【発達障害あるある】なんでも自分にも当てはまる、発達障害特性とバーナム効果

こんにちは。ディーキャリアITエキスパート田町オフィスのサービス管理責任者（保有資格：臨床心理士・公認心理師）の鈴木です。

前回のブログで発達障害に関する「ADHD特性により、日中の眠気を止められない方へ」について記載しました。

臨床心理士の知識と、発達障害のある方を支援した経験にもとづき今回は「発達障害特性とバーナム効果」についてお伝えします。

1．バーナム効果とは

誰にでも当てはまるような性質や傾向を、自分だけが特別に当てはまると捉えてしまう傾向です。
どんな人も、自分なりの特性や性質をもっているはずですが、占いなどで言われたことが一般的なことであっても、自分にも当てはまる、といった捉え方をしてしまいます。
この現象自体が悪いわけではなく、正しく情報を受け取ったり、自分に合う合わない、を判断しにくくなることが問題だと捉えています。

2．発達障害特性をバーナム効果と捉えてしまう理由

「ケアレスミスや忘れ物が多い」「コミュニケーションが下手」といった現象が、おおよそ多くの人に当てはまるようなことが、みんな発達障害なのではないか、と捉えてしまうのではないか、と危惧しています。
発達障害に関するサイトや、簡単なWebチェックテストといったものもあります。これらは、自分を理解する上で上手に活用することは良いですが、囚われすぎると自分の不安感を増大させるので、使い方には注意が必要です。

上記のような具体例は、多くの人に当てはまるとされていますが、程度や質、頻度はさまざまでしょう。そもそもASDやADHDといった発達障害の診断をすることは医師にしかできないことなので、言葉の使い方や特性の表現の仕方は注意が必要です。
発達障害の診断基準にあてはまり、かつその「困難」が日常生活や職業生活に支障をきたしている場合には、医師による診断を受ければ良いと思います。
発達障害特性が、自分や知り合いに当てはまる割合がどの程度なのか、適切に判断することが必要です。

3．適切な自己理解について

発達障害か否か、という切り口のみで人を理解することはできません。
人の理解には、本人の気質や性格、その人の生まれや育ち、教育環境に加え、考え方、他者との関わり方、ものの使い方、学習の仕方、心の健康度やストレスの程度等、上げればきりがないです。また人間は成長するので、その一時では判断できません。
さらに、これから先も人間の理解に関する研究が進み、新たな切り口が解明されるかもしれません。

昨今話題になったMBTIも、使い方を誤れば自分も他人も嫌な思いをしてしまいます。
適切な自己理解のためには、自分自身について考えるとともに、客観的な評価が必要です。
例えば、自分を発達障害と言い張って、他人の意見に聞く耳を持たない方が、果たして発達障害の診断を受けることが可能なのでしょうか。
他者の意見を聞かない人が、発達障害です、と言われても、聞く耳をもたないこともあり得るのです。これらは別の病理を疑います。

適切な自己理解のためには、改めて他者目線を入れることや、適切な自己分析のツールを使いましょう。
ありきたりな言葉でも、人によって受け取り方、意味づけ、解釈は異なってくるものです。

ディーキャリアでは、自己理解の訓練に注力しています。
発達障害に関するカリキュラムだけでなく、キャリアプランニングによって自身の過去分析と未来設計を一人ひとり支援しています。
自己理解の方法や、ストレスの把握、ストレスコーピングの方法を学び、安定就業を目指していきましょう。
また、皆様の苦手なことやトラブル場面において、効果的な対応方法を身につけられるように練習していきましょう。

ブログ担当　臨床心理士　鈴木

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