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【発達凸凹】脳の働きの違いと、その理解に向けて

こんにちは!ディーキャリア 川崎オフィス 職業指導員の吉村です。

私たちディーキャリア 川崎オフィスは、主に発達障害の特性に応じたプログラムで就職支援をしている、就労移行支援事業所です。

「発達障害」という言葉は、最近よく耳にするようになりました。
ADHD(注意欠如・多動性障害)、自閉症スペクトラム障害、限局性学習障害など、さまざまな種類があり、それぞれに違った特性があります。
これらは、脳の働き方に違いがあるために、社会生活や学習に困難を感じる状態であり、決して「病気」ではありません。
そのため、治療をすれば完治するといった類のものではなく、自身の苦手なことを把握し、上手に付き合っていくものです。
本記事では、発達障害の背景にあると考えられている脳のメカニズムを中心に、分かりやすく解説します。

発達障害:何が起こっているのか?

発達障害は、遺伝的な要因や環境的な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。
特定の遺伝子の変化と関連がある場合もありますが、多くの場合、複数の遺伝子が関与し、それらが複雑に相互作用することで発現します。
また、妊娠中の母親の感染症や薬物使用なども、リスクを高める可能性があると考えられています。

脳の働き方の違い:具体的なメカニズム

さまざまな発達障害では、脳の特定の部位や神経回路の働き方に違いが見られることが、脳画像研究などで明らかになってきています。

  • ADHD: 注意や衝動のコントロールに関わる脳の部位(前頭前皮質や線条体など)の働きが弱いことが指摘されています。ドーパミンやノルアドレナリンといった、脳の情報伝達物質のシステムにも異常がある可能性があり、これが集中力の持続や衝動を抑えるのが難しいことに繋がっていると考えられています。
  • 自閉スペクトラム障害: 社会的な状況を理解したり、人とコミュニケーションをとったりする脳の部位(扁桃体、海馬、前頭前皮質など)の働きに違いが見られる可能性があります。さらに、脳のさまざまな部位の連携に問題があるという説や、特定の部位の活動が過剰になったり、逆に弱まったりすることが関連している可能性も示唆されています。他者の行動を理解するのに関わっていると考えられるミラーニューロンシステムの機能不全も、関連している可能性があります。
  • 限局性学習障害: 読む、書く、計算するといった特定の学習能力に関わる脳の部位の働きに違いが見られます。例えば、読み書きに困難のある「失読症」では、言語処理に関わる脳の部位の活動パターンに特徴的な違いが見られます。

脳の情報伝達物質の役割

上記以外にも、脳の情報伝達物質のバランスの乱れが発達障害の症状に影響している可能性が考えられています。
ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどは、注意、衝動のコントロール、感情の調節など、さまざまな脳機能に重要な役割を果たしています。
これらの情報伝達物質の量や、それらを受け取る部分(受容体)の働きに異常があると、発達障害に特徴的な症状が現れる可能性があります。

診断と支援

発達障害の診断は、専門医による詳しい検査が必要です。
問診やWaisなどの心理テストをおこない、必要に応じて脳の画像検査などもおこなう場合もあります。
早期に診断し、適切な支援をすることは、当事者ご本人にとって非常に大切です。
支援の内容は、一人ひとりの特性や必要性に合わせて調整されるべきであり、教育支援、心理療法、薬物療法などが用いられます。

偏見と誤解の解消に向けて

発達障害は、本人の努力不足や意志の弱さから起こるものではなく、脳の働き方の違いによって生じるものです。
「怠けている」「わがまま」といった誤解や偏見は、解消しなければなりません。
適切な理解と支援を提供することが、社会全体にとって重要です。
発達障害を持つ人々が、その特性を活かしながら社会に参加し、充実した生活を送れるよう、社会全体の意識改革が求められています。

まとめ

発達障害のメカニズムの解明は、まだ研究途上にあります。
更なる研究の進展によって、より正確な診断方法や効果的な支援方法が開発されることが期待されています。
遺伝子研究、脳画像研究、神経科学の進歩は、この分野の理解を深める上で重要な役割を果たすと考えられます。
私たち支援者も、常に新しい情報をキャッチして、よりよい支援に繋げられるよう、日々尽力していきたいと考えています。

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