【就労移行支援】発達障害・精神障害をお持ちの方が、安定就労するために必要なこと【東京編】
おはようございます。ディーキャリア立川オフィスです。
〇この記事をおすすめする人
・発達障害/精神障害のある方
・上記の診断を受けていて障害者(オープン)雇用で働くことを考えている人
・診断を受けてはいないものの、自分が当てはまっているのではないかと思う人
・診断を受けていて就労(在職)しているが自分に合った仕事・職種を見つけたい人
ディーキャリア立川オフィスでは
発達障害・精神障害をお持ちの方が、自分に合った就職先で安定して働くために
日々訓練に取り組んでいます。
一般的に発達/精神障害のある方々は、
「見えない(見えづらい)障害」と呼ばれることがあり、何に困りやすいのか・どんなことに難しさを感じているのかが外(=自分以外の他の人)から見えづらいという特徴があります。
そのため、
①業務や学業において障害の特性上「できないこと」「難しいこと」が理解されない
②上手くいかないことや失敗することが増え、大きなストレスや不適応につながる
③退学・退職といったドロップアウトのリスクが高くなる
といったことが起きやすくなります。
そこでディーキャリア立川オフィスではオリジナルのプログラムを用いて、利用者がご自身にあった仕事・職種に就くことで自分の人生の質を高めていくスキルを身に付けられるように支援をしています。
では、発達/精神障害のある方が働くためには何が必要なのでしょうか?
また、ディーキャリア立川オフィスではどんなことに取り組み、どのようなサポートが受けられるのでしょうか?
今回の記事は、
★障害のある方が働くことに必要なこと
★そのためにディーキャリア立川オフィスで受けられるサポート・取り組むこと
を中心に解説していきます。
Ⅰ.障害者雇用ってなんだ?
①オープンとクローズ
障害のある方の働き方は大きく分けると「障害者雇用(オープン)」と「一般雇用(クローズ)」に分けることができます。
<障害者雇用>
⇒障害を開示して働くこと(障害があることが前提の採用)
働く上でのサポート・支援・配慮を受けやすい
<一般雇用>
⇒開示:障害があることを会社に伝えたうえで働くこと
非開示:障害があることを会社に伝えないで働くこと
支援やサポートの受けやすさでいえば、
障害者枠>一般枠(開示)>一般枠(非開示)
という順になります。
そのため、ディーキャリア立川オフィスでは就職された方の9割以上が障害者枠で就労しています。
②障害者雇用における定着率
就労移行において「内定を得る」ことはひとつのゴールですが、生活の質を上げていくためには内定を得るだけではなく、そこでいかに安定して働くか(自分のパフォーマンスを安定して発揮できるか)が重要になります。
そこで、障害のある方の就労定着の調査を見てみることにしましょう。
Figure.1:障害別にみた職場定着率の推移と構成割合
(出典:障害者職業総合センター(2017)「障害者の就業状況等に関する調査研究」)
この図は障害者求人枠・一般求人枠で働く障害のある方がどれだけ継続して就労しているかを示した図です。
就職してから3か月後の定着率を見ると、発達障害の方は84.7%・精神障害の方は69.9%となっています。これは就職して3か月で発達障害の方は約15%、精神障害の方は約30%離職しているということを意味しています。
さらに1年後における定着率を見てみると、発達障害の方は71.5%、精神障害の方は49.3%となっており、特に精神障害の方はおおよそ半数の方が1年経過せずに離職してしまうということが明らかになっています。
③発達/精神障害のある方の就労定着が難しい理由
なぜ発達/精神障害のある方の就労において、定着が難しいのでしょうか?
