高次脳機能障害について~症状と支援事例~
目次
ディーキャリアワークでの事例
ディーキャリアワーク柏スタジオに通所されていたTさんは、
高次脳機能障害による影響で、
注意障害と記憶障害が主に目立った特性としてありました。
具体的には集中力が続かず訓練中に窓の外をぼーっとみているときがある、
また、記憶障害からルーティン作業が覚えられない(朝来たらやることなど)
さっき伝えたことを忘れてしまう、
メモをとってもそのメモを見つけられない、
メモをとっても忘れていないかの不安からまた聞いてしまうなどの特性がありました。
訓練中の集中力に関しては、なぜこの訓練をしているのか
何度も確認しあい、ご自身の目標や目的を都度認識してもらいました。
また、得意なことや苦手なことを把握していき、
苦手(脳疲労が起こりやすい)な作業によっては少しぼーっとしてしまうときもありましたが、
訓練に集中して取り組む意味を自分の中に落とし込み、ぼーっとする頻度も下がってきました。
ルーティン作業は紙に書き、マニュアルのようなものを作り、
それを見ながらやることをやっていくようにしました。
ご自身がとるメモに関しては、元々リハビリをしていたときから使用していた
スケジュール帳があり、そちらにメモをとっていて、
ご本人はそのスケジュール帳が一番使いやすいとのことで、
ツールは変えずにメモの取り方の工夫をしていきました。
例えば、1日に10日のスケジュールの件を伝えると、
1日のページに伝えた10日のことを書いてしまうため、10日のことは10日のページに書くことを伝え、
メモを取るときは一緒に見て確認し、間違えそうになったときはすぐに伝えていきました。
また、メモを書く場所もページの真ん中から書いていくクセがあり、
後日追加の情報があった際に、最初に書いた項目の周りにメモをつけ足していくため、
後から見たときにとても見づらくなっていました。
そのため、左端から書いていくことを習慣化し、あとから見た時もわかりやすいようにしていきました。
その他、メモはそのスケジュール帳にしか書かず、スケジュールのメモとは別に、
作業に関することなどのメモ帳を作ってみてはと提案しました。
しかし、ツールが増えると混乱するとのことでメモ帳を増やすことは一旦なしになったのですが、
実習に行った際に「スケジュール帳に教えてもらったことを書いても見返すのが大変」
とご自身での気づきから、新たに小さいメモ帳を用意し、
ポケットに入れて仕事で教えてもらったことを記入する用のメモを使うようになりました。
自分にはどのような仕事があっているかを見つけるため、
清掃のお仕事の実習や、訓練でPCの入力作業などをしました。
PC入力は注意障害から、PCの画面と、入力するために見る用紙を交互に見ていると、
どこまで入力したかわからなくなることがよくありました。
定規を使い、次に入力する箇所を定規で当てるなどの工夫もしましたが、
脳疲労から疲れがすぐ出て集中力が続かなくなることがよくあり、
自分にはPC入力は向いていないと、報告がありました。
就職活動時には、訓練や実習に行った経験と、支援員から見た様子を元に、
ご自身の障害理解に努め、企業に自分の障害と特性について説明できるようになりました。
また、メモを取る工夫はできたけれど、どうしても不安になるときもあるとのことで、
「メモを取る時間が欲しい」
「忘れていないか不安になり、同じことをまた聞いてしまうときがあるがその時はまた教えてほしい」という配慮を企業にすることにしました。
Tさんは元々飲食業界で仕事をしていたこともあり、
また飲食の仕事もしてみたいという希望から、飲食業界の実習に行きました。
業務は特に問題なくできたのですが、仕事を始めるまでのルーティン作業が覚えられず、
企業もそこを不安に感じていたため、ルーティン作業のマニュアルを企業からいただき、
毎日ディーキャリアワーク柏スタジオで練習をして、
ルーティン作業を記憶に定着していくことを実践しました。
その結果もあり、また、依頼した配慮事項も対応可能ということで、
現在は誰もが知っている某有名チェーン店のキッチンで、
お皿などの洗浄作業のお仕事をしています。
まとめ
前ページでもお伝えしましたが、高次脳機能障害の症状はその人によってさまざまです。
今まで発達障害のことをブログで取り上げてきて、
「発達障害の特性は人それぞれである」とお伝えしてきたと思いますが、
そういった点でも発達障害と高次脳機能障害は似ているところがあります。
Tさんの場合もTさんの苦手なことと得意なことを把握していき、
Tさんが働いたときに困るであろうことをスタッフで見立てて、
Tさんにあった工夫をご本人にも考えてもらいながら、
実際に取り組めるようにサポートしてきました。
ディーキャリアワーク柏スタジオでは、Tさん以外にも高次脳機能障害のある方の支援をしています。
そのため、現在、高次脳機能障害があり、仕事をしたいが何かに困っていたり、
不安なことや心配なことがある方がいらしたら、
困りごとに関してどのようなサポートができるか
ゆっくりとお話しできたらと思うので、ぜひお気軽にご相談ください。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
ディーキャリアワーク柏スタジオは、
大人の発達障害の方を中心とした
「作業体験型・就労移行支援事業所」です。
就職に向けての訓練や、
就職活動の支援をおこなっています。
「また仕事に復帰したい…」
「仕事がなかなか続かない…」
「働くことに自信がない…」など、
就職に向けて何かお悩みのことが
あれば、お気軽にお問合せください。
お問合せフォームはこちら↓
https://dd-career.com/ad/dcwork/#dcareer_contact
◇ディーキャリアワーク柏スタジオ ◇
住所:柏市中央町6-19 コープビル柏7階
T E L: 04-7160-1170
メール: k.job_info@happy-terrace.com
営業日: 月~金 (土・祝は不定期開所)
営業時間: 9:00〜18:00
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
ディーキャリアワーク 柏のブログ一覧
オフィス情報
ワーク柏スタジオ
- アクセス
- JR常磐線「柏駅」より徒歩7分
- 電話番号
- 04-7160-1170