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「伝え方」の難しさ

こんにちは!ディーキャリア岐阜駅前オフィスのワークスキルコース訓練生です。

年も明け、少しずつ日常のリズムが戻ってきた頃かと思います。
仕事や学校、家庭でのやり取りも通常運転に戻り、人と関わる場面も増えてくると思います。
そんな日常の中で、改めて意識させられるのが「伝える」という行為です。

相手に伝わる話し方

皆さんは、相手に自分の意見を上手く伝えられているでしょうか。

ディーキャリアに通所し、さまざまな方と会話を重ねる中で、
自分自身のコミュニケーションにおける問題点が、少しずつ見えてきました。
その中でも特に大きいと感じているのが、主語を抜いて話してしまうという点です。

私はASDという障害を持っており、この傾向は、ASDの特性としてよく挙げられるものでもあります。

ASDとは?

ASDとは「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)」の略で、
生まれ持った脳の特性の一つを指します。
病気というよりも、考え方や感じ方の傾向に近いものです。

ASDの特性は人によって幅があり、

・物事を論理的に捉えやすい
・興味のある分野に深く集中できる

といった強みとして表れることもあれば、

・相手の意図を読み取るのが難しい
・暗黙の了解が分かりにくい
・マルチタスクが苦手な傾向がある

といった形で、日常生活や対人関係に影響することもあります。

主語が抜けてしまう理由

では、なぜ主語を抜いて話してしまうのか。
自分なりに振り返ってみると、主に二つの理由があると感じています。

一つ目は、会話中のマルチタスクによる負荷の強さです。
話す内容を考え、言葉を選び、相手の表情や理解度を見る。
これらを同時に処理することが苦手なため、会話の最中にすべてを意識する余裕がなくなってしまいます。
その結果、主語を補う前に、頭に浮かんだ言葉だけをそのまま口にしてしまうことがあります。

二つ目は、自分が知っている情報は、相手も知っているだろうという思い込みの強さです。
一つ目の理由とも重なりますが、会話をしながら話す内容を考えること自体に大きな負荷がかかるため、前提を確認する余裕がなくなってしまいます。
その結果、思い込みが修正されないまま会話が進んでしまうのだと思います。

これらが、主語を抜いて話してしまう主な原因ではないかと感じています。

ディーキャリアでは、このような特性に対しても、さまざまな講義や訓練がおこなわれています。
その中の一つとして、5W1Hを意識するという方法があります。

5W1Hとは、
いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)
という、状況を説明するための6つの要素の頭文字を取ったものです。

問題の原因分析や企画立案などで活用され、情報を明確にし、抜け漏れを防ぐための手法として使われていたり、
日本社会における報告・連絡・相談(報連相)でも使われています。

主語を入れて話すのは大変

昨今、SNSが普及したことで、私たちは日常的に「省略された文章」に触れるようになりました。
誰が、何を、なぜしたのかを書かれていなくても、文脈や流れ、感情から意味を汲み取ることが求められる場面が増えています。

たとえば、
「やっと終わった」
「今日は本当にしんどい」
といった投稿でも、SNSでは自然に成立します。
なぜなら、投稿者の状況や背景を、見る側が補完する前提があるからです。

このような環境下では、5W1Hをすべて書くことは、むしろ「野暮」「めんどくさい」と感じられることさえあります。
その結果、私たちは知らず知らずのうちに、主語や前提を省略した表現に慣れていきます。

一方で、ASDの特性として見られる「主語を抜いて話してしまう」という現象も、
表面だけを見ると、同じような現象に見えるかもしれません。
しかし、その背景にある理由は大きく異なります。

ASDの場合、主語が抜けるのは、
「省略しても伝わると思っているから」だけではありません。
話す内容を考え、言葉を選び、相手の反応を見ながら会話を進める、この同時処理そのものに大きな負荷がかかっています。

そのため、会話の中で最優先されるのは、「今、頭の中にある内容を言葉にすること」です。
主語や前提を補う余裕がなくなり、結果として、情報の一部が抜け落ちてしまうのです。

つまり、
SNSで主語が省略されるのは環境による学習の結果であり、
ASDで主語が抜けるのは認知的な処理負荷の結果だと言えます。

ここで重要なのは、
現代の省略的なコミュニケーション環境が、ASDの特性を「より目立たせやすくしている」という点です。

SNSでは成立していた表現が、社会における対面や仕事の場面では通用しない。
そのギャップの中で、「伝わらない」「説明が足りない」と評価されてしまうことがあります。

だからこそ、
意識的に5W1Hや主語を補う「」を持つことは、ASDの人にとって弱点を克服するというよりも、
環境に適応するための道具として捉え、諦めず訓練していくことが大切なのだと、私はそう思います。

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