ASDは想像することが苦手なの??~ASDの特性と事例~
みなさん、こんにちは!
ディーキャリアワーク柏スタジオです🙋
今日は以前掲載した、ASD/自閉症スペクトラム障害(以下ASDという)のある方の
「想像力の欠如」について一部内容を修正し、再度みなさんにお伝えしたいと思います。
「想像力」は生活面でも、就労時でもさまざまな場面で必要になります。
しかしASDのある方は障害の特性上想像することに
困難を抱えていることがありますので
今日は、ASDとは何か、想像力の欠如とはどのようなことなのか、お話していきます。
目次
ASDとは
まずASDとは、アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5で、
これまで自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群など
さまざまな名称で呼ばれてた障害を、一つにまとめた総称を指します。
ASDのある方の中で、およそ70%以上の人がその他の精神疾患の併存があり、
特に知的障害の場合が多く、
他にもADHD(注意欠如・多動性障害)、
発達性協調運動症(DCD)、
不安症などが併存するとされています。
約100人に1人の方が自閉症スペクトラム障害とされ、
男性は女性に比べ、およそ4倍の発生頻度とされています。
ASDの主な特徴としては
・他者とのコミュニケーション、対人関係への苦手
・他人の感情や「空気」など、抽象的な表現を想像しにくい
・特定のパターンにこだわる(変更が苦手)
・興味が限定的になってしまう
などが挙げられ、それ以外にも
障害の併存がある事で上記以外の困りごとが現れることもあります。
想像力の欠如とは具体的にどのようなことか
ここでは「想像力の欠如」とはどのようなことを指しているのか
具体的にお伝えしていきたいと思います。
・相手が今どんな感情なのかを推し量るのが難しい
→相手の声のトーンや、表情などから、今相手がどういう感情なのかを
踏まえたコミュニケーションが取れず、人間関係を構築したり、
相手の状態に合わせた声掛けができず、怒らせてしまう。
・経験がないこと、将来を考えることなどが難しい
→経験がないことをイメージすることが苦手で、
初めての業務は具体的なマニュアルや指示、
一連の流れを体験しないと何から始めていいかわからないことがある。
同様に、自身の将来に関しても経験のがで
人生設計をおこなう際に見立てが甘いことや、達成の難しい内容になることがある。
・目標を設定しそこに向けて継続して努力を続けることが難しい
→目標を達成した状態を想像しにくい為、
目標達成に向けた取り組みを継続できず、途中で挫折してしまう。
・相手の期待を察することが難しい
→指示や依頼があいまいな場合や遠回し、比喩などがあると相手の求めているものが
何か正確に想像することができず、相手の期待していたことと齟齬が出る場合がある。
・言葉遣いや発言の内容自身の振る舞いが相手や周囲に与える影響を考えることが難しい
→その言い方をするとその場の空気が壊れてしまう、
自分は良くても相手は不快かもしれないということが想像できず、
自身の言葉遣いや振る舞いが自身にとって一番やりやすい、
なじみのある表現方法になってしまうことがある。
・対人面やその他の場面でも、複数の選択肢からどれが最善かを判断し行動することが難しい
→この選択をすると「こうなるかもしれない」と
想像することが苦手なので、複数選択肢からこれが最善と選択したり、
選んだ選択肢が他の人から見ると突飛で周囲を驚かせてしまうことがある。
・明文化されていないことに対し、周囲から情報を集め、それに沿った行動をすることが難しい
→教わっていないルールや周囲の人の行動、コミュニケーションの中で、情報を集め、
自分の行動を調整する事が苦手で、一人勝手な行動をしていると思われてしまうことがある
・問題を解決するための手段を考える事が難しい
→課題に直面した際に解決の為、どんな解決方法があるのかを
頭の中で検討できず途方に暮れてしまう、動けなくなってしまう。
・伝える際は明確で具体的に表現しないと何を指しているのかがわからない
→コミュニケーションの中で相手が伝えたいこと、
相手の視線やジェスチャーなどの情報を集め、それを総合し想像できず、
伝わらないことでコミュニケーションに時間がかかりイライラしたりさせてしまうことがある。
・過去の経験を踏まえ、別の事象でもその方法を応用し対応することが苦手
→同じ場面やケースには対応できるが、似ているが違うケース、
イレギュラーなケースになった際に「こうしたらいいのでは」と想像できず、
同じことを繰り返し、失敗していると言われてしまう。
上記はあくまで一例であり、すべてが「想像力の欠如」だけが
起因して起きているわけではないですが、
どれも「想像する力」が関係しているものになっています。
これらは「想像できるようになる」のではなく、
「想像しやすくするための工夫」や
「周囲からのサポート」想像力に頼らない
「対策」を考えることで改善、解消できることがあります。
「対策」を一緒に考えていくのも就労移行支援の役割の一つです。
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