障害者雇用に関する最新制度と法改正【2025年】
こんにちは。
生活支援員の齋藤です。
2025年は障害者雇用において大きな変革の年となっています。
最新の法改正内容と今後の展望について、わかりやすく解説します。–

◆法定雇用率の変更:企業に求められる新たな基準
障害者雇用において最も重要な指標である「法定雇用率」が段階的に引き上げられています。
現在の状況(2025年10月時点)
現在の民間企業における法定雇用率は、2.5%です。これは、従業員40人以上の企業が、少なくとも1人以上の障害者を雇用する義務があることを意味します。
今後の予定
- 2026年7月:法定雇用率が2.7%へ引き上げ
- 対象企業の範囲が従業員37.5人以上へ拡大
この引き上げにより、これまで雇用義務のなかった中小企業も対象となり、障害者の雇用機会がさらに広がることが期待されています。
最新の雇用状況
2024年6月時点のデータによると、民間企業に雇用されている障害者数は67万7,461.5人で、前年より5.5%増加し、21年連続で過去最高を記録しています。実雇用率は2.41%となり、着実に上昇傾向にあります。
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◆除外率制度の引き下げ(すべての業種で雇用促進へ)
2025年4月から、障害者雇用における「除外率制度」が大きく変更されました。
除外率制度とは?
特定の業種(建設業、医療業、運輸業など)では、障害者の就業が困難とされ、雇用義務が軽減される「除外率」が設定されていました。
2025年4月の変更内容
除外率が一律10ポイント引き下げされました。これは実に15年ぶりの引き下げです。
主な業種の変更例:
- 建設業:20% → 10%
- 医療業:30% → 20%
- 運輸業(道路旅客・貨物):20% → 10%
- 農林漁業:20% → 10%
実際の影響
例えば、従業員800人の医療業の場合:
改正前:(800人 – 240人)× 2.5% = 14人 改正後:(800人 – 160人)× 2.5% = 16人
このように、雇用すべき障害者の人数が増加し、より多くの方に就労のチャンスが生まれています。
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◆新しい支援制度と助成金の拡充
企業が障害者雇用を進めやすくするため、支援制度が大幅に拡充されています。
主な助成金制度
1. 特定求職者雇用開発助成金
障害者をハローワーク等の紹介により継続雇用する企業に支給されます。
支給額の例:
- 重度障害者(短時間労働以外):最大240万円
- 重度以外の障害者:最大120万円
2. 障害者トライアル雇用助成金
障害者を試行的に雇用する企業を支援します。
2つのコース:
- 障害者トライアルコース:週20時間以上勤務(月額最大4万円)
- 障害者短時間トライアルコース:週10〜20時間未満(月額最大4万円)
3. 障害者介助等助成金
職場の環境整備や介助者の配置などに対して支給されます。
対象となる措置:
- 職場支援員の配置
- 手話通訳・要約筆記等の委嘱
- 障害者相談窓口の設置
2025年度からの調整
障害者雇用調整金・報奨金の支給方法が見直されました。
- 調整金:10人超の超過分は月額23,000円に減額(従来29,000円)
- 報奨金:35人超の超過分は月額16,000円に減額(従来21,000円)
この変更は2024年度の実績に基づき、2025年度の支給から適用されています。
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◆雇用の動向(どんな変化が起きているか)
障害種別ごとの傾向
- 身体障害者:368,949.0人(前年比2.4%増) 安定した雇用が続いており、正社員としての雇用も多い傾向にあります。
- 知的障害者:157,295.5人(前年比4.0%増) 着実に雇用が拡大しています。
- 精神障害者:150,717.0人(前年比15.7%増) 最も高い伸び率を示しており、今後も増加が予想されます。
企業の取り組みの変化
従来のサポート業務中心の雇用から、本業で活躍できる仕事内容への見直しが進んでいます。また、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進の一環として、戦略的に障害者雇用に取り組む企業が増えています。
【課題】法定雇用率達成企業は約半数
法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%(2024年6月時点)にとどまっています。未達成企業の約6割は、障害者を1人も雇用していない状況です。
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◆活用できる公的サービス
就労を目指す障害者の方が利用できる主な公的サービスをご紹介します。
1. ハローワークの専門援助部門
障害者専門の職業相談員が、求職活動をサポートします。
サービス内容:
- 職業相談・職業紹介
- 求人開拓
- 職場定着支援
- 各種助成金の案内
2. 地域障害者職業センター
職業評価や職業準備支援、ジョブコーチ支援などの専門的なサービスを提供しています。
3. 障害者就業・生活支援センター
就業面と生活面の一体的な支援をおこないます。全国に設置されており、身近な相談窓口として機能しています。
4. 就労移行支援事業所
当事業所のような就労移行支援では:
- 職業訓練
- 就職活動支援
- 職場定着支援
- ビジネスマナー研修
- コミュニケーションスキル向上
などの総合的なサポートを最長2年間受けることができます。
◆今後の展望(2026年以降を見据えて)
「定着支援」の重要性
今後、単に雇用するだけでなく、障害者が長く働き続けられる環境づくりが重視されます。
企業に求められる取り組み:
- デジタルツールを活用したメンタルケア
- リモートワークや柔軟な勤務体制
- スキル向上プログラムの提供
- 定期的なフォローアップ
働き方の多様化
週10時間以上20時間未満で働く障害者も雇用率算定の対象に含まれるようになり、より柔軟な働き方が可能になっています。
DE&I推進の流れ
障害者雇用は、もはや「義務」ではなく、企業と個人が共に成長する「機会」として捉えられるようになってきています。
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◆就労を目指す皆さんへのメッセージ
法改正により、障害者の雇用機会は確実に増えています。企業側も受け入れ体制を整え、支援制度も充実してきました。
今、できること:
- 自己理解を深める 自分の得意なこと、配慮が必要なことを整理しましょう。
- スキルを磨く PC操作、ビジネスマナーなど、基本的なスキルを身につけましょう。
- 支援機関を活用する 就労移行支援事業所やハローワークなど、利用できるサービスは積極的に活用しましょう。
- 企業情報を収集する どんな企業が障害者雇用に積極的か、情報を集めましょう。
- 長期的な視点を持つ まずは短時間勤務やトライアル雇用から始めて、徐々にステップアップすることも可能です。
まとめ
2025年は障害者雇用において重要な転換点となっています。法定雇用率の引き上げ、除外率の引き下げ、助成金の拡充など、障害者の就労を後押しする制度が次々と整備されています。
主なポイント:
- 現在の法定雇用率は2.5%、2026年7月には2.7%へ
- 2025年4月から除外率が一律10ポイント引き下げ
- 障害者雇用者数は21年連続で過去最高を更新
- 各種助成金制度が充実
- 「定着支援」が今後のキーワードに
これからの時代、障害の有無に関わらず、一人ひとりが自分らしく働ける社会の実現に向けて、着実に前進しています。就労を目指す皆さんにとって、今は大きなチャンスの時期です。
私たち就労移行支援事業所は、皆さんの「働きたい」という気持ちを全力でサポートします。
ディーキャリア川崎オフィスでは、就労定着支援事業もおこなっていますので、就職後もサポートしていきます。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考資料:
- 厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」
- 厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
- 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金関係助成金のごあんない」
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