【柔軟な対応が難しい】安心して行動するための3ステップ
おはようございます。ディーキャリア立川オフィスです。

発達障がいのある方にとって、予定の急な変更や予想外の出来事は大きなストレスになることがあります。
例えば、職場で
『今日の会議が急に午後から午前に変更になった』
『担当業務を突然、他の人と入れ替えることになった』
『電車の遅延で、いつもの通勤ルートが使えない…』
など、思いもよらない出来事が起こると、頭が真っ白になったり、強い不安や焦りを感じる方も少なくありません。こうした「柔軟な対応」が苦手なのは決して怠けているわけではなく、脳の情報処理の特徴によるものです。
では、どうすれば急な変更やトラブルにうまく向き合えるのでしょうか?ここでは具体的な工夫を紹介します。
★★なぜ、「急な変更」が苦手なの?★★
予定外の出来事に強いストレスを感じるのは、主に2つの脳の特性が関係しています。
1:見通しを立てて安心したい脳
私たちの多くは、先の見通しを立て、計画通りに物事を進めることで安心感を得ます。「Aをしたら、Bになり、次はCをする」というように、頭の中に決まったシナリオや手順を描いています。急な変更は、この苦労して作り上げたシナリオを根底から覆してしまうため、「これからどうなるか分からない」という強い不安と混乱を引き起こすのです。
2:思考の切り替えにエネルギーが必要な脳
一つの物事に集中する力(シングルタスク)が得意な反面、注意を別の対象に素早く切り替えること(タスクスイッチング)を苦手とする傾向があります。一つの予定に集中していたところに別のタスクが割り込んでくると、脳がすぐに対応できず、思考が停止(フリーズ)してしまうのです。
★★「急な変更」を乗り越える3ステップ対処法★★
それでは、実際にトラブルや変更が起きたときにどうすればいいのでしょうか。「準備・計画」「その場で実践」「振り返り」の3つのステップに分けて、具体的な方法を見ていきましょう。
ステップ1:【準備・計画】あらかじめ「心の安全基地」を作る
トラブルは常に突然やってきます。だからこそ、平穏なうちから「もしも」に備えておくことが、パニックを防ぐ最大の防御になります。
①「もしも」プランを複数用意しておく :人は「先のことが分からない」と強い不安を感じやすいものです。発達障がいのある方は特に予定変更に敏感なため、あらかじめ「変更があるかもしれない」と想定しておくだけでも気持ちが楽になります。
仕事のプレゼンなら、「もしPCが繋がらなかったら、印刷した資料で説明する」、待ち合わせなら、「もし電車が遅れたら、このカフェで待つ」というように、プランB、プランCをあらかじめ考えておきましょう。「別の道もある」というだけで、心のお守りになります。
②「お守り」になる避難場所リストを作る:外出先でパニックになりそうなとき、駆け込める場所をリストアップしておきましょう。「静かなカフェ」「駅の待合室」「公園のベンチ」など、自分が落ち着ける場所を知っておくだけで、行動の選択肢が広がります。
③自分の「トリセツ」を周囲に共有しておく:職場の同僚や上司、家族など、身近な人に「急な変更が苦手です」「パニックになったら、少し時間をください」と伝えておくだけでも、いざという時に配慮を得やすくなります。
ステップ2:【その場で実践】パニックの波を乗りこなす応急処置
実際にトラブルが発生!頭が真っ白になりそうな、まさにその瞬間に使えるテクニックです。
① まずは物理的にその場を離れる :可能であれば、トイレや給湯室、建物の外など、一人になれる場所に数分間だけ移動しましょう。刺激の多い場所から離れることで、冷静さを取り戻すためのスペースを確保します。
② 深呼吸で脳に酸素を送る :「4秒かけて鼻から吸って、7秒止めて、8秒かけて口から吐く」といった深呼吸を数回繰り返します。パニック状態の脳は酸素不足に陥りがちです。ゆっくりとした呼吸は、興奮を司る交感神経を鎮め、リラックスさせる副交感神経を優位にしてくれます。
③ やるべきことを「1つだけ」に絞る :「あれもこれもやらなきゃ!」と混乱したら、まずは「今、この瞬間にできること」を1つだけ考えます。「上司に報告する」「遅延証明書をもらう」「相手に一本電話を入れる」など、タスクを最小単位まで分解し、それに集中します。一つ片付けば、次の行動が見えてきます。
④ 「お決まりのセリフ」を唱える :「大丈夫、なんとかなる」「まず、落ち着こう」「一つずつやればいい」など、自分を落ち着かせるための魔法の言葉(コーピングマントラ)を事前に決めておき、心の中で唱えましょう。声に出せる状況なら、なお効果的です。
ステップ3:【振り返り】経験値を未来の自分へのプレゼントにする
トラブルを乗り越えた後は、それっきりにしないことが大切です。その経験を次に活かすことで、「柔軟性」というスキルは少しずつ育っていきます。
①「何ができて、何ができなかったか」を客観的に分析する :感情的に「ダメだった…」と落ち込むのではなく、「〇〇はできたけど、△△でパニックになったな」「次は△△の対策を考えてみよう」というように、ゲームの攻略法を考えるように客観的に振り返ります。
②自分を褒める: 完璧にできなくても、パニックになりながらも、なんとかその場を乗り切った自分をたくさん褒めてあげましょう。「よく頑張った」「大変だったけど、乗り越えられた」とセルフコンパッション(自分への思いやり)を持つことが、次の挑戦へのエネルギーになります。
いきなり本番で柔軟に対応するのは難しいため、日常の中で「切り替えの練習」をしておくのがおすすめです。一人で全てを抱え込む必要はありません。職場や家族に「急な変更が苦手なので、できるだけ早めに教えてほしい」と伝えることも立派な工夫です。
また、就労移行支援事業所では「トラブル対応の練習」や「職場でのサポートの受け方」を学べます。サポートを組み合わせながら、少しずつ柔軟性を高めていくことが大切です。
変化に強くなることは、就職や日常生活の安心にもつながります。大切なのは、完璧を目指すのではなく「少しずつできることを増やす」こと。自分のペースで、前向きに取り組んでみましょう。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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