【発達障害あるある】やる気が出なくて、いつもギリギリになることとADHDとの関連

こんにちは。ディーキャリアITエキスパート田町オフィスのサービス管理責任者（保有資格：臨床心理士・公認心理師）の鈴木です。

以前のブログでASD特性による「【発達障害あるある】発達障害特性で困ってしまう方は、ソーシャルスキルを身につけよう」を記載しました。

臨床心理士の知識と、発達障害のある方を支援した経験にもとづき
今回は「やる気が出なくて、いつもギリギリになることとADHDとの関連」についてお伝えします。

1．やる気とは

皆様、「やる気が出ない」と感じることはありますか。そもそも「やる気」とはなんなのでしょうか。
辞書的意味や皆様の感覚的な理解はあると思います。
今日はモチベーションとして「やる気」を見ていきます。目標やタスクが決まっていれば、モチベーションをもって取り組むことができると思います。
逆に、することがなかったり、目標のハードルが高すぎると「やる気」が出なくなります。
先延ばしグセ、集中が続かない、経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
また、一説には「やる気」なんてものは存在しない、とおっしゃる方もいるようです。
（これは行動してからモチベーションがついてくる、という考えのようですね。理にかなっています。）

2．Triple Pathway Model（トリプルパスウェイモデル）との関連

ADHD（注意欠如・多動性障害）の認知特性を説明する際に、Triple Pathway Modelが役に立ちます。
①抑制制御の課題、②報酬遅延への嫌悪、③時間感覚の問題　の3つで説明されるもので、やる気の観点から説明します。
上記で説明したように、やる気をモチベーションと考えた時に、②報酬遅延への嫌悪で説明できます。
つまり、自分が行動した後にすぐに報酬がないと、なかなか実行できない、ということです。
高すぎる目標だと、達成までに労力がかかるので、なかなか実行に移せません。
また③時間感覚の問題という切り口で考えた時に、ADHD傾向のある方は時間感覚にズレがあるので、やろうやろうと思ってあっという間に時間が過ぎ、いつもギリギリになってしまう、という結果になってしまいます。
さらに①抑制制御の課題という切り口切り口で考えた時に、今目の前で起きていることが終わったらやろう、と注意の切り替えを想定した時にも、なかなか上手に切り替えができない、という結果になります。

3．対処法・実践

やる気が出なくて、食事や入浴、歯磨きなどのセルフケアができないとなると、うつ病などを疑いますので、専門家に相談してください。
ADHD（注意欠如・多動性障害）特性によるやる気については、具体的な対処策をお伝えします。

本人の努力不足、ということは決してなく、やる気を上手に使うことや行動化することが苦手、と言えます。
したがって、自分の苦手なこと、特性を理解した上で対処策を講じることが肝要です。
セルフマネジメントと呼ばれる、自分で自分のやる気の管理をしてみることをおすすめします。
具体的には、自分へのご褒美などを設定し、モチベーションを高めてみることや、短期的な目標設定をするなどです。
目の前のタスクにおいては、工数をキリの良いところで分け、途中まで終わったら自分へのご褒美にお菓子を食べるなどです。
タスクを一気に終わらせる必要はありません。少しずつスモールステップで達成できるようにしてみましょう。
自分へのご褒美が思いつかない方、なかなかやる気をもちながらタスクを進められない方は、ぜひご相談ください。

ディーキャリアでは、利用者の皆様の困りごとを解消し、自己管理をおこなえるよう、サポートの受け方やタスクへの取り組み方、コミュニケーションを訓練しています。
皆様の苦手なことやトラブル場面において、効果的な対応方法を身につけられるように練習していきましょう。

ブログ担当　臨床心理士　鈴木

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