「できない理由」を、「できる方法」へ。納得感を持って働くために。
こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス 職業指導員の吉村です。
障害のある方々の就労をサポートする現場にいると、日々多くの葛藤や挑戦に立ち会います。利用者さんが直面する壁は、決して「努力不足」などという言葉で片付けられるものではありません。
今回は、支援員としての私の自戒も込めて、「できない理由ではなく、できる方法にフォーカスする」こと、そしてその先にある「納得感のある判断」について、詳しくお話ししたいと思います。
現実的な「対策」への視点切り替え
就労支援の面談では、これまで受けてきた傷つきや失敗体験から、「自分にはこれができない」「どうせ次も同じことになる」という切実な思いを伺うことが多くあります。それは、これ以上自分が傷つかないための、脳の正常な防衛反応です。

しかし、過去の延長線上で「できない理由」を積み上げていくと、選べる道がどんどん狭くなってしまいます。大切なのは、「できない」という事実を否定することではなく、その事実を前提として、具体的な「対策(どうすれば動けるか)」を検討することです。
- マルチタスクが困難でパニックになる
→ 一度に複数の指示を受けないよう、「今はこれだけをやる」と業務を切り出し、シングルタスク化する視覚的な仕組み(タスクカードやリスト)を職場に導入できるか検討します。
- 電話応対に強い不安があり、頭が真っ白になる
→ そもそも電話応対が業務に含まれない職種を選ぶか、あるいはチャットツールが主力のIT企業など、コミュニケーションの手段が自分に合っている環境をリサーチします。
このように「どうすれば(How)」を具体化することは、単なる根性論や精神論ではなく、自分の特性を正しく理解し、自分を動かすための「攻略法」を組み立てる知的な作業なのです。
「やるだけやった」という事実が、次の判断を支える
新しい環境に飛び込むとき、誰しも不安を感じます。特に発達障害の方は見通しの立たない状況が苦手なことが多いため、「無理に決まっている」と挑戦前に結論を出してしまいがちです。
しかし、最初から諦めるのと、具体的な対策を講じて一度動いてみるのとでは、その後の「心のすっきり感」が決定的に違います。
仮に結果が芳しくなかったとしても、創意工夫を凝らし、環境を整え、「やるだけのことをやった」上で出した結論なら、どんな形であれ自分自身で納得ができるからです。
何も試さないまま諦めると、数年後に「もしあの時、別のやり方を試していたら……」という未練が、形を変えてあなたを苦しめるかもしれません。まずは「できる方法」を一つずつ実験するように試してみる。そのプロセスで得られた経験は、成功も失敗も含めて、あなただけの大切なデータになります。

「勇気ある撤退」という生存戦略
私たちは、「何が何でも今の場所で頑張り続けろ」とは言いません。あらゆる対策を講じて、周囲の協力も仰ぎ、本気で取り組んでも、どうしても上手くいかないことはあります。世の中には、本人の工夫や努力の限界を超えた「環境との根本的なミスマッチ」が確実に存在するからです。
そんな時は、潔く「損切り」をすることも重要な選択肢です。
- 「この業界のスピード感は、自分のリズムとは合わなかった」
- 「この職場のコミュニケーションスタイルは、自分の特性には負担が大きすぎた」
そう判断して身を引くことは、決して逃げや敗北ではなく、自分を守り次へ繋げるための**「勇気ある撤退」**です。そして、この「撤退すべきかどうか」の正しい判断も、実は「やれるだけの対策をやり尽くした」という実感があって初めて下せるものです。全力で試行錯誤したからこそ、未練なく「ここは私の居場所ではない」と確信を持って次の一歩を踏み出せるのです。

判断を保留すべき「沈黙」のタイミング
最後に、支援の現場からお伝えしたい非常に重要な注意点があります。
「できる方法」をひねり出すことも、あるいは「撤退」を決断することも、脳にとって多大なエネルギーを消費する作業です。
もし今、あなたが心身ともに本気で調子が悪い(眠れない、食べられない、思考がまとまらない)状態なら、重要な判断は一切しないでください。
状態が悪化している時は、脳のフィルターがネガティブに偏り、客観的な判断力が著しく低下します。さらに厄介なのは、「今の自分は判断力が落ちている」ということ自体に、自分一人では気づけなくなってしまう点です。
そんな時は、将来のことを考えるのを一度止め、まずは休養を最優先してください。人生を左右するような大きな決断は、嵐が去って、視界が少しクリアになってからでも決して遅くはありません。

共に「納得感」を探すパートナーとして
私たち就労支援スタッフの役割は、単に就職先を見つけてマッチングすることだけではありません。
あなたが「やるだけやった」と心から納得できるまで伴走し、壁にぶつかった時には、一緒に「別の対策を練る」か、それとも「勇気を持って次の道へ行くか」を整理する。その試行錯誤のプロセスすべてを支えるのが私たちの仕事です。
一人で「できない理由」の迷路に迷い込んでしまったときは、一度その荷物を下ろしにきてください。あなたの「やってみたい」という気持ちと、今感じている「具体的な壁」を、一緒に解きほぐしていきましょう。
今、判断に迷っている方へ
あなたの特性に合った「できる方法」を一緒に見つけませんか?
まずは現状をお伺いするだけでも大丈夫です。
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