ポートフォリオはできました・・で、どうする?
(これは、前回ブログの続編です)
・・・というか・・・そもそも、どんなポートフォリオができました?
こんにちは。ディーキャリアITエキスパート名古屋丸の内オフィスの志村です。
「作品・実績集」ですよね。それを見せて就職する。
う〜ん、見てくれるかなぁ。
え?・・・ですよね。(^_^;)
いや、見てくれるかなぁ?
ポートフォリオ作ったあなた、どこのどんな求人に応募しますか? どんな仕事をしようと思っていますか?
ディーキャリアの利用者はどんな求人に興味があって、どんな会社に入っていくのか・・・と考えると、対象は幅広く、ありとあらゆる業界、業種、職種があります。
社会は(日本社会は)、非常に多様な人たちで構成されている。
だからディーキャリアでライフスキル訓練を受けて、さまざまな職業に就いていく訳です。
ただね、”ディーキャリアITエキスパート”では、少々、方向性をITスキルを活用する方向に絞っています。
もちろん、ITエキスパートで訓練を受けて、ITとは直接関係のない仕事に就いても良いのです。
全然、問題ない。
でもね、ITエキスパートはITスキルに着目した訓練を、ライフスキルコース(ライフ訓練の段階)から取り入れています。
そう考えると、ITに関わることを考えて、そういう方向で就活したい人たちが多く集まってくるのです。
わたしはワークスキルの職業指導員として、ITスキルを伸ばすことを支援する。
その方向の先の方に「ポートフォリオ」がある。
だからね、ディーキャリアITエキスパートでポートフォリオの話になると、ITスキルを意識した作品・実績集になりますね。
回りくどい?(^_^;)
でもね、ちゃんと話さないといけないところなんです。
では、とりあえずの結論を言いましょう。あくまで一つの結論で、これが唯一絶対ではありませんが、わたしが皆さんに言える、ある事実です。
IT企業に就活していて、ポートフォリオを見てくれる採用担当者は一部を除いて、ほとんどいません。
おいおい・・・ですよね。言っちゃったよねぇ・・・ですよね。(^_^;)
ちょっと、想像しながら聞いてください。
あなたがプロ写真家を目指す若手フォトグラファーだとします。
まだ無名です。
いずれは自分の作品を買ってもらってお金を稼ぐのが理想です。
でも、写真集なんて簡単に出せないし、きっと売れない。
じゃ、まずはどこかの広告・印刷企業とか、報道・放送企業、新聞社とか・・・カメラマンが必要だっていうところ(会社)に雇ってもらおうと思う。安定した収入をまずは確保せねばならない・・・って思うわけです。
そういうことで、自分を売り込みに行きます。
「わたしをカメラマンとして雇ってください」
幸運にも企業の担当者が少し興味をもってくれて、面接になった。
「じゃ、まずあなたの作品見せて・・・」
って、きっと言いますよね。
あなたが目指す職業がマンガ家だとします。大人気マンガ家になれば、一躍有名人です。日本は漫画社会(?)だからねぇ。
ということで、出版社に行って、
「わたし漫画家になりたいのです」と言う。
「じゃ、まずあなたの描いたモノ見せて・・・」
ですよね。
あなたが目指す職業はファッションデザイナーだ。綺羅びやかなファッションショーでモデルさん達が着るような華やかなドレスとか・・・作りたい。それで、服飾系のメーカーとか、デザイン事務所とか、そういう所に行って、
「わたしデザイナーになりたいのです」と言う。
「じゃ、まずあなたのデザイン作品見せて・・・」
はい、IT業界でこんなやり取りがありそうなのは・・・、
あなたが目指す職業はWebデザイナー。みんなが見て「おお、カッコいいねぇ」って言ってくれる(?)ようなサイトを作りたい。(^o^)
ということで、Webサイト制作企業に行って、
「わたしWebデザイナーになりたいのです」と言った。
「じゃ、どんなの作ったの?何かある?、それ見せて・・・」
かなぁ・・・。
どの場合も、担当者がね、ちょっと見て・・・
「お、イイねぇ」とか
「う〜ん、ちょっとイマイチかな・・・」
とか、割と短時間で判断できる。できあがった「見た目」の部分で優劣のほとんどが決まる。
「これ、どうやって作ったの?どういうやり方してる?」
