【うつっぽい気分が続く人必見】幸せホルモンで心を整える実践的メソッド
※本記事は、2022年5月に公開した「【抑うつ・パニック改善】セロトニンを増やして健やかな毎日を過ごそう!」を大幅にリライト・バージョンアップしたものです。最新の科学的知見を加え、より実践的で具体的な内容にアップデートいたしました。初回記事をお読みいただいた方も、新たな発見があると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス 職業指導員の吉村です。
何となく気分が晴れない日が続いて、そのうち何をするにも億劫になり、ごはんを食べることや、起き上がることさえ辛くなる。いわゆる「抑うつ状態」になってしまうことってありますよね。
仕事が忙しく疲労が蓄積したり、人間関係が上手くいかない、将来への不安が募るなど、現代社会においては、ストレスの要因になることがたくさんあります。特に就職活動中や新しい職場環境への適応期間中は、普段以上にストレスを感じやすくなるものです。
ストレスにさらされ続けると、誰しもが抑うつ状態になる可能性があり、決して他人事とは言えない身近な精神疾患です。しかし、適切な知識と対処法を身につけることで、私たちの心の健康を守り、改善していくことは十分に可能なのです。

なぜ私たちは憂鬱になるのか〜脳内で起こっていること〜
抑うつ状態は、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによって起こると考えられています。約1,000億個の神経細胞からなる私たちの脳内は、神経伝達物質によって精密に制御されています。
少なくとも100はあると言われる神経伝達物質は、それぞれ異なる機能を持っています。その中でも、”幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンという神経伝達物質は、他の神経伝達物質の情報をコントロールして、精神を穏やかにする重要な作用があるのです。
セロトニンの3つの重要な働きについて
セロトニンがなぜ「幸せホルモン」と呼ばれるのか、その理由は主に3つの重要な働きにあります。
1. 感情の調整機能
セロトニンは脳内で「感情の司令塔」のような役割を果たしています。前頭前野という理性を司る脳部位の活動を活発にする一方で、扁桃体(恐怖や不安を処理する部位)の過剰な興奮を抑制します。この結果、冷静な判断ができるようになり、感情的な反応が和らぎます。具体的には、イライラしにくくなったり、些細なことで落ち込みにくくなったりする効果があります。
2. 睡眠リズムの調整機能
昼間に分泌されたセロトニンは、夜になると松果体でメラトニンという「睡眠ホルモン」に変換されます。このメラトニンが自然な眠気を促し、質の良い睡眠をサポートします。セロトニンとメラトニンの正常なサイクルが機能することで、夜はぐっすり眠れ、朝はすっきり目覚められるのです。逆に、セロトニンが不足するとメラトニンも作られにくくなり、不眠や睡眠の質の低下につながります。
3. 痛みの調整機能
セロトニンは脊髄レベルで痛みの信号伝達を調整する「下行性疼痛抑制系」という仕組みに関わっています。十分なセロトニンがあると、同じ刺激でも痛みを感じにくくなります。慢性的な痛みや、ストレス性の頭痛・肩こりなどにも関係しており、うつ状態の人が身体的な痛みを訴えやすいのも、この機能の低下が一因とされています。
抑うつ状態にある時は、このセロトニンの働きが低下している状態と考えられています。セロトニンが低下すると、やる気や快楽を司るドーパミンや、怒りや恐怖を引き起こすノルアドレナリンのコントロールが不安定になります。その結果、抑うつ状態になり、不安やパニックなどの精神症状が出やすくなるのです。
食事から始める心のケア〜セロトニンの材料を体に取り入れる〜
セロトニンは、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンから生成されます。私たちの体はトリプトファンを作ることができないため、食品から意識的に摂取する必要があります。

