発達障害の一人暮らしで直面する課題とは?
おはようございます。ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフのKです。
4月から生活環境が変わり、一人暮らしを始めた方も多いのではないでしょうか。初めての一人暮らしに解放感や新鮮味を感じる一方、漠然とした不安もあるかと思います。一人暮らしで直面する課題としてどういったことがあるか、また、その解決方法について今年で一人暮らし10年目になるピアスタッフからお伝えしていきます。

ピアスタッフとは?
ピアスタッフとは障害特性を持ちながらも支援者として活動しているスタッフのことを指します。私は注意欠如・多動性障害(ADHD)と自閉スペクトラム症(ASD)の2つの診断が出ています。
対処しないといけない課題とは?
一人暮らしをするうえで対処しないといけない課題には下記のようなものがあります。
・家事
・食事
・トラブル対処
・朝自分で起きないといけない
・金銭管理
・スケジュール管理
こうしてみると見ると思っていたより少なく感じるかもしれませんが、1つの項目に大量の雑多なタスクがあります。1つずつ見てみましょう。
①家事
一人暮らしをするうえで最初に思いつくのが家事です。中でも代表的なのが掃除と洗濯です。自分の部屋の掃除はもちろんのこと、普段はあまり手を付けることがない水回りの掃除なども自分でやらないといけません。また、掃除して終わりではなく、その後のゴミ出しまでしっかりとおこなわないと、ゴミが溜まっていってしまいます。ゴミの収集日をしっかりと把握して計画的に掃除することも必要になってきます。
一方で洗濯は週に1~2回程度おこなう必要があり、毎回天気を気にする必要があります。日差しが悪い日に洗濯しても乾かないとなると翌日着るものに困ってしまうため、このあたりも注意しなければならないポイントです。また、掃除や洗濯をおこなう際には、洗剤などが切れないよう日頃から管理する必要もあります。
②食事
食事と聞くと作ることを意識しがちですが、実際には片付けのほうが大変です。今まで料理を作るときは調理実習など設備が整っていて、片付いた状態からスタートしましたが、実際に一人暮らしを始めると、洗っていない前日の食器が溜まっていて片づけてからでないと自炊できないことが多々あります。そのため、片付け→自炊→片付け→自炊…を繰り返す必要があり、これをコンスタントにおこなうのはなかなか難しいです。また、食べる物が偏っていると体調不良を引き起こしたり、デキモノが出てくることもあります。かといって、外食ばかりではお金がかなりかかってしまうため、ある程度は自分で作る必要があります。特に昨今は物価高ですので、なるべく自炊で済ませたいという気持ちもあります。
③トラブル対処
生きていくうえでイレギュラーというのは必ず発生します。特に一人暮らしでは人間関係のトラブル対処が必要になります。例えば隣の部屋の人がうるさかったり、頻繁に営業訪問が来るなど、一人暮らしでも人を相手にしなければならない場面があります。黙っていても状況は改善しませんので、相手に分かりやすく、かつ、人間関係にひびが入らないように対処する必要があります。
また、人以外にも虫の対処も必要になります。特に夏は虫が部屋の中に出てきやすいです。人と違って言葉が通じないので、虫が苦手な人でも対処できないといつまで経っても気が休まりません。
④朝自分で起きないといけない
一人暮らしでは、当然朝は自分一人で起きないといけません。朝が苦手な人にとってはかなり大変な思いをするかと思います。今までは親がなんとかしてくれたけど、一人暮らしを始めてからは遅刻するようになったというケースも珍しくありません。学生であれば自身の成績に影響が出るだけで済みますが、仕事で遅刻をしてしまうと大きく信用を損なってしまいます。
⑤金銭管理
一人暮らしは生活スタイルを自由に決められる反面、それにかかる費用も全て管理しなければなりません。毎月の収入と支出を把握し、どの程度貯金するか、今どれくらいの買い物をしても問題ないのかなど管理する必要があります。特に最近はキャッシュレスが流行っているので、気が付いたらお金がないという事態にならないよう注意が必要です。また、毎月の引き落としなどスケジュールを把握しなければならないこともあるため、意識しないといけないポイントが多くあります。
⑥スケジュール管理
一人暮らしでは、上記の5つのポイントを頭にいれつつ、スケジュールを管理する必要があります。例えば、仕事の帰りに買い物をしたり、家に帰ってから洗濯や自炊をするなど、マルチタスクを捌かなければならない場面が頻繁にあります。そのため、マルチタスクが苦手な注意欠如・多動性障害(ADHD)の特性を持つ人にとっては、生活するだけでも一苦労と感じる場面もあります。
特性上つらいと感じるところは?
一人暮らしをしていて最も大変だと感じるのがマルチタスクです。個々の内容は大したものではありませんが、これらが何個も定期的に押し寄せてくるため、その度に処理しなければならないのが大変です。一度に大量に処理できても、後から疲れが一気に押し寄せてきて夕方まで動く気力が沸かないこともしばしばあります。
どう対処すればいいか?
まずはここまで挙げた課題をルーティーンのものと臨機応変に対応しないといけないものに分けて考えましょう。6つの課題を分けて考えるとこのようになります。

