2023年07月27日

就職で、あなたの価値を飛躍的に高める方法

「企業が求める人材像」は、変動する。

こんにちは、橋本です。

福祉事業のちょっとマニアックな話なんですけれども、今年の半ばから、福祉事業所に必ず配置する必要のある「サービス管理責任者」という肩書の取得要件が緩和されたんですよね。

サービス管理責任者＝通称「サビ管」という立場になるためには、結構長い道のりを経る必要があります。

サビ管になるための要件については、ネットで検索すればたくさん出てくるので、この記事でサビ管要件については詳しくは書きません。「あ～、サビ管になるには長い道のりを通る必要があるんだな」ってことが分かってくれれば、ひとまずはＯＫです。

コロナの前までは、「みなしサービス管理責任者」といって自治体によっても条件は異なるようですが、実務経験＝平たく言うと福祉のお仕事で何年働いた経験があるか、を満たしていれば、年に年度か開催されるサビ管の「基礎研修」を受講すれば、２年後の「実践研修」を受けるまでの間に、「みなしサビ管」として配置することができていたんです。

しかし、コロナが始まった頃に、この「みなしサビ管」という救済措置が撤廃されて、サビ管は実務経験＋サビ管基礎研修＋実践研修を受けた者でない限り、「サビ管」として配置することができなくなりました。

するとどうなったかというと、全国的に「サービス管理責任者」の成り手が不足し、サビ管の求人で提示される給与の額が高騰し始めました。

聞くところによると、１か月のお給料を３５万円で提示しても、募集が来なかった事業所もあったそうです。業界や地域にもよると思いますが、福祉業界で１か月のお給料が３５万円は、かなり破格と言って良いと思います。

弊社はこれまで人の紹介かインディードなどの無料の求人媒体でのみ採用ができており、採用で困ったことは全くなかったのですが、他のお仕事は相変わらず定期的に募集の連絡が来るのに、サビ管の応募だけは、ピタリと止まってしまいました。

弊社には、サビ管の有資格者が何人かいたので事なきを得ましたが、サビ管が一定期間不在になると、「減算」といって報酬が大幅にダウンしてしまい、新規の利用者と利用契約することもできなくなるため、平たくいうと事業所運営状況が一気に悪化してしまいます。実際にそれで事業所閉所に追いやられたところもたくさんあったようです。

この事態に厚生労働省が動き出し、サービス管理責任者の配置条件が緩和されたのが２３年の半ば、というわけです。

緩和がされて１か月近く経ちましたが、求人の市場が落ち着いたのか、今はぽつらぽつらとサビ管の有資格者からの応募が再び来るようになってきました。

就職市場で引っ張りだこになる、レアな人材を目指せ！

資格には、「業務独占資格・名称独占資格・必置資格」があります。

業務独占資格とは、資格を取得している人だけが業務をおこなえる資格です。資格を有していない人が業務をおこなってしまうと、法律違反になります。社労士や税理士などがこの資格に当たります。

名称独占資格とは、資格を取得した人だけが特定の肩書きを名乗ることでき、資格取得者以外はその名称を名乗ることのできない資格を指します。ただし独占資格業務のように、資格を取得している人だけが業務をおこなえるといったものではありません。保育士や社会福祉士、介護福祉士などがこの資格に当たります。

必置資格は、事業をおこなう際に必ず規定人数以上の有資格者を置くことが法律により決められています。宅地建物取引士、通関士、ケアマネージャーなどがこれに当たります。

「サービス管理責任者」は厳密にいうと必置資格には当たらない（はず）ですが、この有資格者が事業所にいないと、事実上運営がなりたたないため、性質的にはほぼ必置資格に当たろうかと考えております。

「キャリアアップ」を考えたときに、多くの人が思いつくのが「資格の取得」になろうかと思います。

しかし、目的を見誤り闇雲に資格取得を目指しても、ハッキリ言って「コスパが悪くなる」＝勉強に必要な労力や時間、費用に対して得られる対価が見合わない、ということになりかねません。

株や外貨などの金融商品もそうですが、モノには需給バランスによって「相場」というものがあります。それと同様に求人にも「相場」があり、あなたの能力や持ち合わせている資格やスキルによって、得られる待遇が変わってくる可能性が高いです。

それは、需給バランスによって成り立っています。資格の難易度ではありません。今日び、最難関クラスの資格である弁護士や歯科医なども、資格を有しているだけでは確実に良い職に就けるわけではなくなっていると耳にします。

なぜか。それは需要に対して有資格者が多くなりすぎているからに他なりません。余談ですが、全国の歯医者さんの数って、コンビニよりも多いんですよ。がんばって勉強して歯医者さんになれたとしても、街の至る所に歯医者さんがあったら、ただ「歯科医師である」というだけでは、確実にご飯が食べられる保証はない、というわけですね。

では求人市場であなたの相場を高めるためには、どんなスキルを身に付けることが近道か。もう答えは分かりますよね。

サービス管理責任者の例がそうですが、相場を高めるためには、世の中に供給が不足している、つまり「レア」な資格やスキルを身に付けることが近道になるわけです。

その有資格者がいないと事業運営が成り立たないのに、絶対数が足りていないような資格を持っていたら、企業から引っ張りだこになるのは目に見えてますよね。

もちろん相場の話ですので、国が規制を緩和したりルールを変更することで、そのような状態は解消されてしまう可能性もあるので、絶対の方法、というわけではありません。

ですが、皆様が就職市場で価値を高めたいのであれば、このような考え方はあった方がいいのではないか、と僕は思うので記事に起こしてみました。

皆様が、納得のいく待遇で企業様とご縁があることをお祈りしています。

ではまた次回！

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