談に徹夜で乗るといった自己犠牲的支援をすることで、「運動はできないが、人としては価値がある」と自己価値を証明しようとしていたのです。
これは、「自分には何か欠陥がある」という自己肯定感の低さから、「他者への過度な自己犠牲的支援で自己価値を証明しようとする動機」が生まれるという心理傾向です。運動能力の差を、対人援助能力の高さで埋めようとしてしまうのです。
2. 💡 優しさを否定しない:「動機」と「行為」の健全な境界線
ここで大切なのは、あなたの「優しさ」や「支援」そのものを否定しないことです。
問題なのは、「劣等感を埋めるため」という動機で過剰な自己犠牲をしてしまうこと。健全な境界線とは、以下のように「動機」と「行為」を整理することです。
| 行為(支援・優しさ) | 健全な動機 | 不健全な動機(自己補完) |
| 他者の話を聞く、助ける | 純粋にその人を助けたいから | 「運動できない自分は役に立たない」という劣等感を隠したいから |
| 自分の時間を使って活動する | 自分の意思で貢献したいから | 貢献しないと自分の存在価値がないと感じてしまうから |
この動機の違いに立ち止まる勇気を持つこと。これが、自己犠牲からの脱却の第一歩です。
3. 💪 劣等感を手放し自己肯定感を高める 2ステップ(リフレーミングと行動ツール)
運動が苦手な事実は変えられませんが、それに対する認識(リフレーミング)と行動(アサーティブ・コミュニケーション)は変えられます。
ステップ1:立ち止まる勇気と「自分自身への3つの問い」
劣等感を感じた時、過剰な自己犠牲行動に出る前に、自分自身にこの3つの問いを投げかけましょう。これはリフレーミングの核となります。
- 「この運動の苦手さは、私の人間性や仕事の能力を本当に否定するものか?」
- 「私は今、誰かのためにやっているのではなく、自分の劣等感を埋めるために誰かに尽くそうとしていないか?」
- 「運動は得意でなければならない、という完璧主義なルールを誰に課せられているのか?(自分自身ではないか?)」
問いかけは、客観性を獲得し、「運動神経の良さ ≠ 自己価値の高さ」という健全な認識に立ち戻る助けになります。
ステップ2:特性を考慮した「アサーティブな体の使い方」へ
運動能力を上げようとするのではなく、「特性を考慮した実践的なアサーティブ・コミュニケーション」としての体の使い方に焦点を当てます。
- 目標のリフレーミング: 「スポーツで成功すること」ではなく、「特性によって過度な疲労を負わない体の使い方を習得すること」に目標を変えます。
- 具体的なアクション例: 人との衝突を避けるための歩き方、落ち着いて仕事に取り組むための短い休憩時間のストレッチ(体性感覚の調整)、不器用さからくる怪我のリスクを避けるためのゆっくりとした動作の意識。
運動が苦手=自分には価値がない
この劣等感の根源にある「運動が苦手=自分には価値がない」という認識は、強力な認知の歪みであり、心理傾向です。統計データが存在する明確な概念ではありませんが、多くの当事者が経験する心理的な現実です。
しかし、今日の記事を通じて、私たちは大切な気づきを得ることができました。
✅ 運動の苦手さは、努力不足ではなく、特性からくるものであり、人間的な価値とは無関係であること。
✅ 過度な自己犠牲は、優しさからではなく、劣等感を埋めるための自己補完から生じていること。
「運動が苦手」なことは、あなたの共感性や分析力を深める貴重な経験となり得ます。あなたの完璧主義は、方向性を変えれば、質の高い作業や仕事の丁寧さという強みになります。
今日から、「運動が苦手」という劣等感を、「健全な自己理解」へのスタートラインへとリフレーミングしていきましょう。この困難に直面しているのは、あなた一人ではないことを忘れないでください。この気づきが、あなたの人生を前進させる論理的な一歩となることを願っています。

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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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