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「聞き返す勇気」より「立ち止まる仕組み」:「知ったかぶり」を生む完璧主義と劣等感の克服法

人生を生き抜こう、おはようございます、ピアスタッフかまちです。

「誰かの話を理解できなかったとき、つい知ったかぶりをしてしまう…」

この悩み、過去の私にとって、深く、そして長い間つきまとった大きな壁でした。特に、家族や親しい友人との間、そして就労移行支援の訓練を受けている当時、周囲の人の話が複雑に聞こえるたびに、つい自分をよく見せようと頷いてしまうのです。

あとで「やっぱり聞き返せばよかった」と自己嫌悪に陥る。知ったかぶりをするのは、「自分のダメな部分(理解力の不足)を隠したい)という劣等感と、「聞き返すのは勇気がいる」というトラウマに似た不安が原因でした。

今も、ふとした瞬間に「あの時、本当に理解できていたかな?」と不安になることがあります。

しかし、私はディーキャリアで学び、今は支援員として働く中で、この「知ったかぶり」の衝動がどこから来ていたのか、そしてどうすれば健全な対話ができるのか、明確に理解できるようになりました。


1. 🎭 過去の私を突き動かしていた「二つの根源」

なぜ過去の私は、理解できていないにもかかわらず、「知ったかぶり」をして自分をよく見せようとしていたのでしょうか。それは、私の持つADHDとASDの特性と、自己肯定感の低さが深く結びついていたからです。

① 発達障害特性による「コミュニケーションギャップ」

まず、ADHD(注意欠陥・多動性障害)ASD(自閉スペクトラム症)を併せ持つ私は、会話において特性的な困難を抱えがちでした。

  • ADHDによる聞き取りのムラ: 集中力の波があり、相手の言葉を断片的にしか拾えていないことがある。
  • ASDによる解釈のズレ: 曖昧な表現や、感情的なニュアンスを字面通りに受け取り、真意を理解できないことがある。

この「理解のギャップ」こそが、知ったかぶりの最初の原因です。ギャップを埋める「勇気」がないために、反射的に「わかったフリ」をして、その場を乗り切ろうとしていました。

② 劣等感を「完璧主義」で補償する衝動

この理解のギャップからくる「自分がダメだ」という劣等感を、私は完璧主義で補おうとしていました。

  • 知ったかぶり(偽の全能感): 聞き返すという「不完全な自分」を見せたくない。「この人は何でも理解できる完璧な人だ」と相手に思わせることで、自分の劣等感を補完しようとする自己補償の衝動です。

特に身近な人に対しては、「もし理解できない自分を知られたら、居場所を失うのではないか」という不安から、この衝動が強くなりがちでした。


2. ✨ ディーキャリアで学び、支援員となってわかったこと(恥の文化との決別)

就労移行支援に通い、そして支援員として働く側になって、私は知ったかぶりを克服する上で、最も重要な事実を学びました。

それは、知ったかぶりは、自分にも相手にも「何のメリットもない」ということです。

🏮 「聞く恥はその場」と「完璧主義」の結びつき

日本のことわざに「聞く恥はその場、聞かぬ恥は一生」という言葉があります。過去の私は、ASDやADHDの特性からくる理解のギャップを、「今、この場で恥をかきたくない」という強い感情で補償していました。私の完璧主義は、この「その場の恥」を極端に恐れる心から生まれていました。

💡 真の仕事は「理解の正確さ」から始まる

支援員として利用者さんの話を聞くとき、少しでも理解が曖昧な状態で進めてしまうと、支援の方向性が大きくズレてしまいます。これは、一般の会社員が、上司や取引先の指示を曖昧なまま進めてしまうことと、全く同じです。

知ったかぶりをしたことで、利用者さんの未来、あるいは会社やチーム全体の利益に一生の不利益を与えかねません。

真のプロフェッショナルとは、「その場の恥」を恐れることなく、「一生の不利益」を防ぐために行動できる人間です。


🏫 知ったかぶりの究極の結末:不登校というターニングポイント

この「知ったかぶり」のくせは、私の人生において最も重大な結果を招きました。それは、学校での不登校です。

私は授業で質問ができませんでした。質問できない理由は、「どこがわからないか、その『わからない』がどこにあるのかもわからなかった」からです。これは、ASD特性による情報処理の困難と、ADHD特性による注意力のムラが重なり、学習内容が完全に崩壊した状態でした。

しかし、当時の私にとって、「先生、わかりません。どこがわからないかすら、わからないのです」と正直に告白することは、「私は社会のルールを理解できない、決定的な欠陥品だ」と宣言するのと同じくらいの恐怖でした。完璧主義の私には、それは許されない「致命的な恥」だったのです。

