【発達障害】白黒思考と「敵認定」の関係性と対処方法について
はじめに

「あの人とはもう合わない」「これは絶対無理」——そんなふうに、物事をきっぱり二つに分けて考えてしまうことはありませんか?
たとえばこんな場面です。上司に一度注意されたことがきっかけで、「この人は自分の敵だ」と感じるようになり、それ以降はどんなアドバイスも素直に受け取れなくなってしまう。
ASDの特性がある方の中には、こうした「白黒思考」を持つ場合が少なくありません。一度「敵」とみなすと、その相手のやることすべてを否定的にとらえてしまうことがあります。たとえ相手が好意的な反応を示していても、その気持ちがうまく届かないこともあるのです。
SNS上でも、「人をラベリングしてしまう」「敵認定をしてしまう」という当事者の投稿を多く見かけます。
白黒思考と「敵認定」の関係性、影響

白黒思考が強い人ほど、実は「あいまいな状態」そのものが苦手、という特徴を持っていることが多いのです。
・先の予定がはっきりしない
・相手の気持ちがよくわからない
・「たぶん大丈夫だと思うけど、絶対とは言えない」という宙ぶらりんな状態
白黒思考が強い方は、こうした「はっきりしない感じ」に人一倍ストレスを感じやすいのです。そのつらさから逃れるために、無意識のうちに「もうよいか悪いかどちらかに決めてしまおう」という思考が働く、そんな仕組みがあるのではないか、と考えられています。
つまり、白黒思考は「性格がきついから」でも「頭が固いから」でもなく、あいまいさへの苦手意識を和らげるための、いわば心の防御反応とも言えるものなのです。
敵認定による影響
この「敵認定」がクセになってしまうと、日常や仕事の中でいくつかの困りごとにつながることがあります。
日常や仕事の中でいくつかの困りごとにつながることがあります。たとえば、注意や指導をしてくれた上司・同僚とも距離ができてしまい、必要な助言が受け取りにくくなることがあります。
また、一度こじれた関係を「もう無理」と決めつけ、修復のきっかけを自分から手放してしまうこともあるでしょう。
さらに、味方だと思っていた人まで「敵」と分類してしまい、結果的に孤独を感じやすくなるケースも見られます。
こうした困りごとは、本人の努力不足ではなく、白黒思考という特性からくる自然な結果なのです。
こうした困りごとは本人の努力不足ではなく、白黒思考という特性からくる自然な結果です。だからこそ、「性格を変える」のではなく、「考え方に少し幅を持たせる」ことが大切になってきます。
対処方法

大事なのは「白黒思考をやめること」ではありません。「分からない状態」に対する苦手意識を少しずつやわらげていくことが近道です。
<自分でできること>
1.極端な言葉を意識する
「絶対に」、「まったく」といった言葉を使っていないか、自分の考えを客観的に眺めてみましょう。これだけで、自分の思考のクセに気づきやすくなります。
2.リフレーミング
「敵か味方か」ではなく、「今回は合わなかっただけ」というように、出来事を別の角度から捉え直してみます。
3.考えの中間を探す。
「絶対無理」と「絶対大丈夫」の間には、実はたくさんの選択肢があります。「今のところは難しいけど、後で変わるかもしれない」のような、幅のある言い方に慣れていきましょう。
4.自分自身に寛容になる
白黒思考が出てしまったときも、「またやってしまった」と責めすぎず、「そういう特性があるのだ」と受け止めることが第一歩です。
5.完璧思考を少なくする
「100点か0点か」ではなく、「60点でも十分」という基準を、少しずつ自分の中に持ってみます。
6.マインドフルネス
「今、自分は白黒思考になっているかもしれない」と、その場で気づく練習が、思考の暴走を止める助けになります
<周囲や環境を頼る>
・現実的な目標を立てる
1人で完璧を目指すのではなく、「今週はこれだけできればOK」という達成しやすい目標を設定してみましょう。
・第三者の視点を借りる
自分だけで判断すると、白黒どちらかによりやすくなります。信頼できる人や支援機関に話を聞いてもらうことで、「実はグレーな部分もある」と気づけることがあります。
まとめ

白黒思考は、性格の欠点ではなく、「あいまいさが苦手」という特性からくる、心を守るための反応です。
だからこそ、無理になくそうとするのではなく、「わからない状態」との付き合い方を少しずつ練習していくことが大切です。
一人で抱え込むのが難しいと感じた時は、専門的な支援を頼ることも一つの方法です。
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