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アンガーマネジメントの手法は”不安”にも効く!?―感情を味方につける考え方―
こんにちは! ディーキャリア岐阜駅前オフィスのワークスキルコース訓練生Sです。
みなさん、7月29日のオフィスブログ『ディーキャリア岐阜駅前オフィスの講義~アンガーマネジメント編~』はご覧になりましたか?
こちらのブログでは、「怒りと上手に付き合う」ための手法について、お話させていただきました。
特に発達障害や精神疾患をお持ちの方は、感情の波が強く出やすい傾向があるため「怒りと上手に付き合う」ための手法は効果的です。では、感情の波として強く表れる代表格「不安」についてはどうしたらよいのでしょうか。
実はアンガーマネジメントの手法は「怒り」だけではなく「不安」にも効果が期待できるんです。
本記事では、怒りのコントロールと同様に「不安をゼロにする」のではなく「不安と上手に付き合う」ということをお伝えしたいと思います。

なぜ”不安”にアンガーマネジメントが応用できるのか
「怒り」と「不安」は、実はどちらも脳の中にある「扁桃体(へんとうたい)」などの脳の警戒システムが反応して生まれている「警報」なんです。
①”怒り”が生まれるプロセス
怒りは「現実が理想を裏切ったときに生まれる防衛的感情」だと整理できます。
例えば、「相手が約束を破った!」という出来事に直面したとします。その出来事に対して、「約束は守るべきなのに!」と、「~すべき」「~でなければならない」という理想と現実にギャップを感じます。こうして「許せない」という怒りの感情が生まれます。
つまり、
- ①何らかの出来事にあう(事実)
- ②「べき」という価値観と現実のズレを感じる(意味づけ)
- ③怒りが生まれる(感情)
というプロセスを踏んでいるのです。怒りは「現実が理想に反したとき」に出る警報です。
②”不安”が生まれるプロセス
不安は「未来の予測が理想とズレたときに生まれる警戒的感情」だと整理できます。
例えば、「明日の面接で失敗するかもしれない」とこれから起こるかもしれない出来事を想像します。その想像に対して、「うまく話せるべき」「失敗してはいけない」と、「~すべき」「~でなければ困る」という理想と予測にギャップを感じます。こうして「怖い」「落ち着かない」という不安が生まれるのです。
つまり、
- ①これから起こるかもしれない出来事を想像する(予測)
- ②その予測に「~であるべき」「~でなければならない」といった理想を重ねる(意味づけ)
- ③不安が生まれる(感情)
というプロセスを踏んでいるのです。不安は「予測が理想に反したとき」に出る警報です。
③”怒り”と”不安”の関係性
上記の通り、人の感情は「出来事」そのものではなく、「それをどう意味づけるか(認知)」によって生まれます。
私はこれを「怒りは“現実と理想のギャップ”で生まれ、不安は“予測と理想のギャップ”で生まれる」と言っています。
このように、「怒り」と「不安」の違いは時間軸だけだと言えます。
怒りは過去・現在の現実への抵抗、不安は未来への予測への抵抗です。
この構造が見えてくれば、アンガーマネジメントの手法が「不安」にも応用できるというのが分かってくるのではないでしょうか。
アンガーマネジメントの手法を”不安”に応用する
それでは、アンガーマネジメントの手法を「不安」にどう応用できるのか、という点で見ていきたいと思います。
①6秒まつ
「怒り」や「不安」といった感情について、多くの感情トレーニングで『短い一呼吸』の待機を進めています。
以下の通り呼吸を見直すことで、交感神経の過剰反応から副交感神経を刺激して自律神経を整え、「考えられる脳」へと導いていきましょう。
呼吸リセット法
例えば3秒吸って、6秒吐き、6秒静止。あるいは4秒吸って、7秒吐いて、8秒静止。
重要なのは、「呼吸をゆっくり、吐く時間を長めにする」と副交感神経に働きかけやすいと言われています。
②「~するべき」の範囲を広げる
「べき思考」をゆるめていくことで、完璧主義をほどいていきましょう。
「不安」は「自分は~できるべき」という「べき思考」から生まれます。理想が強すぎると苦しくなっていきます。「多少できなくでも大丈夫」「次があるさ」とゆるみを作っていきましょう。
③できるものだけをコントロールする
これにはコントロールフォーカスという考え方を使うことができます。
詳しくは2024年9月26日のオフィスブログ『ストレスを減らす! ~コントロールフォーカス~』もご覧ください。
「怒り」では「自分にできることに集中」するという内容でしたが「不安」では「今、自分ができる準備」に置き換えましょう。
「面接が不安」ということであれば「スタッフさんに頼んで面接練習を増やす」「質問リストを見直す」など、今、自分ができることがあるはずです。
④つらさを言葉にする
アンガーマネジメントのお話をした際には、「怒りの伝え方:アサーティブ・コミュニケーション」という形で、怒る必要があるときは上手に怒る手法としてお伝えしていました。
このように「正確に言語化する」ことは「怒り」や「不安」という「警報」を止める、感情を低減することが研究によって明らかになっています。
「怒り」において「正確に言語化する」ことの表出は「アサーティブ・コミュニケーション」でした。
「不安」においては、感情ログをつけると良いでしょう。不安になった瞬間の「きっかけ」「考えたこと」「身体反応」を簡単に記録します。これ自体が「不安」という「警報」を止める一助となりますが、さらに、感情ログを見返すことで「思考のクセ」にも気づきやすくなる、という一石二鳥の作戦です。
さあ、アンガーマネジメントをはじめよう
ここまでお話しした通り、怒りも不安も、理想とズレを感じた心のサインです。無理に抑え込むのではなく、「どんな意味付けがそこにあったか」を見直すことで、感情は落ち着きを取り戻すことができます。
アンガーマネジメントの手法を身に着けることができれば、もはや「不安」は敵ではありません。「準備のためのエネルギー」に早変わりさせることができるでしょう。
ディーキャリア岐阜駅前オフィスではおよそ月に一度「アンガーマネジメント」の講義があります。
講義にワークを組み合わせることで、より実践的で、より身につけることができるように工夫されていますよ。ぜひ体験にお越しください。
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