【発達障害あるある】ADHD特性により、日中の眠気を止められない方へ

こんにちは。ディーキャリアITエキスパート田町オフィスのサービス管理責任者（保有資格：臨床心理士・公認心理師）の鈴木です。

前回のブログで発達障害に関する「ストレス発散方法として暴飲暴食をとっている方へ」について記載しました。

臨床心理士の知識と、発達障害のある方を支援した経験にもとづき今回は「ADHD特性により、眠気を止められない方」についてお伝えします。

1．ADHDと眠気の関係とは

ADHD（注意欠如・多動性障害）との診断基準上の特性として、不注意、多動性、衝動性があります。
また、トリプルパスウェイモデルという切り口で見た時には、①抑制制御の障害（集中力の欠如）　②報酬遅延の障害（即時報酬を好む）　③時間処理の障害（時間感覚の障害）としても言い表せます。
脳機能や睡眠ホルモンの影響も指摘されているので、ADHDと睡眠、覚醒は一般的にも知れ渡ることとなりました。

眠気により、日中のパフォーマンスが下がったり、眠気を理由に目の前の作業ができずに、うつうつとした気分になったり、ストレスや過労に繋がったりすることもあるでしょう。
夜間に睡眠を上手にとること、日中、眠気を発生させずに目の前の作業に集中することはとても大切です。そのためには、適切な自己理解と、効果的な対処法が求められます。

2．眠気への対処法

日中の眠気への対処法として、自分に合った睡眠時間を確保することが求められます。
夜、自分が眠る環境を確認し、暑すぎず寒すぎず、快適な環境で眠れているか、見直してみましょう。
このブログを執筆している時期は冬なので、暖房器具を使うことや、必要に応じて部屋の加湿を行っていくことが大切です。
夏場は逆にエアコンなどで室温や湿度を下げて、熱帯夜対策や湿度対策が求められます。

日中の眠気対策は、コーヒー等で覚醒度を上げたり、モチベーションの上がる作業や、運動を取り入れることで対処することが基本となります。
あまりにも眠気が強い場合は、15時までの30分程度までなら、お昼寝してリフレッシュすることも効果的です。

どれもやってるよ、効果がないよ、という方は、自分に合った眠気の原因究明と、対処法を身につけていく必要があります。

3．眠気の理解と対処法の獲得

眠気にはいくつか原因が考えられます。
純粋に睡眠時間が足りてない場合は、まず、自分に合った睡眠時間を知ることが必要です。人によって必要な睡眠時間は異なるので、いつもよりたくさん寝てみたり、短くしてみたり、検証することが大切です。
睡眠障害で医療機関を利用される方は、明確にするために検証、測定することもあります。
また、夜の睡眠に問題を抱えている方は、眠剤をはじめとした対処で、夜の睡眠を安定してとられるようにしていきましょう。
乳幼児や高齢者は、お昼寝をとることで1日の必要な睡眠時間を確保しています。

自分に合った睡眠時間を確保できていても、覚醒の問題で、日中の眠気に繋がることも考えられます。
ADHD傾向のある方は、脳機能の特性が関係していると言われています。
神経伝達物質の不足により低覚醒になり、眠気が生じるそうです。
自分の興味のない話や会議などに参加して、眠気を感じた経験のある方も少なくないでしょう。

上記のように、自分にとって覚醒度はどう上下するのかを知っておくことが肝要です。
自分は何に興味があって、何が得意で、何をつまらなく感じるのか、まずは自己理解が基本となります。
その後、職業選択や目の前のタスクに取り組む際に、自分に合った対処法を実践していく必要があります。
例えば、どうしても眠くなる作業をしなければならない時は、覚醒度の高いと自分が感じる時間帯に行うことや、カフェインを摂取した後に行うなどが考えられます。
その他にも、作業内容によっては工夫と対処可能なことは多分に考えられます。
ぜひ、自分に合った眠気の対処法を身につけていきましょう。

ディーキャリアでは、利用者の皆様の困りごとを解消し、自己管理を行えるよう、特性理解の訓練を提供しています。
自己理解の方法や、ストレスの把握、ストレスコーピングの方法を学ぶことができます。
皆様の苦手なことやトラブル場面において、効果的な対応方法を身につけられるように練習していきましょう。

ブログ担当　臨床心理士　鈴木

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