【大人のASDと自傷行為】仕事と家庭で生じるストレス原因と対処法
自閉スペクトラム症(ASD)のある方は、仕事や家庭といった日常生活の複雑な環境で
特性からくる強いストレスを経験することが少なくありません。
この過度なストレスや感情の処理の困難が背景となり、自傷行為
(身体を叩く、ケガをするくらい物にあたる、過度な飲酒や服薬など)
として表面化するケースがあります。
自傷行為は、本人にとって感情やストレスを表現し、
困難な状況を乗り切るための切実な対処法である可能性があります。
この記事では、ASDのある方がプライベートと職場の両方で直面する自傷行為の複雑な原因を解説し、
心身を守るための自己対処法と専門的な支援の活用についてご紹介します。
大人のASDに自傷行為が生じる根本的な原因
ASDのある方の自傷行為は、特性から生じる以下の機能的な困難が
複合的に絡み合っていることが多いです。
・感情や気持ちを言葉にできない困難:
怒りや不安といった強い感情が行き場を失い、言葉で表現できない代わりに身体的な行動として表出される背景があります。
・感覚過敏や鈍麻への対処:
周囲の環境(音、光、匂いなど)からの感覚刺激に過敏に反応し、パニックに陥った際、その不快な感覚を痛みなどで紛らわせようとする自己刺激行動のエスカレートです。
・パニックと衝動:
特性による過度なストレスが興奮や衝動を引き起こし、自己刺激が限界を超えて自傷行為に変化するケースです。

【職場編】 自傷行為に繋がる仕事上のストレス要因
職場は自身ではコントロールしにくい為、ASDのある方にとって、
特性と環境のミスマッチが生じやすいストレスの原因の一つです。
・業務の非定型化とこだわりの衝突:
仕事の手順やルールに強いこだわりがある場合、上司からの急な指示変更や指示の曖昧さ(意図が理解できないこと)が強いストレスとなり、パニックが起こります。
・職場の人間関係とコミュニケーション:
同僚や上司の表情、言葉の裏にある意図や空気を読むことが困難なため、人間関係で孤立したり、誤解が生じたりすることが続きます。
・過剰適応による疲労:
仕事で自身の特性を隠す「擬態」を無理に続けた結果、極度な疲労や消耗が限界に達し、自傷という形でストレスが表出される可能性があります。