精神障害のある方の離職理由を調べたデータがありますので、まずはこれを見てみましょう。
Figure.2 精神障害者の主な離職理由(出典:厚生労働省「平成25年度障害者雇用実態調査」)
上図は精神障害のある方を主な退職理由を表した図です。
退職理由の割合で多いのが、順に「職場の雰囲気・人間関係」・「賃金・労働条件に不満」・「疲れやすく体力・意欲が続かなかった」・「仕事内容が合わない」・「作業・能率面で適応できなかった」・「症状が悪化した」の6項目となっています。
この6項目の要素を分解してまとめると、離職に至りやすい理由として
①コミュニケーションの難しさ(「職場の雰囲気・人間関係」)
②待遇(「賃金・労働条件に不満」)
③自己理解の不足(「仕事内容が合わない」・「作業・能率面で適応できなかった」)
④自己管理の不足(「疲れやすく体力・意欲が続かなかった」・「症状が悪化した」)
の4つが挙げられます。
②の待遇に関しては企業ベースの話なので自身でコントロールすることは難しいのですが、①・③・④に関しては自身で適切に取り組んでいくことでコントロールできるようになる可能性があります。
そのため、自身でコントロールするスキルを身に付けることが大切になってくるのです。
また、下図も見てみましょう。
Figure.3 就職前の訓練の有無による定着率の推移
(出典:障害者職業総合センター(2017)「障害者の就業状況等に関する調査研究」)
上図は就職前に就職訓練を行った場合とそうでない場合の定着率の推移です。就職訓練とは職業訓練校や就労移行支援事業所などの就職に向けた準備のための訓練を指します。
図の通り、訓練ありでは3か月の定着率が89.3%、訓練なしでは73.2%と訓練の有無の差で定着率に開きがあることがわかります。
同様に、1年後の定着率でもありでは約70%に対し、なしでは約55%と1年の定着率でも開きがあることがわかっています。
つまり、就職前の準備を行うことは安定就労に大きく寄与する要因のひとつと考えられるのです。
加えて、下図も見てみましょう。
Figure.4 求人種別・障害種別における定着率の推移(出典:厚生労働省(2017)「障害者雇用の現状等」)
※障害者求人⇒障害者雇用での雇用
一般求人(開示)⇒一般雇用で障害があることを開示している
一般求人(非開示)⇒一般雇用で障害があることを開示していない
この図は求人種別における定着率の違いを表した図です。
精神障害のある方の3か月定着率を見ると、障害者雇用では82.7%、一般雇用(開示あり)では65.6%、一般雇用(開示なし)では51.9%となっています。
Ⅰ-①でサポートの受けやすさとその順について説明しましたが、その順番通りに定着率も高くなっています。
つまり、障害者雇用での就労が最もサポートを受けやすいため、それに伴って安定就労に結び付きやすくなるということが考えられます。
④まとめ
ここまでの話を整理すると、
・障害者雇用では就職前の準備段階の訓練を行うと定着しやすくなる
・就職後に周囲からサポートを受けると定着しやすくなる
ということになります。
つまり、安定して働くためには、
・訓練等によって自身でコントロールできる就労スキルの事前準備をしっかり行うこと
・就労後のサポートを適切に受けること
この2つが重要なのです。
そのため、ディーキャリア立川オフィスでは単に「内定を得る」ことをゴールにするだけではなく、
安定就労を継続できるようなスキルの習得を目標としたプログラムを実施しています。
Ⅱ.ディーキャリア立川オフィスで受けられる支援
①安定就労へのステップ
安定就労の準備とは何を指すのでしょうか?
Figure.5 職業準備性ピラミッド図
(出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(2020)就業支援ハンドブックより筆者一部改変作成)
上図は職業準備性ピラミッドと呼ばれるもので、障害の有無に関わらず職業生活を送るために必要な条件が準備されていることを指しています。
「ピラミッド」と呼ばれる通り、土台となる下段がぐらついていたり疎かになってしまうと中長期的な安定就労が難しくなってしまいます。
図にある通り、ピラミッドの土台となっているのが「健康管理」なので、まずはここをしっかりと確立する必要があるのです。
家や建物を作るときと同様に、まずは基礎工事をしっかり行うことで多少のことではぐらつかない、
強い「働く自分」を作ることにつながっていきます。
②具体的なプログラム
ディーキャリア立川オフィスでは以下のようなプログラムを行い、安定就労のための土台作りを行っています。
・セルフケア
・自己理解/障害理解(対処)
・コミュニケーション
・感情のコントロール/思考/考え方
・目標設定/問題解決
・キャリアプランニング
・模擬オフィス実践
それぞれどのようなことをやるのか、詳しくみていきましょう。
<セルフケア>
セルフケアは簡単に言うと「自己管理」、つまり病気や障害の状態(体調も含む)を自身でコントロールできるようになることを目標として取り組むプログラムです。
先述した準備性ピラミッドの最下層に位置しているものであるため、「就労のすべての土台」に関わるプログラムです。
利用者には毎日セルフケアチェックシートという自身のその日の状態を可視化する記録をつけてもらい、精神・身体・行動の3つにおいてどのようなサインが出たときに不調なのか(あるいは良好か)を把握し、その後の対処行動につなげていきます。
不調の際に対処することは必要ですが、それにはまず「自身の状態を的確に把握する」ことが必要です。
そのため、自身の不調のサインを把握できるように、毎日繰り返し訓練の中で取り組んでいきます。
<自己理解/障害理解(対処)>
働くために必要な体調管理が出来ていることを前提として、就職活動において企業が見る大きなポイントのひとつが自己理解です。
平たく言えば「自分のことをどれだけ理解しているか」ということになるのですが、特に障害者雇用の就活においては「自分の持つ病気や障害への適切な理解」の有無が採否を分けるポイントのひとつになっています。
先述したセルフケアも含めて、
・自分の病気や障害によってどんな時にどのように困るのか
・困りごとをカバーするための方法はあるか
・自身でカバーすることが難しい場合に周囲はどのようなサポートや支援を行えばよいか
といったことを説明できるかどうか、ということが非常に重要です。
障害者雇用での面接では、上記3項目は必須質問項目になっていますので、ディーキャリア立川オフィスでは自身の障害や病気による困りごとの把握とその対処の方法について、テキストやワークシートを始めとしたさまざまなプログラムを用いて理解を深めていけるように取り組んでいきます。
<コミュニケーション>
Figure.4で示した精神障害のある方の離職理由の1位が「職場の雰囲気・人間関係」でした。
精神障害や発達障害のある方はその特性上、コミュニケーションが苦手であることが少なくなく、
就業場面で適切なコミュニケーションの方法がわからなかったために失敗経験として積み重なってしまい、それが不適応につながってしまうというケースがあります。
コミュニケーションは「話す」「聴く」の2つから成っている営みであり、就労場面では適切に仕事を進めるために必須のスキルになります。
また、適切なコミュニケーションは職場における人間関係を円滑にするものでもあり、それを習得することはストレス対策にも役立ちます。
ディーキャリア立川オフィスでは具体的な場面を設定し、「こんな時どうする?」というテーマで適切なコミュニケーションの方法を実践的にグループワークやロールプレイを用いて習得していきます。
【テーマの例】
・残業をお願いされたが断りたいときどうする?