「どんな道具使えるの?」
「どのくらい時間かかったのかな?」
が、その後で出てくる質問かな。
これらはみんな短時間で判断できる、感性が絡むような作品・仕事・・・ですよね。
つまり、クリエイターなのです。ポートフォリオを使うのは。
日本のほとんどのIT企業はシステム開発を事業としています。それでシステム開発ができる技術者が必要です。
それで技術者になりたいという人には興味があります。(多分ですが・笑)
あなたは、システム開発とかそれに関連する仕事をこれからやっていきたい。
それで何らかの求人に応募して、採用選考に臨みます。
新卒ではない。中途採用です。
前に書いた通り、中途採用では企業は経験者を望んでいます。でも、未経験でも採ってくれる可能性があると思う企業・求人に応募した。
(未経験でも良いという企業を探し出さないといけません。それで・・・きっとそういうところ・・・あります。なぜか・・・日本のIT業界は人手不足なのです。だから、可能性ある人を未経験者からでも見出そうとしています。)
ただし、経験者でないので、何らかの試験があります。多分ですが。
もし経験者であれば、試験を省いてすぐに面接になるかもしれません。
試験は職務適性検査(SPIのようなもの)とか、技術者向け試験(基本情報技術者試験クラスの内容?)とかをすることになるでしょう。
それから面接があります。
応募書類(履歴書、職務経歴書、またはそれに類するもの)は前もって提出してあるはずですね。
そうすると面接で、履歴書と職務経歴書をじっくり見られて・・・特に最初は履歴書ですね・・・いろいろな質問が出てきます。
はい、最初から「ポートフォリオ見せてね・・・」とは言われません。
人物評価から入ります。
この人、どんな人だろう。今まで何をしてきたのか。何を勉強してきたのか。
転職(中途採用だから基本はそういうことになります)する理由は何?
前の仕事はどうして辞めたのか?
どうしてウチの会社に応募する気になったの?(志望動機ですね)
就労移行で訓練してたと相手が分かっていたら、あなたの特性の事を聞かれます。
どんな事に配慮したらいいの?…です。
「なるほど、う~ん、未経験なのですね」
という話になった。すかさず、
「未経験ですが、自分なりに勉強してきました」
ということを言います。
言わなくてはいけません。それからです・・・
「どんな勉強したのですか?」
から、じっくり「お話」が始まります。ポートフォリオの出番はまだです。
・・・
ここまで書いてきましたが、最初の面接でいきなり技術の話にならないことも、ままあります。
大体、最初は「人事・採用」担当者だったりする。
そこを通過して初めて、次の面接で技術に関わる担当者(現場のマネージャー、リーダークラス)が出てきたりします。
1次面接の人事担当者には「そこそこ技術力がある」ということを見せておきます。
そこも上手に面接に対応しないといけません。
2次面接で現場の管理者クラス(もしかすると役員クラス)が出てきた時が勝負です。
「そこそこ技術力がある」未経験者が・・・どれだけのモノか・・・
2次面接で技術のことが分かっている担当者があなたに質問してきます。
ここでも、いきなり「ポートフォリオを見せて」とはなりません。
じっくり質問攻めに遭います。
人物も見極めながら・・・(ここ大事です)・・・どの程度の技術(知識や経験)をもっているのか・・・そういう類の質問が飛んできます。
下手な回答をすると見透かされます。
回答の中身がちょっとイマイチだったとしても、「人物的に良し」・・・となれば、もしかしたら相手も「採用してから育てればよい」と思ってくれるかもしれません。
もしそうなら、大変ラッキーです。
とにかく、そういうやり取りの中で、実はあなたが「結構な技術力を持っている」らしいと、相手が感じる・・・(ここも大事です)・・・話のやり取りの中で「かなりできる奴」と思われた時に初めて、あなたが言います。
「実はこんなもの作ってみました」
ポートフォリオを提示します。
この場合、ポートフォリオはソフトウェア(システムとかプログラムとか、またはWebサイト?)ですから、どうやって提示するか・・・考えておかなくてはいけません。
その場で見せるには、PC?それともスマホ?で見せますか?
