【発達障害】忘れっぽさ:仕事が覚えられない背景と対策

仕事をしていて「同じことを何度も聞いてしまう」「一度教わったことが覚えられない」と悩む人は少なくありません。
その背景には、発達障害の特性が関係している場合があります。
本記事では、発達障害と仕事の関係、具体的な対策や支援について整理していきます。
1: 忘れっぽさの背景と発達障害

1-1: 発達障害の種類と特徴
発達障害には、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、限局性学習障害(SLD)などがあります。
ADHDは不注意や衝動性、ASDはコミュニケーションやこだわりの強さ、SLDは読み書きや計算の困難さが特徴です。
これらは大人になってからも日常生活や仕事に影響を与えることがあります。
1-2: 仕事が覚えられない病気とは?
「仕事が覚えられない=病気」とは一概に言えません。
ただし、発達障害の特性によって「忘れやすい」「段取りが苦手」といった課題が現れることがあります。
また、うつ病や不安障害といったメンタル不調が集中力の低下につながるケースもあります。
1-3: 大人が持つ発達障害の実態
大人になってから発達障害の特性があると診断される人も多くいます。
そのような方々の中には、職場での困りごとを通じて気づくケースも少なくありません。
発達障害の特性は「誰もが経験したことのあるミス」の頻度が多くなったり、程度が大きくなったりするイメージです。
そのため、「がんばればできるじゃん」「私もあるよ、努力で変えられるよ」と思われ、なかなか理解されないこともあります。
たとえば、
- 何しようとしてたんだっけ?を一日の中で何回も繰り返す
- 誤字脱字が多く何回確認しても完璧には直せない
- 話がまとまらず結論から話すことがどうしてもできない
これらのミスは「努力不足」が原因と誤解されがちですが、背景には脳の特性があることを理解する必要があります。
2: 仕事と発達障害の関係性について

2-1: 発達障害と仕事のパフォーマンス
発達障害のある人は、不得意な業務ではつまずきやすい一方で、得意な分野では高い集中力や独創的なアイデアを発揮できることもあります。
その人の特性が活かせるか否かは、職場環境や業務内容との相性が大きく影響します。
この点は発達障害の特性がない人でも同じですが、発達障害の特性がある人はより大きな影響を受ける可能性が高いです。
2-2: すぐ忘れる原因とは?
「忘れっぽさ」の原因として、たとえば次の特性があります。
- 注意が分散しやすい(ADHDの不注意特性)
- 情報処理のスピードが遅い(処理速度がゆっくり)
- 一度に複数の指示を受けると混乱しやすい(情報整理の苦手さ)
- メモをするまでの間に忘れてしまう(ワーキングメモリの小ささ)
- 覚えておくべきことと理解ができない(ASDの暗黙の了解の苦手さ)
これらはすべて脳の特性が原因で、工夫をすることはできますが、根本的に治すことは難しいものです。
2-3: 業務における対処法
脳の特性に対しては工夫が必要です。
工夫は自分でできるものと周りの人ができることがあります。
たとえば、
【自分でできるもの】
- なんでもメモをとる癖をつける
- 何度もリマインダーをセットする
- 忘れやすいものは定位置を決める
- 相手に「STOP」を伝えられるように練習する
【周りの人ができること】
- 指示は1度にひとつだけにする
- マニュアルなど後から確認できるものを用意する
- メモに取ってほしいことを伝える
- 指示する際は十分な時間を確保する
「一度に伝える情報を減らす」「視覚的な補助を使う」「繰り返し確認する」など、周囲の工夫と本人の工夫を組み合わせることが効果的です。
3: 職場環境が与える影響

3-1: 発達障害特性がある社員への理解と支援
発達障害の特性がある方と一緒に働く場合、本人の特性を理解し、必要に応じて業務の進め方を調整することが大切です。
これは単なる「甘やかし」ではなく、全体の生産性を上げるための合理的配慮になります。
たとえば、
- 人の動きが過度に気になって色んな事に気が散り抜け漏れが発生する社員に対して、パーテーションを使う許可を出す
このような配慮があると、その社員の生産性が上がり、結果的に全体の効率も良くなると考えられます。
3-2: 上司やチームの役割
上司や同僚が、発達障害の特性がある本人が「どこでつまずきやすいか」を把握しておくと、無駄な指摘や叱責が減り、安心して働ける環境が生まれます。
たとえば、
- 〆切を忘れてしまう社員がいる
という場合には、いくつか解決策を提示して実践した上で解決が難しければ、リマインドを何回もするなどの工夫をすると、お互いに働きやすい環境を作れます。
3-3: 働き方の工夫とサポート
柔軟な働き方や業務分担の工夫により、本人の強みを生かしやすくなります。
発達障害の特性がある人は、凸凹がはっきりとしていて得意・不得意が明確な方も多いです。
凸凹を把握して得意を活かして不得意業務はなるべく担当を割り振らない工夫をすると、お互いに働きやすい環境を作ることができます。
たとえば、
- 誤字脱字チェックは苦手だけど、アイデアを出すのは得意
という人には、文書作成ではなく企画出しをしてもらうなどの工夫ができます。
4: 仕事が覚えられない時の具体的な対策

4-1: メモの取り方とその活用法
メモの取り方は非常に重要です。
単に書くだけでなく「手順を番号で整理する」「キーワードを強調する」など、後から見返して分かりやすい形にまとめることが重要です。
メモする用メモと、まとめる用メモを分けて用意することもおすすめです。
4-2: タスク管理の効果的なやり方
ToDoリストやアプリを使い、「今日やること」を見える化します。
終わったものは消すのも忘れないように、最初の内はそれも付箋に書いてよく見る場所に貼っておく手良いでしょう。
4-3: ストレス管理と働き方の見直し
忘れやすさはストレスや疲労を感じているときに強く出ることもあります。
十分な休養、生活リズムの安定、無理のない働き方の調整も、忘れっぽさへの対策の一部です。
5: まとめ

発達障害にはさまざまな特性があり、その特性が理由で忘れっぽさにつながっている可能性があります。
周りに忘れっぽい人がいる場合には、どのような場面で忘れっぽさが出るのかを観察して、工夫の仕方を教えたり、関わり方を変えたりするとお互いのストレスを減らすことにつながります。
また、自分が忘れっぽいと自覚がある場合には、メモの取り方の工夫、リマインドを必ず設定する、など自身でできる対策をとるようにするのがおススメです。
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