・忙しそうにしている上司にお願いをしたいときの方法
・仕事の指示を受けるときの適切な受け方
<感情のコントロール/思考/考え方>
職場での適切な立居振舞いのひとつに、「気持ちの切り替えを行い業務に集中する」というものがあります。精神障害や発達障害のある方の特性には、「感情のコントロールが苦手」という方や、「極端に偏ったものの見方」をしてしまうということがあります。
例えば、職場で一回ミスをしてしまったことで「自分は何もできないんだ…」と非常にネガティブになってしまい、仕事が手につかなくなってしまったりするようなケースのことです。
ミスでネガティブになってしまうことは誰でもあることですが、そこから「自分はダメだ…」という自己否定につながったり、「周りの人が悪いんだ!」と強い他責になってしまうと、次に自身がやるべきこと・取り組むべきことへ移れず、ネガティブな感情に振り回されてしまった結果心身が疲弊してしまう、といったことが起こります。
こうなってしまうと病状の悪化や不適応につながりやすくなってしまうので、ディーキャリア立川オフィスではその対策として自分・他者・周囲の環境へのバランスの良い物事の見方/考え方を実際のケースや自分自身を題材にして学んでいきます。
【テーマの例】
・長所と短所は裏返しの関係
・自己否定を打ち消す事実を探す
・自分の見方が思い込みである可能性を考える
<目標設定/問題解決>
精神障害や発達障害のある方の失敗体験には、高すぎる目標を立ててしまったり、困った際に突拍子もない方法で対策をしてしまった結果うまくいかなかった、といったことが少なくありません。
高い目標を掲げて取り組むことは大切ですが、一方で闇雲に取り組んでいても結果は出にくいものです。
特に就職活動においては「数打てば当たる」戦法で闇雲に応募を続けたとしても、採用が決まらないということがよく起こります。
そこで必要なのが、
・適切な目標を設定する
・適切な振り返りを行う
・うまくいかないことに対して適切な取り組みをおこなう
の3つです。
闇雲に行動するのではなく、自身のキャパシティにあった目標を設定し、できたこと/できなかったことを振り返ることで、よりよくなる(改善する)ための行動に結びつけていきます。
ビジネス用語にPDCAサイクル(計画⇒実行⇒評価⇒改善)というものがありますが、理想の姿やなりたい姿へ近づくためには、常に適切な目標設定と振り返りと行動をすることが重要なのです。
ディーキャリア立川オフィスでは週ごとの目標立て・実行・振り返りを軸に、普段の訓練から意識的に取り組んでいきます。
<キャリアプランニング>
訓練では就業場面での適応力を上げるとともに、
今後の自分の人生の指針も同時に形作っていきます。
それがこのキャリアプランニング(キャリプラ)です。
キャリプラでは自己分析から行い、過去のエピソードから自身の価値観や大事にしていることがどのように形成されたかを明らかにします。
そしてその価値観を詳しく分析し、自身の理想とする生き方や希望条件を掘り起こした後、就職後にどのような生活をしたいか、どのような人間になりたいかなどの人生プランを立てていきます。
「過去」から「現在」がどのように形成され、「現在」をどのように進んで「未来」につなげていくのか、過去・現在・未来3つの軸をヒントに自身の今後の航海図を描いていくプログラムです。
<模擬オフィス実践>
上記のプログラムで土台をしっかりと作った後、
事業所内の模擬オフィスで実践的な訓練をおこないます。
実際のオフィスを模した環境で、スタッフが上司役として仕事を振り、作業に取り組む中で土台作りで行った困ったときの対処・体調管理・適切な目標設定が実際にできるかどうかを試します。
実際の作業環境でおこなうため、できていると思っていたものがそうでなかったり、新たな課題が見つかる段階でもあります。
ここで実践と課題の修正を繰り返した後、就職活動へと進んでいきます。
このように、ディーキャリア立川オフィスでは内定を得るだけではなく、
「いかに安定して働くか」を重視し、
それを達成できるようなプログラムを提供しています。
このブログでお伝えしていることは実際の訓練のほんの一部ですので、
詳しく知りたい!と思った方は一度お問い合わせください。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。 主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、様々な情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
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