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発達障害のある方が「不安で眠れない」夜にできること
~睡眠の悩みとセルフケアのヒント~
発達障害のある方が感じやすい「不安」とは?
発達障害のある方の中には、日常生活の中で強い不安やストレスを感じやすい方が多くいらっしゃいます。その背景には、発達特性に起因する困難さが関係しているといわれています。
たとえば、
- 急な予定変更に戸惑いやすい
- 環境の変化に適応しづらい
- 音や光、匂いなどへの感覚過敏
- 物事を一方向から捉えてしまいやすい認知の特性
- 過去の失敗や不安を何度も思い返してしまう反芻思考
こうした特性や思考のクセに加え、脳内のセロトニンの分泌が少ないといった生理的な傾向も影響し、心が不安定になりやすい傾向があります。
とくに夜になると、不安な気持ちが強まり、「眠れない」「寝付きにくい」といった悩みにつながることも少なくありません。
睡眠と発達障害の関係
発達障害のある方は、睡眠障害を併発しやすいことが報告されています。具体的には、
- 寝付きが悪い
- 途中で何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めてしまう
- 昼夜逆転してしまう
などの症状がみられます。
睡眠の乱れは、生活リズムや体調、気分に大きく影響するため、「眠れない」という状態が続くと、日中の集中力低下や意欲の低下、ひどいときにはうつ症状にもつながってしまいます。
「不安で眠れない夜」にできること
~無理に寝ようとしないセルフケアのすすめ~
眠れない夜に「早く寝なきゃ」「どうしよう」と焦れば焦るほど、脳は覚醒状態になり、かえって眠れなくなってしまうものです。これは、不安や緊張で交感神経が優位になるためです。
そんなときには、次のような考え方と行動が助けになります。
■「横になって目を閉じるだけでもOK」と捉える
「眠らなければ」と思うほど脳は覚醒してしまいます。
眠れなくても、静かな環境で横になるだけで、身体や脳は休息しています。まずはリラックスを第一に考えましょう。
■不安を紙に書き出す
頭の中で堂々巡りしている不安や気がかりなことは、紙に書き出すことで整理され、脳が安心します。就寝前の「頭の整理」におすすめです。
■感覚過敏が気になる方は環境を調整する
- 遮光カーテンで光を遮る
- 静かな音楽やホワイトノイズを活用
- アイマスクや耳栓を使う
など、自分の特性に合った環境を整えることも効果的です。
睡眠の質を上げるためのライフハック
発達障害のある方が生活リズムを整えるのは簡単ではありませんが、少しずつ工夫することで、改善につながることもあります。
・毎朝同じ時間に起きる
起きる時間を固定することで、体内時計が整いやすくなります。
・夕方以降はカフェインを避ける
お茶やコーヒー、チョコレートも要注意です。
・就寝前のスマホを控える
ブルーライトが脳を刺激し、眠気を遠ざけます。就寝30分前にはデジタル機器から離れる習慣を。
・ルーティンを決める
「お風呂 → ストレッチ → 音楽 → 就寝」といった入眠儀式を習慣にすることで、脳が「眠る準備ができた」と認識しやすくなります。
困ったときは一人で抱えずに
~専門的な支援を受ける選択も~
「眠れない」ことが慢性的になっていたり、不安が強すぎて日常生活に支障が出ていたりする場合には、医療機関の受診をおすすめします。
発達障害の二次障害として現れる睡眠障害や不安障害、うつ症状などは、適切な診断と治療によって改善が期待できます。
就労移行支援事業所でできること
~セルフケアプログラムのご紹介~
当事業所では、発達障害のある方が抱えやすい**「不安」や「睡眠の悩み」**に対するセルフケアプログラムを実施しています。
プログラムでは以下のような内容を取り扱います:
- 不安との向き合い方、ストレス対処法
- 認知のクセを知る「認知行動療法」の考え方
- 睡眠の質を高める生活習慣
- リラックスワーク(呼吸法・ストレッチなど)
【体験会・相談会のお知らせ】
プログラムに興味があるという方は、ぜひ無料体験会・個別相談会にご参加ください。
詳細・ご予約はHPお問い合わせフォームからどうぞ。
最後に
眠れない夜はとてもつらく、孤独に感じるものです。
しかし、あなたの感じている不安や生きづらさには理由があり、それに対してできる工夫や支援があります。
まずは「眠らなきゃ」ではなく、「横になって休むだけでもいい」と心をゆるめることから始めてみてください。そして、一人で抱えきれないと感じたときは、私たちのような支援機関を頼ってくださいね。
※この記事は医療行為を推奨・代替するものではありません。心身の不調が強い場合は、医療機関への受診をご検討ください。


