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発達障害と就労|得意を活かす職場選びのヒント

「働きたいけれど自分に向いた職場が分からない」「苦手ばかり目について就職が不安」――発達障害のある方からよく聞かれる悩みです。就労移行支援や職業支援制度もありますが、まず大切なのは“自分の得意”をどう活かすかという視点です。今回は、発達障害と就労において特に重要な「得意を伸ばし、職場選びにつなげる」方法に焦点をあてて解説します。
就労移行支援とは?
就労移行支援は、障害のある方が一般就労を目指すために、ビジネススキルや実務訓練を受け、就職活動のサポートを受けられる福祉サービスです。18歳〜65歳未満の方が対象で、職場定着までサポートを受けられるのが特徴です。
ですが実際の職場選びにおいては、「自分の得意なことをどう仕事につなげるか」が最大のポイントになります。
得意を活かす働き方の第一歩
発達障害のある方は、「集中力が高い」「視覚的な認識が得意」「アイデアが豊富」「正確な反復作業ができる」など、ひとりひとりに強みがあります。苦手に目を向けるより、得意をどう活かすかを考えることが、長く安定して働く鍵です。
得意を見つけるヒント
- 「時間を忘れて取り組めることは何か?」
- 「周囲から褒められることは何か?」
- 「自分にとって自然にできることはどんな作業か?」
こうした自己分析を通して、得意な力を言語化し、仕事選びの軸にします。
得意を活かせる職場選びの方法

1. 集中力が高いタイプ
同じ作業を黙々とこなすのが得意な方は、
- データ入力
- 製造ラインでの検品
- プログラミングやコーディング
など、安定した環境で繰り返し作業をこなす職種に向いています。
2. 視覚的な認識が得意なタイプ
細部に気づけたり、視覚的な強みがある方は、
- デザイン
- 写真や動画編集
- 商品の品質確認やパッケージ検査
といった仕事で力を発揮できます。
3. コミュニケーションが得意なタイプ
人とのやりとりが得意な方は、
- 接客や販売
- コールセンター業務
- チームでの協働プロジェクト
など、交流が活かせる業務が向いています。

4. 独自のアイデアや発想を持つタイプ
柔軟な発想や独特の切り口を持つ方は、
- マーケティングや企画
- クリエイティブ業界(ライティング、イラスト、広告)
- 新規事業のリサーチ
といった分野で得意を表現できます。
苦手な環境を避けることも重要

発達障害の特性は適さない環境で顕著に現れやすく、働きづらさにつながります。だからこそ、自分の苦手な環境を把握し、できるだけ避けることも就労成功の大切なポイントです。
自分の苦手な環境を知る
- 騒音の多い場所やざわざわした空間が苦手
- 変化の多い忙しい職場が合わない
- 人間関係が複雑で対人ストレスが強い環境が苦手
- 細かい指示がなく自由すぎる逆に困る
具体例
- 騒音に敏感な方は工場の製造ラインの中でも防音設備のしっかりした部署や、住所業務中心の静かなデスクワークを選ぶ。
- 忙しい接客業がストレスなら、バックヤードや商品の検品など裏方の仕事を検討。
- 人の入れ替わりが激しい環境は避け、落ち着いたチームで長く働ける職場を選ぶ。
- 指示が明確な職場を好む人は、マニュアルの整った会社やチーム単位の業務がおすすめ。
苦手な環境を先に把握しておくと、職場見学や面接時に確認もしやすくなり、ミスマッチを減らせます。特に発達障害の特性が強く出る環境を回避することで、得意を活かしながら長く働きやすくなります。
得意を働き方に結びつけるコツ
- 得意を職務経歴書にまとめる:「数字を扱う作業が得意」「細部に注意を払って作業ができる」など具体的に書く。
- 職場見学や実習で確認する:求人票だけでなく、実際に体験して「この環境なら続けやすい」と実感する。
- 苦手をカバーする工夫を持つ:得意を伸ばすだけでなく、苦手分野はツールやサポートを活用してバランスを取る。
まとめ
- 発達障害と就労を考えるとき、大切なのは「苦手」ではなく「得意」に焦点を当てること。
- 得意を活かすと同時に、自分の苦手な環境を知り避ける工夫も必要。
- 就労移行支援などのサポートも活用しながら、自分の得意を武器に、自分らしい職場を見つけることができます。
自分の得意を言語化し、苦手な環境も理解した上で長く働ける職場を選ぶことが、就労の成功につながります。


