システムエンジニアなんですけど・・・
システムエンジニアと言っても・・・・アプリケーションエンジニアでしょ・・・
と、言われたことがあります。いや、その通りです(^o^;)
その言葉の前に「所詮・・・」という言葉がつくのだろうなぁ。
こんにちは。ディーキャリアITエキスパート名古屋丸の内オフィスの志村です。
システムエンジニアなんですが、アプリケーションエンジニアなんです。わたしのやってきたのは・・・。
まあ、最初はプログラマだった。
キャリアを積みます。
IT業界でステップアップするという時にね・・よくあるコースが
プログラマ → システムエンジニア
です。
それでその先に、プロジェクトマネージャーがあると思っていいです。
技術職での一般的なキャリアパスです。プロジェクトマネージャーでなくて、システムコンサルタントというのになるっていう人もいるかもしれない。
営業(システム営業)になる人もいるでしょう。
ステップアップせずに、プログラマやシステムエンジニアに留まることもあります。
それでね・・・システムエンジニアと一言でいいますが、実はいろいろです。
プログラマも・・・どんなプログラマ?っていうこともありますが、それ以上に「システムエンジニア」は多様です。
昔、大型計算機の仕事をしていた時に、システムエンジニアと言えば、メーカー(コンピュータメーカー)の技術者で大型計算機上の基本ソフトを扱う人達のことでした。
わたしたち(プログラマやユーザー)がプログラムを書く環境を整備したり、そもそも大型計算機上で何かのシステムが動くところを、日々面倒みる専門家たちのことです。
彼らは業務システムを設計したり、業務プログラムを書いたりはしません。
基本ソフトが正しく動くようにするのが仕事です。大型計算機の運用のために日々常駐していました。
ワークステーション(OSはUNIXです)を使っている時に、そういう人は現場にはいませんでした。ワークステーションは、納入された後は、運用でも何でもユーザー側の人間がやることになります。
ワークステーションでOSがちゃんと動くのは当たり前(ホントか?)で、そこから先は私達、現場のプログラマやアプリケーションエンジニアの役割です。
パソコン上で動くシステムやプログラムだと、当然、面倒みるのはアプリケーションエンジニアとアプリケーションプログラマでした。
余程のことがない限り、現場にメーカーやベンダーの専門のエンジニアは来ません。
システムエンジニアと言っても、個別のコンピュータやソフト(システムソフト)の本当の専門家は、メーカーやベンダーのエンジニアで、現場で業務システムを作り、運用するのがアプリケーションエンジニアです。
それでね・・・昔は本当の専門家が「システムエンジニア」でした。
だから、冒頭の言葉が出てきます。
「ああ、アプリケーションエンジニアだよね・・・」
まあ、そうですが。何か(笑)
なんか小バカにされてた感じもありますが、アプリケーションを作るシステムエンジニアの苦労を知らないからです。
時代とともに、情報システムはとんでもなく複雑になりました。
やっていることはデータベースを中心に、情報の出し入れ・・・が主な処理です。
それを「つまらない」仕事だと、昔のちょっと力のある技術者たちは言うことがありました。
「やったことないだろ・・・」
それがわたしの正直な気持ちです。
やったらね・・・これはそう簡単にできないって分かります。
特別な(処理の)プログラムを書くことはないかも・・・しれない。 でも、業務上、きちんと整合の取れた結果を担保するって、実はとんでもなく大変なことだったりします。
巨大な情報システムではね、それが難しいから、不具合が出るのですよ。
「処理」はちゃんとできていても・・・業務のことが分かっていないと、根本的な誤りをシステムに持ち込んでしまったりします。
前職で新卒入社してきた新人と、いろいろ話をした時にね・・・業務システムの設計に関する小ネタを紹介したことがあります。
こんな感じです。
販売管理システムを作るとするじゃないですか・・・
販売管理システムというのは、営業が使います。商品を顧客に売る・・・どんな商品を、どの顧客に、いつ幾ら売ったかを管理します。
それで売れたら、請求をする。請求書の発行です。
そもそも売る前に見積書を出します。何を幾らで売るのかということね。
そういうことを管理する。
それでね・・・お客さんが見積りOKを出して、注文してきた。
納品します。
さて・・・納品の手続きをしたら・・・商品が無い。商品が倉庫に無いということが発覚する。
困るよねぇ。売れたんだけれど、売るものがなかったら・・・そりゃイカンでしょ。
だからね、販売管理システムは、在庫管理システムと連携していないとイカンのですよ・・・分かる?