結果として、この「聞きそびれ」の積み重ねが、学校という環境全体への不安と恐怖に変わり、不登校という結末を迎えました。

今、支援員として振り返ると、あの時私に必要だったのは、**「自分の完璧さを手放し、脆弱性を正直に告白する勇気」と、「『わからない』という感覚を言語化するスキル」**だったと痛感します。そして、そのスキルを身につける場こそが、今の私にとってのディーキャリアでした。


3. 🛡️ 恥を乗り越えるための「二つのスキル」と特性活用法

過去のトラウマと「恥の文化」に打ち勝つために、私が実践したのが、「客観性(リフレーミング)」「率直な伝え方(アサーティブ・コミュニケーション)」です。

① リフレーミングで「衝動」を客観視する

知ったかぶりをする衝動が湧いたとき、まず立ち止まる力を養います。

悪いリフレーミング(過去の私)健全なリフレーミング(今の私)
「聞き返せないのは、私が馬鹿だからだ。」「聞き返せないのは、私は『相手との関係を壊したくない』という優しさを持っているからだ。」
「知ったかぶりをしないと、完璧な自分を失う。」「知ったかぶりをしない方が、後の大きなミスを防げる、信頼されるプロの行動だ。」

【ADHD特性を活かす対策】

ADHDの特性で衝動的に頷いてしまいがちな方は、「わかったフリをする前に、2秒数える」など、特性の衝動性を物理的に遮るルールを設けましょう。立ち止まれない自分を責めるのではなく、仕組みで対処します。

② アサーティブで「率直な伝え方」を習慣化する(聞きすぎ問題の克服)

聞き返すことは、相手を攻撃することではありません。相手の話を真剣に聞いているからこそ出てくる「確認のボール」です。

不健全な聞き方アサーティブな定型文(ASD向け)
「えっと、何でしたっけ?(不安と罪悪感)」「すみません、正確に把握したいので、確認させてください。○○ということでしょうか?」
「わかった、わかった。(早口でごまかす)」「少し頭の中で整理したいので、メモを取る間、少しお待ちいただけますか?」

しかし、ここで新たな問題が発生します。過去の私と同じように、不安が強いと、今度は逆に**「聞きすぎてしまう」**という行動に走りがちです。

そこで私は、デジタルデバイスを「第二の記憶装置(脳)」として活用する手法を取り入れました。

  1. 記憶の委任: 一度聞いた情報は、その場で**迅速にデバイスにメモ(入力)**します。
  2. 脳の解放: 「これはメモリーに記憶されている」と割り切ることで、「今すぐ全部覚えなければ」という不安から脳を解放します。
  3. 確認のルール化: 聞き返すのは「メモを見ても理解できない点」に限定し、「不安だから」という感情的な理由での確認を禁止しました。

このように、人間の記憶力に頼るのではなく、デジタルの確実性に委ねることで、「知ったかぶり」と「聞きすぎ」という両極端の行動を同時に克服できるようになりました。


4. 💖 劣等感を優しさに変える:自分を救う「立ち止まる勇気」

知ったかぶりを克服し、健全なコミュニケーションを築くためには、まず自分に優しくなることが必要です。

  • 過去の自分を否定しないこと: 知ったかぶりをした過去の自分も、不登校という結末を経験した過去も、「相手との関係を壊したくない」という優しさの裏返しだった、とリフレーミングすることで、初めて自分に優しくなれます。
  • 完璧主義を手放すこと: 「完璧な理解者」でなくても、あなたは価値ある存在です。

そして、最も重要なこと。

正直、「恥なんてかきたくない」。いまだにそう思う、弱い自分もいます。しかし、その「恥をかくと思う自分」を認めた上で、行動をリフレーミングします。

「恥をかくこと」ではなく、「自分のまわりの見通しを可視化させる」ことなのだ、と。

聞き返す行為は、自分の「わからない」を露呈することではなく、未来の不利益を避けるための「状況把握の行動」です。

「恥ずかしい」という感情と、「状況を可視化する」という行動は、別々に存在する。そして、「いまだに恥だな、いやだなと思う弱い自分」も、それもすべて私(ピアスタッフかまち)だと、今は自己理解しています。

この「立ち止まる勇気」こそが、真のプロフェッショナルであり、自分自身を大切にすることだと知りました。

一人ではありません。 相手に真摯に向き合うためにも、まずは自分に優しく、不完全な自分を許してあげましょう。

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■この記事を書いた人は?■

ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部

普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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