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発達障害の私の「モヤモヤを認め、行動する」心の技術

ディーキャリアITエキスパート立川オフィスのピアスタッフ、発達障害当事者かまちです。

感情に流されずに「目の前のこと」をするために

仕事のミス、人間関係の軋轢、うまくいかなかった過去の出来事。

発達特性を持つ私たちは、一度抱いたネガティブな感情を「いつまでも引きずってしまう」傾向があります。これは、思考の切り替えのしにくさ感受性の強さといった特性が影響しているためです。

ピアスタッフ、発達障害当事者かまちは

「頭では分かっている。だけど、気持ちがついてこない」

という、この「でも、だけど」の切り替えができないこと自体にも、モヤモヤしてイライラしませんか?

このフラストレーションは、ネガティブな感情から前向きな行動へと、思考の舵を切れないことへの、非常に根深いイライラです。

しかし、大切なのは、その感情を無理に消そうとしないことです。感情があるせいで行動できない、というループから抜け出すためには、感情と行動を「切り離す」技術が不可欠です。

今回は、この「モヤモヤを認めつつ、行動する」という心構えを核とし、それを実践するための3つの具体的な工夫をご紹介します。


1. なぜ「気持ちの切り替え」が難しいのか?(発達特性との関係)

気持ちを引きずりやすい背景には、私たちの持つ認知特性が深く関わっています。

主な理由は以下の2つです。

① 思考の切り替えのしにくさ(認知の柔軟性の課題)

脳の特性として、あるタスクや感情から別のタスクや感情へとスムーズに移行する「思考の切り替えのしにくさ」がある場合があります。

一度深く考え始めたり、強い感情を抱いたりすると、その状態から抜け出すための「切り替えスイッチの操作」が、他の人に比べて難しくなってしまうのです。これは、車のギアチェンジがスムーズにいかないような状態に似ています。

② 感受性のアンテナが強い(感覚過敏の影響)

発達特性を持つ方は、場の空気や他人の表情、自分の失敗の感覚など、周囲の情報を非常に強く感じ取る(感覚過敏・感受性の強さ)傾向があります。

そのため、ネガティブな情報や感情は「大音量」で記憶に残り、時間が経ってもその情報が脳の中で鮮明に再生され続けてしまいます。


2. 核となる心構え:「感情があっても行動はできる」

気持ちの切り替えが苦手な方が、まず持つべき基本的な考え方がこれです。

大切なのは、「気持ちのもやもやを認めつつ、目の前のことをする」ことです。

多くの人は、「気分が乗らないと、行動できない」と考えがちですが、私たちはその逆のアプローチを取ります。感情は無理に消そうとするとかえって自己否定につながり、エネルギーを奪います。

  • 感情の許可: 「モヤモヤはあってもいい。今日は不機嫌でも仕方ない。」と、自分のネガティブな感情を肯定します。
  • 行動の分離: しかし、「モヤモヤ」と「目の前のタスク」は別の問題です。感情の状態に関わらず、設定したタスクだけはおこなうと決めます。

この心構えこそが、感情に流されずに生産性を保つための土台となります。


3. 心構えを実践するための「感情とタスクを分ける」3つの工夫

感情と行動を切り離す心構えを、日常で実践するための具体的なテクニックです。

工夫① ぐるぐる思考を「外に出して」処理を完了させる

頭の中で何度も同じことを考える「ぐるぐる思考(反芻思考)」は、感情を無限に引きずる原因です。これを防ぐため、「感情」を自分の中から切り離し、外に出して処理を完了させます。

段階実践方法メリット
見える化ノートやメモに、「今、何に、どう感じているか」を全て書き出す。誰にも見せないつもりで、正直な気持ちを文字にします。感情と自分を切り離し、客観的に把握することで、思考のループを断ち切ります。
強制終了書き出しが終わったら、メモを閉じる、またはスマホをロックし、「もうこの件について考えるのは終わり」と声に出して宣言します。物理的な動作と宣言により、脳に**「処理は完了した」**という信号を送ります。

工夫② 感情に「制限時間」を設け、行動時間を確保する

感情を完全に抑圧するのではなく、コントロール下に置く訓練です。

実践のコツ:「不安の予約時間」

  1. ネガティブな思考が始まったら、「考えるのは夜9時からの10分間にしよう」と別の時間に予約します。
  2. その時、心の中で「今は考えない」と切り替える言葉(例:「ストップ」「また後で」)を唱え、目の前のタスクに戻ります。
  3. 予約した時間になったら、タイマーで時間を区切り、その時間だけは集中して考えてもOKとします。

工夫③ 場所と身体を使った「物理的なリセット」でモードを変える

場所や身体の変化は、脳のモードを強制的に切り替える最も原始的かつ確実な方法です。

  • 物理的な移動: 感情を引きずり始めたら、席を立ち、トイレや給湯室など、物理的に場所を移動します。景色や匂いが変わることで、意識がリフレッシュされます。
  • 深呼吸で「今」に戻る: 椅子に座り直す前に、ゆっくりと深呼吸を5回繰り返します。身体の緊張が緩み、過去の感情に囚われた状態から「今、目の前のタスク」へと意識を戻すことができます。

4. 不安の捉え直し:「深く考える力」はあなたの強み

感情を引きずる特性は「真摯さ」の裏返し

気持ちを引きずることは、決して悪いことではありません。それは、あなたがそれだけ物事に対して真摯に向き合い、深く考え、学びを得ようとしている証拠です。

そして、この強い感情は、あなたが生きている証拠でもあります。

大切なことは、不安があるから生きている。

不安は生きている証拠であると捉えなおしが大切です。

この「深く考える力」を自己否定に向けるのではなく、

「次どうするか」という建設的な行動へと繋げるための「切り替え技術」を身につけることが、安定して働くための鍵となります。

行動を分離し、前に進む

「モヤモヤがあっても、行動はできる」

この心構えと工夫を試して、あなたの持つ「深く考える力」を仕事や生活に活かしていきましょう。

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■この記事を書いた人は?■

ディーキャリアITエキスパート立川・所沢オフィス編集部

普段は、ディーキャリアITエキスパート立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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