【大人のASD】「思い通りにいかないとイライラする」のはなぜ?~特性を理解し対処法を解説~
みなさん、こんにちは!
ディーキャリアワーク柏スタジオです🙋
突然ですが「物事が自分の思い通りに進まないと、過剰にイライラしてしまう」
「些細なことなのに、怒りが爆発しそうになる」ことはありますか??

これは、大人のASD(自閉症スペクトラム障害)の方からよく聞かれる困りごとの一つです。
周りの人からは「わがまま」「短気な性格」と誤解され、人間関係や仕事でのトラブルに発展するケースも少なくありません。
なぜ、ASDのある方は、自分の想像外のできごとや変化に対して、これほどまでに腹立たしく、強い抵抗を感じてしまうのでしょうか。
この記事では、「思い通りにいかない」ことによるイライラや不安の原因を、ASDの特性から解説します。
さらに、自分自身の感情のコントロールを改善するための具体的な対処法もご紹介します。
ASDの特性がイライラや怒りに影響する3つの原因
物事が思い通りに進まないときに感じるイライラや怒りの原因は、ASDの持ついくつかの特性に深く関係しています。
1-1. 「べき論」への強いこだわりと完璧主義
ASDの特性の一つに「こだわり」の強さがあります。「物事はこうあるべきだ」「手順があればそれを必ず守らなくてはならない」というような認識が非常に強いため、
わずかでも自分自身の想定や手順から外れると、それが許容できずに強い不快反応(イライラ、怒り)として表現されます。
また、完璧主義の傾向が強いため、90点の結果であっても「10点が不足している=できていない」と極端に判断し、
その原因が他者や環境にあれば、怒りが爆発してしまう可能性があります。
自責の念が強い場合には過度にストレスがかかることで体調を崩す原因にもなります。
1-2. 見通しの困難と想像外の変化への不安
ASDのある方は、先の見通しが立たない状況や、自分自身の想像外の出来事に対して強い不安やストレスを感じやすい傾向があります。
日常生活において、ルーティンや時間管理を徹底するのは、この不安を軽減するためでもあります。
予定が変化したり、相手の言葉と裏側にある意図が違う場面に直面したりすると、
自身の予測が崩壊したと感じ、それがパニックやかんしゃくにつながることがあります。

1-3. 思考の切り替えと感情のコントロールの苦手
ASDの特性として、思考や注意を柔軟に切り替えることが困難だったり、苦手さがあります。
・思考のフリーズ: 物事がうまくいかなかったとき、そのできごとが頭から離れず、「なぜダメだったのか」という反芻思考に集中力が徹底的に奪われてしまい、思考停止してしまうことがあります。
・柔軟な対応の困難: 「これがダメなら、こうしよう」と状況に応じて別案を検討したり、自分自身の考え方を調整したりすることが苦手です。
また、感情のコントロールが苦手な傾向があるため、イライラや怒りといったネガティブな感情のサインを早期に把握で着ない事や、
これまでの経験から爆発させることでストレス発散をするというルーティンになっていることがあります。
1-4.多面的に考えることが苦手
これまで説明した特性から物事を多面的に捉え考えることに苦手さがあります。
・ASDの人の思考はひとつの視点・ひとつの意味を強くつかむ傾向がある為、A視点・B視点・C視点も踏まえ考えることが難しいことがあります。
・不確実な背景や意図の把握が難しいことや、正解が無い事もあることから、できごとの事実をフォーカスしがちになる事で、多面的な思考が難しい事があります。
・多面的に考える為にはワーキングメモリが必要になってきます。ワーキングメモリに苦手があることで考えづらさにつながることがあります。
「思い通りにいかない状況」への具体的な反応・症状
ASDの特性によるイライラは、周囲には「怒り」として見えますが、本人にとってはストレス反応の一つです。



