ITスキルって何?ピンとこない人へ贈る「仕事の道具」としての考え方
ディーキャリアITエキスパート立川オフィスのピアスタッフのかまちです。
「ITスキル」と聞くと、プログラミングや複雑なシステム構築を想像してしまい、「自分には関係ない、難しそう」と感じてしまう方は多いかもしれません。
でも、安心してください。今の時代、ITスキルとは、昔でいう「電話の使い方」「鉛筆の使い方」と同じ、仕事の最も基本的な道具です。

この記事では、専門用語を抜きにして、なぜITスキルが必要なのか、そして私たちが身につけるべき「安定就労を支えるIT基礎力」とは何かを分かりやすく解説します。
1. ITスキルは「デジタルの定規」
かつて、設計や経理の仕事に就くなら、定規や電卓の正確な使い方が必須でした。ITスキルも同じです。
ITスキルとは、単にパソコンの操作ではなく、デジタル空間で情報を「正確に」「効率よく」「安全に」扱うための能力全体を指します。
| 道具の進化 | 昔の仕事の道具 | 今の仕事の道具(ITスキル) |
| 手紙 | 筆記用具、封筒、切手 | メール、チャット(情報伝達) |
| 帳簿 | 紙、電卓、定規 | Excel(データ集計・整理) |
| 会議 | 黒板、資料の印刷 | オンライン会議、クラウド共有(共同作業) |
私たちが目指す安定就労では、この新しい「道具」を使いこなすことが、成果を客観的に示し、評価を得るための基本になります。
2. 安定就労を支える「推奨されるIT基礎力」3つの柱
専門的なプログラミング知識は不要です。就労移行支援で目標とすべきは、多くの職場で共通して求められる、業務を滞りなく進めるための**「ITリテラシー(読み書き能力)」**です。
柱①:情報整理とデータ管理のスキル
これは、仕事の成果を「正確に」まとめるためのスキルです。
- Excel(エクセル): データを入力するだけでなく、集計するための**関数(SUM, IFなど)**を使えること。職場で渡されたデータを正確に処理し、見やすい表やグラフに変換する能力が求められます。
- ファイル管理: 必要な書類をすぐに取り出せるよう、フォルダ構造を整理し、「誰でもわかる名前」をつけて保存する能力。
柱②:コミュニケーションと共有のスキル
これは、チームで「効率よく」働くためのスキルです。
- ビジネスメール: 適切な件名、宛名、内容で、迅速かつ正確に情報を伝えることができるか。
- クラウドツール: Google DriveやTeamsなど、インターネット上でファイルを共同編集・共有できること。これにより、在宅勤務や部署間の連携がスムーズになります。
柱③:セキュリティと安全のスキル
これは、自分自身と会社を「安全に」守るためのスキルです。
- パスワード管理: 複雑なパスワードを設定し、他人に教えないこと。
- 情報漏洩の防止: 会社の機密情報(顧客データなど)を、許可なく外部に持ち出したり、私用の機器に保存したりしない知識。
3. 働く場所以外でも得られる「IT基礎力」のメリット
IT基礎スキルは、仕事のためだけにあるのではありません。日常生活の質(QOL)を向上させ、不安を減らすための強力なツールでもあります。
① 日常生活の「見通しの明瞭化」
- 家計管理と計画: Excelやスプレッドシートを使い、家計簿や通院・投薬記録、スケジュールなどを構造的に整理できます。これにより、生活の見通しが立ちやすくなり、不安の軽減につながります。
- 行政手続き: マイナンバー関連や役所への申請などをオンラインでおこなう際、スムーズかつ安全に対応できるため、窓口での混乱を避けられます。
② 自己成長と学習機会の拡大
- オンライン学習: YouTubeやe-ラーニングサービスを使い、趣味や資格取得の勉強を自分のペースで、集中しやすい場所で進められます。
- 情報収集の精度: インターネット検索やSNS利用において、信頼できる情報源を見分ける能力が身につき、誤情報や詐欺的な情報に惑わされるリスクを減らせます。
③ 安全性とリスク管理
- 詐欺・トラブル回避: フィッシング詐欺や不審なメールの手口を事前に理解する(セキュリティリテラシー)ことで、自分自身と個人情報を守るための知識が身につきます。
4. ITスキルを身につけることが「強み」になる理由
ITスキルは、特に障害者雇用において、あなたの特性を打ち消すのではなく、強みに変えるための道具になります。
① 特性が「能力」として活きる
特性として集中力や正確性、定型作業の得意さを持つ方は、ITスキル(特にデータ入力やRPAの操作)を身につけることで、企業から見れば**「安定して質の高い成果を出せる人材」**となります。
② 成果が客観的に示される
ITツールを使った仕事は、結果がデータやファイルとして明確です。上司はあなたの成果を**「客観的な事実」**で評価できるため、評価が感情や印象に左右されにくくなり、安定した就労につながります。
「ITスキル」は決して特別なものではありません。それは、あなたが社会で安定して働き、豊かに生きるための、最も信頼できる「自分の道具」なのです。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリアITエキスパート立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリアITエキスパート立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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