トリプトファンが豊富な食品
大豆製品
- 豆腐、納豆、味噌、豆乳
- 特に納豆は発酵食品として腸内環境改善にも効果的
乳製品
- チーズ、ヨーグルト、牛乳
- ヨーグルトはプロバイオティクス効果も期待できる
その他のタンパク質源
- 卵、鶏むね肉、青魚
- アーモンド、くるみなどのナッツ類
ビタミンB6も重要な栄養素
トリプトファンからセロトニンを生成するにはビタミンB6が必要不可欠です。
魚類
- カツオ、マグロ、サケ、サンマなどの赤身魚
穀物
- 玄米、小麦胚芽、オートミール
野菜・その他
- 赤パプリカ、バナナ、さつまいも
腸内環境を整える食品
発酵食品
- ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け
- 善玉菌を増やし、腸内フローラを整える
食物繊維が豊富な食品
- 野菜、きのこ類、海藻類
- 善玉菌のエサとなり腸内環境改善をサポート
オリゴ糖を含む食品
- バナナ、玉ねぎ、にんにく
- 腸内の善玉菌を活性化
💡 ポイント:これらの食事による効果には個人差があります。体質や消化能力、既存の健康状態によって効果の現れ方が異なる場合がありますので、自分の体調に合わせて無理のない範囲で取り入れることが大切です。
毎日の習慣で心を軽やかに〜セロトニンを活性化する生活の知恵〜
トリプトファンとビタミンB6によって生成されたセロトニンを、日々の生活の中で活性化させる方法があります。特別な道具や費用を必要とせず、ちょっとした習慣の変化で実践できる方法ばかりです。
朝の光を浴びる – 最も簡単で効果的な方法

効果的な日光浴のポイント
- タイミング:朝起きてから30分以内
- 時間:15〜30分程度
- 光の強さ:2,500ルクス以上(晴天時屋外は約10,000ルクス)
- 方法:直接見つめる必要なし、光を感じるだけでOK
実践のコツ
✅ 目覚めた瞬間にカーテンを開ける習慣をつける
✅ ベッドを窓側に配置する
✅ 遮光カーテンは避け、朝の光が自然に入るように
✅ 曇りの日でも効果があるので毎日続ける
リズミカルな運動で神経を直接刺激

一定のリズムを刻む運動を反復すると、セロトニン神経に直接刺激が伝わります。
ウォーキングの効果
- 反復運動開始後5分でセロトニン分泌開始
- 30分のウォーキングで約2時間活性化状態が続く
- 会話ができる程度の強度がベスト
その他の効果的な運動
- 水泳:一定のリズムで泳ぐ
- サイクリング:ペダルを一定リズムで漕ぐ
- ダンス:音楽に合わせて楽しみながら
- ヨガ:深い呼吸と組み合わせて
- 階段の上り下り:室内でも手軽に実践可能
運動初心者向けのスタート方法
- まず1日10分から開始
- YouTubeを見ながら室内ダンス
- 楽しめる方法を見つけることが継続の秘訣
⚠️ 注意:運動による効果には個人差があります。体力レベルや運動経験、健康状態によって適切な運動量や種類が異なりますので、無理をせず自分のペースで続けることが重要です。
よく噛んで食べる – 咀嚼もリズミカル運動

咀嚼も一定のリズムを刻む反復運動の一種で、セロトニンの分泌に影響を与える可能性があります。
実践方法
- 一口につき30回以上噛むことを意識
- 玄米、全粒粉パン、根菜類など噛み応えのある食品を選ぶ
- 朝食をしっかり摂り、朝の時間帯のセロトニン分泌を活性化
おすすめ朝食メニュー
・小麦胚芽入りのパン + チーズ + 牛乳
・玄米 + 納豆 + 味噌汁 + 焼き魚(和食)
・オートミール + ヨーグルト + ナッツ + バナナ
心と体を整える追加のアプローチ〜呼吸・瞑想・睡眠の力〜
セロトニン活性化には、リラクゼーションや質の良い睡眠も重要な役割を果たします。忙しい日常の中でも手軽に取り入れることができる方法をご紹介します。
深い腹式呼吸でリラックス

副交感神経を優位にし、リラクゼーション効果をもたらします。
4-4-8呼吸法
- 4秒で鼻から息を吸う
- 4秒間息を止める
- 8秒で口からゆっくり息を吐く
- これを5〜10回繰り返す
メリット
✅ 場所を選ばずいつでも実践可能
✅ 電車の中や仕事の合間にもOK
✅ すぐに心が落ち着く効果を実感
マインドフルネス瞑想で心を整える

1日5〜10分の瞑想習慣は、心の安定に役立ちます。
簡単な瞑想の始め方
- 静かな場所で目を閉じる
- 自分の呼吸に意識を向ける
- 雑念が浮かんできても否定せず、再び呼吸に意識を戻す
- これを繰り返す
💡 ポイント:瞑想の効果についても個人差があり、合う合わないもありますので、無理をせず自分に適した方法を見つけることが大切です。
良質な睡眠でセロトニンサイクルを整える