まずはこの中でルーティーン作業をなるべく早い段階で確立することが重要です。イレギュラーなできごとやトラブルというのは、日常のルーティーンが崩れてしまうことで発生するものもあります。例えば部屋の中に虫が出てしまうのは、日頃の掃除が行き届いていないことから起きることもあります。まずは、こういったことを未然に防ぐためにも、ルーティーンを確立することが効果的です。例えば家事であれば、毎週土曜日は掃除と自炊をすると決めてしまうのも手です。これを継続して習慣化していくことで、頭のリソースを使わなくとも一人暮らしの課題に対処していくことができます。また、ルーティーンを確立することができれば、時間的な余裕が生まれやすいため、イレギュラーが発生しても冷静に対処する時間が確保できます。
そして一人暮らしに慣れてきたら、手を抜けるところを探すことも大切です。家事は毎回100点満点のできである必要はありません。時には60点や70点の日もあります。しかし、それ以上に大事なのは継続していくことです。どんなに完璧にできていても続かなければ意味がありません。そのため、継続するために手を抜いても問題ない部分の見極めが肝心です。例えば週に1回は外食で済ましたり、部屋の掃除を隔週にするなど、自身にあった無理のないペースを継続することが継続の秘訣です。
どうしても虫が苦手な人へ
最後に虫だけは絶対に無理!という方のために実際に私が普段やっている虫の追い出し方について紹介します。用意するものは片手サイズのプラスチック容器と新聞紙を使います。

プラスチック容器はできれば中身が見える透明なものが良いです。私がいつも使っていてオススメなのは、キムチの容器です。新聞紙は裏紙などでも問題ありませんが、薄い紙だと心もとないので何枚か重ねて使用するのがオススメです。

今回はこの消しゴムを虫だとします。5cmくらいのかなり大きめのサイズですが、実際にこれくらいの虫でも簡単に追い出すことができます。

まずはプラスチック容器を被せます。この被せる瞬間だけ勇気が必要ですが、ここさえ乗り切ればあとは簡単なので頑張りましょう。コツとしては一気に被せるのではなく、虫の頭上まではそーっと近づき、至近距離から一気に被せると良いでしょう。最初から勢いをつけると虫が慌ててどこかに移動してしまう可能性があります。

被せたらほんの少しだけ隙間を空けて新聞紙を差し込みます。画像では説明の便宜上、紙でやっています。

新聞紙で完全に蓋をします。

最後に容器をひっくり返して、手で蓋をした状態で外まで持っていって虫を捨てます。
虫は下手に退治しようとするとより奥に行ってしまったり、飛び回ったりします。最初のステップだけは勇気がいりますが、慣れてきたらだいぶ楽になるので、是非試してみてください。
一人暮らしはなんでも自由にできる分、何でも自分一人でやらないといけません。そのため、普段は意識してこなかった問題に直面することが多々あり、苦労する場面もあるかと思います。しかし、課題を別の角度から見ると毎日やること・突発的に起きることの2つに分けられます。この毎日やることに意識を向けて取り組んでいくことが、安定した生活に繋がります。まずは自分にできることから、少しずつ身に着けていってみましょう。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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