後で見といてください・・・と言って、ホントに見てもらえるのは、相手があなたに相当な興味をもった時だけです。
1次面接の段階で「相当な興味を感じる」何かを相手(採用に関わる人たち)に与えておいて・・・職務経歴書のどこかに、ポートフォリオの在り場所(URLとか)を書いておくと、2次面接の前に観てくれる奇特な採用担当者もいる・・・かもしれません。
でも、ほとんどは観てくれません。
覚悟しておいてください。
観てくれるのは・・・これはわたしの勘ですが・・・あなたを採用することを、ほぼ決めた段階です(苦笑)
大体ね、プログラムとか、何かのシステムとか・・・パッと見だけで分からない。
使ってみないといけない。もしかして、どういうコードを書いてるかなんか・・・随分、時間をかけて見ることになります。
クリエイターのアート作品のようなものではないのです。
ちょっと観て、触ってみたくらいで何か感じられるようなモノなら・・・まあ良いかな。
もしくは、見栄えが素晴らしいとか(笑)
でもね、観る方がホントの技術者であればあるほど、ちょっと見ただけで判断したりしません。
・・・って、分かります?
ソフトウェアとかシステムとかは一目見て判断できるようなものではないのです。
なんか思い切り「ポートフォリオ」が意味をなさないようなことを言っちゃってますね。
真面目な話、ポートフォリオのできばえで採用の可否が決まるということは、特別な状況でない限り、日本のIT企業の採用ではありません。
それ以前に可否が決まります。
採用と決まった後です。もしくは、採用しようかなと思って・・・少し迷っている時かもしれません。
ポートフォリオがモノを言います。もちろん、上手に観てもらえるように誘導しないといけない。
キッカケが大事です。
採用してもよいかも、と思う「あなた」の実力が、結局のところ、どのレベルにあるのか・・・。
これから上司や先輩になる人たちが、真剣に考え始めます。
あなたが作ったというものをじっくり見始めます。ダメ出しもあるでしょう。
もしかすると、ニヤッと笑って「君、できるね」と言ってもらえるかもしれません。
実力を知らしめる材料になります。
それで言われます。
「ホントのところ、どこまで自分で作ったの?もしかして何処かから借りてきた部分ある?」
借りて来ても大丈夫です。
借りられるものを見つけることができるのもスキルです。
「いや、全部自分で一から作りました」
または、
「この部分はこんなふうに作りました。この部分は参考書にあったものを持ってきています。こっちは・・・」
みたいに説明できたら、
相手がちゃんとした技術者だったら、「それで大丈夫」と言ってくれます。
あなたの実力をきちんと伝えられる内容になっていることが重要ポイントです。
ポートフォリオから知りたいのは、ホントの実力です。
パッと見のできばえは関係ありません。
もう「採用する」と決めたのです。それで本当の実力を知っておきたいから、ポートフォリオ(作品)を見た。
そういう目的ですから、時間を掛けても観てくれるかもしれません。まあ、適当に見流す上司もいるでしょう(苦笑)。
ポートフォリオはあなたの「本当の実力」が分かるものを作りましょう。
実力以上のレベルのものを何かの方法で用意して「内定をゲット」するために使うのではないと思ってください。
わたしがディーキャリアITエキスパート名古屋丸の内オフィスの利用者に話している「ポートフォリオ制作の目的」は、実はまだ他にもあります。(^_^)
さて、そこは、ディーキャリアITエキスパート名古屋丸の内オフィスに来られたら・・・お話しますね。(^_^)V
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