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ディーキャリアで学べること ~障害は仕方ない?~

こんにちは。ワークスキルコース訓練生です。
ディーキャリアでは、さまざまな障害を持った方々が通所・利用し、就労定着に向けて訓練をおこなっています。
私も、ディーキャリア岐阜駅前オフィスに1年以上通所し、訓練を積んできました。
そこで今回は、私が当オフィスに通う前の経験と、そこで体験し学んだことをまとめてみました。

障害が判明するまで

私は、ASD(自閉症スペクトラム障害)を持っています。
それが判明したのは、大学卒業後すぐの就職先で働いていた時でした。

業務が2つ3つと立て込み、同時に作業をしなければいけない状況で、時間内に終わらせることができず、他の方々より遅れをとってしまうことがありました。
それだけでなく、「これくらい」「あの場所」といった抽象的な指示が理解しきれず、困ってしまったことや、目の前の作業に没頭してしまい、周囲の状況や時間が見えなくなってしまうことなど、たくさんの場面でトラブルや不具合が生じていました。
その度に上司や先輩から厳しい叱責を受けました。
仕事がスムーズに進んでいない以上、当然のことです。
しかし、何がいけないのかも、どうしたらいいのかもわからず、モヤモヤする日々が続きました。
そのような状態で業務にあたり続けたため、仕事に対する恐怖心が生じ、まともに働けなくなってしまいました。

このままでは大変なことになると思い、周囲の助言を仰いでクリニックを受診しました。
そこで初めて、自分がASDであること、そして、それに伴って適応障害を患っていることが判明しました。

発達障害は完治できない

診断を受けた際、クリニックの先生から、診断についての説明を受けました。
「適応障害は時間をかければ治すことができる二次障害であること」と、それに対して、「発達障害は生まれながらに持った特性であり、完治することはできないこと」の2つです。
元々自分が持っている特性に、自分も周囲も気づかずにいたため、二次障害として仕事ができなくなってしまったのだと考え、自分の状態に納得することができました。

他人は私のことがわからない

診断を受けた私は、二次障害である適応障害を治すことにしました。
仕事を辞めた後休養に専念し、適応障害から回復することができました。
その後、障害者雇用枠で別の会社に就職し、仕事を再開しました。
就労開始当初から発達障害を公開しており、会社代表の方に障害を理解していただけたことから、仕事がしやすい環境に身を置くことができました。

「これでまた仕事ができる。」当時の自分はそう思っていましたが、4年後再び仕事を辞めることになりました。
障害を持っている私に対する接し方を理解していただけたのが、職場の方々全員とは限らなかったからです。
もちろん、代表の方が他の従業員全員に、私の障害や特性について説明していただけなかったわけではありませんし、障害自体に対して理解していただけなかったわけでもありません。
しかし、彼らにとって発達障害が未知なものであり、どういう状況になりやすいのか、どう接すればよいかわからず、周りの方と同様に接していました。
私も、職場にいる方全員が障害を理解していただけていると思い込んでしまっていました。
そのため、振る舞いや接し方が変わらない方に対し、「どうしてわかってくれないんだ」とやきもきする日々が続きました。

理解者が職場に全くいなかったわけではありませんでしたので、前の会社と比べると、長く仕事を続けることができましたが、イライラを募らせているうちに限界がきてしまいました。
そこで、他人は私のことを100%理解してくれるとは限らないことを身をもって経験しました。

工夫次第で楽になる

2度目の退職後、就労移行支援事業所の一つであるディーキャリア岐阜駅前オフィスの存在を、私の担当する相談員さんから教えていただきました。
そのときに他の事業所も紹介していただきましたが、当オフィスならではの特徴がありました。
その1つが、支援の方針が、利用者自身の成長や変化を促すスタンスであることです。

ディーキャリアのシステムとして、カリキュラムがライフスキル・ワークスキル・リクルートの3段階に設定されており、それぞれ要件をクリアすることで次のステップヘ進むという流れが組まれています。
そのなかでスタッフの方々は、利用者の抱える問題が障害の特性によるものであっても、利用者自身に対して問題そのものに気づかせて原因を考えさせ、解消や緩和に向けて試行錯誤させることをしています。
その方針をとる理由について、「障害だから仕方ない」で済ますのではなく、障害の特性による影響を軽減するためである、と私は考えます。

前述のとおり、発達障害は生まれながらに持った特性であり、完治することはできません。
ほかの身体障害や精神障害についても、必ずしも治るわけではないと思います。
しかし、障害による困りごとを放置していては、自身の活動に限りが生じ、行動の選択肢が狭まってしまいます。
そうならないためには、工夫をする必要があると思います。
例えば、足の不自由な方が杖や車いすなどを使用して移動できるようにする、うつ病を抱えている方が薬を服用して気分を落ち着かせたりする、というように、それぞれの抱える障害による影響を軽減するために、工夫をして活動しやすくしています。
障害のない方であっても同じです。
視力が低下すると眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正する、道に迷わないために地図やナビ機能を使うなど、活動しやすくする工夫をしています。

以上のことから私は、「発達障害だからしょうがない」では不公平に感じ取られてしまうと考え、障害の特性による影響をできる限り軽減するために、ディーキャリアでの訓練を積むことを選びました。
時間をかけて自力で解決できたものもあれば、解決しきれなかったものもありました。
足りない部分については、合理的配慮として職場にお願いしようと考えております。

終わりに

今後新たに障害特性が見つかる可能性はゼロではありませんし、その度に悩みごとを抱えてしまうかもしれません。
それでも、当オフィスで培ってきた解決力や相談のためのコミュニケーション力を駆使して、自身の生活を楽にする工夫をしていきたいと思います。

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