売るものが無ければ、注文が取れても売れない。
まず在庫を確認して、無ければ(もしくは数が不足していたら)仕入れないといけない。
(メーカーだと「仕入れ」が「製造」ということもあります)
まあ、売れたら売れたで、その結果として仕訳データを経理システムに送ります。
売掛の回収も原則は営業の責任だから、入金があるまでちゃんと確認しないといけない。
入金がいつになるかも経理とのやり取りがあります。そのデータを送っておく。
経理の担当者が入金を確認すると、経理システムで請求との消込をする。
業務システムが互いに連携しているのが分かるかな?
・・・という話をした。業務システムの世界とはそういうものです。
一つの情報システムが他のシステムと連携(連動)して初めて業務として成り立ったりする。
そういうことを分からずに業務システムを設計することはできない。
分かる?・・・ってね。
コンピュータやソフトウェアの事だけ知っていてもダメなのだよ・・・です。
理系でずっとやってきた技術者は、そういうことを見逃したりします。文系出身技術者が強みを発揮する場面かもしれません。
さて・・・でもね、そこで話は終わらない。
じゃあね・・・銀行でね、お金を(取引先に)貸す場合を考えよう。
お金を貸す時には、貸して良い相手がどうかを審査します。
査定といいます。
お金を貸すことを融資すると言いますから、これは査定システムだったり融資支援システムだったりします。
それで融資しても良い相手だと・・・分かった。
取引先は1億円貸してくれと言ってる。
まずどうしますか?・・・・と新人に聞いたのです。
真面目で頭の切れる新人がね・・・「はい、まず1億円があるかを確認します・・・」と言う。
いやぁ、君、大したものだ。
頭の回転がスムーズだ。お金を貸すのは銀行の仕事だが、貸すお金がなくちゃ・・・貸せないよね・・・と分かったのだね。
うん、実はそれは間違いなのです。
「銀行」がお金を貸す場合には、銀行にお金があるかどうか(残っているかどうか)は、関係ありません。
え?
でしょ(笑)
だって、商品を売る時には在庫を確認せずに売っちゃいけない。無いものは売れないって言ったじゃない。
それじゃ、無い金は貸せないよね・・・。
そう、「銀行」でなければその通り。無い金は貸せない。
でもね、銀行は違うの。無い金が貸せます。
貸す時にお金が「発生」するのだから。
え、えぇ?・・・でしょ。
一般人は驚くよね。でも、銀行業の人からすれば普通のことです。マネークリエイションと言います。
日本語では「信用創造」と言うのでちょっと訳が分かりませんが、「貨幣創造」なら少しは分かる。
銀行はね、貸す時にお金を作り出して貸してます。手元にいくらあるとか関係ありません。厳密に言うと、日銀当座預金に一定の準備金とやらが無いといけませんが、僅かなものだし、それ自体、日銀が銀行に貸してくれます。
つまりね・・・銀行は相当な額のお金を「貸す」時に作り出すことができる。
スゴイねぇ。
実際、日本銀行が発行した通貨をマネタリーベースと言いますが、それとは別に銀行預金の形で、はるかに多額の「日本円」が世の中には存在します。
あ、ついでに言えば、察しの良い皆さんはもう分かりましたでしょうか? 銀行はわたしたちが預金したお金を貸している訳ではありません。 お金を作り出して貸してます。
そういうこともね・・・知らないとね、銀行のシステムを作れないのだよ・・・と話しました。
ほら、コンピュータやソフトウェアとは、別物の知識や情報が必要でしょ。
アプリケーションエンジニア、ナメんなよ・・・
と思っています。
ディーキャリアITエキスパートで勉強したら、多分ですが、システムエンジニアになる人もいると思いますが、その多くはアプリケーションエンジニアです。
この記事では業務アプリケーションの話をしましたが、組み込み・制御系システムの場合だってそうです。
そっちはそっちで、知ってないといけないIT以外のこと・・・あるの分かりますよね。
さて、ディーキャリアITエキスパート名古屋丸の内オフィスで、IT業界で仕事をしていこうという人達に業界の仕事の小ネタを紹介しています。
ご興味のある方はどうぞよろしく(^_-)-☆
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