2025年08月01日

「朝が苦手」なあなたへ ─ スムーズに出勤するための3つの工夫｜大人の発達障害

こんにちは！ディーキャリアITエキスパート海老名オフィスです！
発達障がいの特性をお持ちの方の中には、
「朝起きるのが本当に苦手」「支度がうまくいかない」「遅刻しそうで毎朝焦っている」
といった“朝の困りごと”を抱えている方が少なくありません。
今回は、ASDやADHDの特性をお持ちの方がスムーズに出勤するための3つの工夫をご紹介します。
無理せず、でも着実に「できた！」を積み重ねていけるようなヒントをお届けします。

発達障がいの特性をお持ちの方が感じやすい「朝の困りごとあるある」

朝が苦手な方の中には、以下のような“あるある”を感じている方が多くいらっしゃいます。

• アラームが鳴っても布団から出られない
• 起きてから出発までがバタバタでいつもギリギリ
• 何をすればいいのか順番がわからなくなる
• 準備中に気が散ってしまって時間が足りない
• 朝からたくさんのことを考えるとパニックになる

こうした悩みは、「怠けている」「やる気がない」からではなく、脳の特性によるものであることが多いのです。

朝が苦手な理由には、どんな特性が関係している？！

発達障がいの特性をお持ちの方が「朝の準備」に苦手さを感じやすいのには、いくつかの理由があります。

◇ASDの特性

• 切り替えが苦手：眠っている状態から活動モードへの移行に時間がかかる
• 予定の見通しが立ちにくい：準備にどれくらい時間がかかるか感覚がつかみにくい
• 手順の理解が曖昧：順序立てて行動するのが難しく感じることも

◇ADHDの特性

• 注意がそれやすい：支度の途中で他のことに気を取られてしまう
• 時間の管理が苦手：「まだ大丈夫」と思っていたら、気づいたら出発時間ギリギリ
• 衝動的に動いてしまう：思いつきで動いて、結果忘れ物をしてしまう

こうした特性があるからこそ、「朝がうまくいかない」のは自然なこと。
そこで、少しずつ生活リズムを整えていくための3つの工夫をご紹介します。

スムーズに出勤するための3つの工夫

1．朝ではなく「前日夜」に準備を前倒し

朝のバタバタを減らすには、前日の夜に準備をしておくことが効果的です。

たとえば：
• 服を選んでハンガーにかけておく
• カバンの中身をチェックし、必要なものを入れておく
• 朝ごはんの内容を決めておく（パン＋ヨーグルトなど）
• スマホやPCを充電しておく

ADHDの特性をお持ちの方は、「見える化」も意識して、チェックリストやアプリ（Microsoft To Doなど）を使うのもおすすめです。

2．起きるための「スイッチ」を作る

アラームを止めても二度寝してしまう…。そんなときは“目が覚めるためのスイッチ行動”を取り入れてみましょう。

おすすめスイッチ：
• 起きたらすぐにカーテンを開ける（太陽光で体内時計がリセット）
• 白湯を1杯飲む（胃腸が動き出して目が覚める）
• 好きな音楽を流す（テンションUP）
• スマートライトで部屋を自動的に明るくする

ASDの特性をお持ちの方は、「決まった順番で動くこと」が安心につながることもあります。
毎日同じスイッチを習慣化するのがおすすめです。

3．「朝の流れ」をルーティン化・固定化する

毎朝、「何から始めたらいいかわからない」「途中でうっかり別のことをしてしまう」という経験はありませんか？
そんな方に効果的なのが、朝の支度の手順をルーティン化することです。

例：
• 6:30　起床
• 6:35　顔を洗って着替える
• 6:50　朝食
• 7:15　歯磨き・トイレ
• 7:30　出発

こうした「時間と行動をセットにしたスケジュール表」を作り、スマホのリマインダーやタイマーと連動させるとより効果的です。
また、「一つずつ手順が表示される」構造のアプリ、たとえばConductor（コンダクター）などを使うのも良いでしょう。「一つずつ順番に表示」「進めたら次に進む」など、混乱しやすい朝の支度をサポートしてくれます。

まとめ｜「できない」ではなく「工夫でカバーする」

“朝が苦手”という感覚は、多くの方が共通して感じている悩みです。
でも、それは「本人の意志が弱い」からではなく、特性に合わない方法で無理をしているだけかもしれません。
今回ご紹介した工夫は、どれも「少し先の準備」「朝のスイッチ」「決まった手順」の3つに絞ったシンプルな対策です。
一つずつ取り入れて、自分に合ったやり方を見つけていきましょう。