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伝え方ひとつで人間関係は変わる?アサーティブコミュニケーションを学びました

こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス、生活支援員の伊藤です。
今回は、2026年6月12日に実施した訓練プログラム「アサーティブコミュニケーション」の様子をご紹介します。

こんなお悩み、ありませんか?

・思ったことをうまく言葉にできず、後から後悔してしまう

・伝えたいことはあるのに、相手の顔色が気になって言い出せない

・逆に、言いすぎてしまって関係がぎこちなくなったことがある

・自分の気持ちを整理する前に話してしまい、誤解されてしまう

コミュニケーションの悩みは、発達障害・精神障害の特性と深く結びついていることがあります。ディーキャリア川崎では、こうした困りごとを「スキル」として学び、自分のペースで練習できる環境を整えています。


アサーティブコミュニケーションとは?

「アサーティブ(assertive)」は英語で「主張する」という意味の言葉です。ただし、ここでいう”主張”とは、相手を言い負かすことではありません。

「自分のことも、相手のことも大切にしながら、自分の気持ちや要求を伝えていく考え方と方法」——それがアサーティブコミュニケーションです。

自分の意見を伝えることを目指しつつも、ただストレートに言葉を出すのではなく、相手の状況・背景・タイミングを考慮した上で伝えていくことを学びます。

訓練で学んだこと① ── 意見を伝えるために必要な要素

訓練の前半では、「自分の意見や要求を伝えるために必要なこととは何か?」を参加者全員でブレインストーミングしました。さまざまな角度から意見が出され、大きく次の3つの柱に整理されました。

柱① 相手を知る

相手の背景・状況・タイミングを観察する

相手の経験・関心・受け取り方は一人ひとり異なります。同じ内容でも、相手の文化的背景や好みに合わせた言い回しを選ぶことで、格段に伝わりやすくなります。

また、相手が忙しいときや気持ちが落ち着いていないときに話しかけても、なかなか届きません。声をかける「タイミング」を見極めることも大切なスキルの一つです。

柱② 自分を整える

伝えたいことを事前に整理し、責任をもって話す

話し始める前に「自分が何を伝えたいのか」を頭の中で整理しておくことは、コミュニケーションの基本でありながら、意外と抜けやすいステップです。

また、自分が発した言葉には責任をもつことも重要です。思い通りに伝わらなかったとしても、それを相手のせいにするのではなく、「自分は誠実に伝えた。あとは相手の受け取り方次第」という姿勢が、心の安定につながります。

柱③ 表現を工夫する

話し方・声のトーン・クッション言葉を活用する

伝える内容だけでなく、姿勢・声の大きさ・話すスピードも、相手の受け取り方を大きく左右します。「大変恐れ入りますが…」「少しよろしいですか?」といったクッション言葉を一言添えるだけで、会話の印象はがらりと変わります。

訓練での気づき(参加者の発言より)
  • 衝動的に話してしまうことへの自覚と、前置きを入れる工夫の重要性
  • 相手の経験・関心に合わせた表現を選ぶことの大切さ
  • 自分が困っていることを言語化して伝えることの難しさと必要性
  • 興味関心のあることを一方的に話してしまいやすい傾向への気づき
  • 自己主張が「できない」のではなく「しすぎてしまう」ことへの気づき

訓練で学んだこと② ── 自己表現の4つのタイプ

後半では、アサーティブコミュニケーションで知られる「自己表現の4タイプ」を学びました。これは、自分の意見と相手の意見をそれぞれ尊重しているかどうかという観点から分類したものです。

攻撃的タイプ
自分の意見は主張するが、相手の意見を尊重しない。言葉が強くなりすぎて関係が壊れやすい。
非主張的タイプ
相手の意見を優先しすぎて、自分の意見を言い出せない。我慢が積み重なりやすい。
作為的タイプ
自分の意見も相手の意見も尊重せず、遠回しな表現や操作的な伝え方になりやすい。
アサーティブタイプ
自分の意見も相手の意見も尊重し、お互いを大切にした対話ができる。目指すべき姿。

ここで大切なのは、「どのタイプが正しい・間違い」という話ではないという点です。仕事の場面では基本的にアサーティブを目指しながら、状況によってタイプを使い分けることも必要になります。大切なのは、「自分がどのタイプになりやすいか」を自分で知ることです。

自己評価チェックで自分の傾向をつかむ

訓練では、次の3つの観点から自分を採点するチェックワークを行いました。

  • A:自分自身について 気持ちを言葉にできるか/自分を受け入れているか など5項目
  • B:主張する力 要求を率直に伝えられるか/できないことをはっきり断れるか など5項目
  • C:受け止める力 人の話を聞けるか/批判を適切に受け止められるか など5項目

合計点や各項目の差から、自分が陥りやすいパターンを客観的に把握することができます。点数はあくまでも「自分を知る入口」。これをもとに、どの場面でどのような難しさを感じているのかを言語化することが訓練の目的です。


発達障害・精神障害の特性とコミュニケーションの関係

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)の特性として、次のような場面での難しさが生じることがあります。

  • 相手の気持ちや立場を想像することが難しく、会話が一方向になりやすい
  • 思ったことを思ったときにそのまま話してしまい、場の空気感が読めない
  • 感情が高ぶると言葉が強くなりすぎる、または逆に言葉が出なくなる
  • 話が長くなりやすく、要点が伝わりにくい
  • 自分の興味関心にまっしぐらで、相手の反応に気づきにくい

こうした困りごとは、「性格の問題」や「努力が足りない」ということではありません。特性から生まれるものであり、だからこそ「スキル」として体系的に学ぶことができます。

すべてを自分だけで克服しなくても大丈夫

特性による困りごとは、スキルで補えることもありますが、すべてを自分ひとりで解決しようとしなくてもよいのです。

「事前に話の要点をメモして渡す」「相談のタイミングを事前に決めておく」「繰り返しの確認を許可してもらう」——こうした合理的配慮を職場に求めることは、あなたの権利です。

ディーキャリアでは、スキルの習得と並行して、自分に必要な配慮を言語化し、職場に伝えられるようサポートしています。


ディーキャリアの訓練が大切にしていること

今回の訓練を通じて感じていただけたことがあれば嬉しいのですが、ディーキャリアの訓練には次のような特徴があります。

  • 一方的な講義ではなく、参加者が意見を出し合い、対話しながら学ぶ形式
  • 抽象的な理論を、自分の特性・体験と結びつけて理解していく
  • 「正解」を押しつけるのではなく、自分のパターンを自分で発見することを大切にする
  • その日の体調・コンディションに合わせて、参加の仕方を自分で選択できる
  • 訓練で得たスキルを、就職後の職場場面でも活かせるように定着させていく

訓練は「できないことを指摘する場」ではありません。自分を知り、自分に合った伝え方を一緒に見つけていく場です。


おわりに

今回の「アサーティブコミュニケーション」訓練では、「自分の意見を相手に伝えるために何が必要か」から始まり、自己表現の4タイプの理解、そして自分のパターンを把握するチェックワークまでを行いました。

「コミュニケーションが苦手」と感じている方の中には、「苦手なのではなく、スキルをまだ知らなかっただけ」というケースもたくさんあります。学ぶことで、少しずつ変わっていけます。

次回の訓練では、具体的な場面を使ったロールプレイも予定しています。引き続きレポートしていきますので、ぜひまたご覧ください!

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