セロトニンは夜にメラトニンに変換され、良質な睡眠を促します。逆に、良い睡眠はセロトニンの分泌を安定させる好循環を生みます。
睡眠改善の4つのポイント
規則正しい睡眠リズム
- 毎日同じ時間に寝起きして体内時計を整える
デジタルデトックス
- 就寝2時間前からスマートフォンやPCの使用を控える
- メラトニンの分泌を妨げないようにする
最適な寝室環境
- 室温を18〜22度に保つ
- 深い眠りに入りやすい環境を作る
カフェイン制限
- 午後3時以降はカフェインを避ける
- 夜の眠りを妨げないようにする
⚠️ 注意:睡眠に関する効果についても個人差があります。最適な睡眠時間や環境は人それぞれ異なりますので、自分に合った睡眠パターンを見つけることが重要です。

実践へのロードマップ〜無理なく続けるための段階的アプローチ〜
セロトニン活性化の知識を得ても、一度にすべてを実践しようとすると継続が困難になってしまいます。そこで、段階的に取り組むことで、無理なく習慣化できるプランをご提案します。
【STEP 1】初心者向け 1週間チャレンジ
目標:基本的な習慣を身につける
Day 1-2:光と歩行の基礎づくり
朝のカーテン開けと10分間の散歩から始めてみましょう。これらは特別な準備や技術を必要とせず、誰でもすぐに始められる方法です。目覚めたらまずカーテンを開けて日光を感じ、その後10分程度の軽い散歩で体を動かします。
Day 3-4:食事からのアプローチ
朝食にトリプトファンを含む食品を1品追加してみてください。納豆やヨーグルトなど、手軽に取り入れられるものから始めると良いでしょう。コンビニで購入できるものでも十分効果があります。
Day 5-7:咀嚼の意識化
よく噛んで食べることを意識してみてください。食事の時は一口30回を目標に咀嚼することから始めましょう。
【STEP 2】中級者向け 2週間目以降
目標:本格的な習慣の定着
運動量のアップグレード
散歩時間を20分から30分に延長し、週に2回から3回はリズミカルな運動を追加してください。ウォーキング以外にも、階段の上り下りや軽いダンスなど、楽しめる方法を見つけることが継続の秘訣です。
睡眠リズムの最適化
就寝時間を一定にして睡眠リズムを整えます。毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計が安定し、セロトニンの分泌リズムも整います。
個人別ストレス対策の確立
自分に合ったストレス解消法を1つ見つけて実践することで、より総合的なアプローチが可能になります。読書、音楽鑑賞、軽い運動など、自分が心地よく感じる方法を見つけましょう。
【STEP 3】上級者向け 1ヶ月以降
目標:生活全体の最適化
基本的な習慣が定着したら、食事内容の更なる改善、運動の多様化、瞑想やマインドフルネスの導入など、より高度な取り組みにチャレンジしてみてください。この段階では、セロトニン活性化が自然な生活習慣として身についているはずです。
重要なのは、完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めることです。一度に全てを変えようとせず、まずは1つの習慣から始めて、徐々に範囲を広げていきましょう。毎日の小さな積み重ねが、やがて大きな変化をもたらします。また、これらの方法の効果には個人差があることを理解し、自分のペースで無理なく続けることが最も大切です。
まとめ – 継続的な実践で心の健康を
セロトニンを増やし、活性化させることは、特別な道具や費用を必要としません。日々の生活習慣を少し意識するだけで、心の健康状態を大きく改善することができます。
重要なのは、完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めることです。一度に全てを変えようとせず、まずは1つの習慣から始めて、徐々に範囲を広げていきましょう。
就労に向けた準備期間や、新しい環境での生活において、メンタルヘルスの維持は非常に重要です。ただし、これらの方法の効果には個人差があり、すべての人に同じように効果があるとは限りません。もし症状が深刻だと感じる場合や、長期間改善が見られない場合は、専門医に相談することをお勧めします。
セロトニンを味方につけて、健やかで前向きな毎日を送りましょう!
*** 本屋📖のような就労移行支援事業所 とは❓***
https://dckawasaki.my.canva.site/
※個別相談・質問はこちら
https://forms.gle/Jc37z6fumW63jwQb7
※「ディーキャリア 川崎オフィス」のイベント案内はこちら
https://forms.gle/quomviEN5y2nzuey9


