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「実力も運のうち」が私の座右の銘である理由|能力と環境について考える

こんにちは。ディーキャリアびわこ第一オフィスの竹村です。
私には、仕事でも人生でも大切にしている言葉があります。

「実力も運のうち」

マイケル・サンデル の著書のタイトルとしても知られている言葉です。

昔からなんとなく抱いていた感覚を、後からサンデル教授の言葉によって整理され、腹落ちした言葉です。


若い頃は努力と結果が直結していると思っていた

学生時代や営業職として働いていた頃は、努力と結果はかなり強く結びついていると思っていました。

頑張った人が成果を出す。
努力した人が報われる。

もちろん今でも、その考え方自体を否定するつもりはありません。
努力は大切ですし、挑戦することにも意味があります。

ただ、仕事を続けていく中で少しずつ考えるようになりました。
本当に結果は本人の努力だけで決まるのだろうか、と。


私たちは思っている以上に多くのものを選べない

例えば、生まれる家庭は選べません。

どんな教育を受けるか。
どんな価値観の中で育つか。
どんな人と出会うか。

これらの多くは、自分の意思とは関係なく決まります。

また、生まれ持った能力もそうです。

運動が得意な人。
記憶力が高い人。
人と話すのが得意な人。
論理的に考えるのが得意な人。

こうした能力は、努力だけで獲得したとは言い切れません。

さらに言えば、時代もあります。

もし現代で高く評価される能力を持っていたとしても、それが戦国時代で評価されたとは限りません。
逆に、戦国時代なら重宝された能力が、現代ではそれほど評価されないこともあります。

つまり、私たちは自分が思っている以上に多くの”前提条件”の上で生きています。


能力は環境との組み合わせで価値が決まる

私は、この考え方が特に大事だと思っています。

能力は単独で価値を持つわけではありません。
どんな環境で、どんな時代に、どんな役割を担うかによって評価は大きく変わります。

例えば、営業が得意な人がいるとします。
その能力は現代の企業では大きな強みになるかもしれません。

しかし、営業という仕事そのものが存在しない時代であれば、その能力を発揮する機会はほとんどありません。

逆に、別の能力が高く評価される社会もあるでしょう。

私たちはつい、「能力があるかないか」で考えてしまいます。
しかし実際には、「その能力が活きる環境にいるかどうか」も同じくらい重要なのではないかと思います。

発達障害支援の現場から見た「能力と環境のマッチング」については、こちらの記事でも詳しく書いています。
発達障害って、本当に“特別なこと”?──私たちが考える支援のかたち


それでも努力は意味がある

ここで誤解してほしくないのは、

「だから努力しても意味がない」

という話ではないことです。
むしろ私は逆だと思っています。

努力は大切です。
勉強も必要です。
挑戦も必要です。

ただ、その成果をすべて自分の手柄だと思い始めた時、人は少し危うくなるのではないかと思います。

なぜなら、私たちが持つ能力そのものにも運の要素がありますし、その能力が評価される環境にいることもまた運だからです。同じ能力を持っていても、時代や場所が違えば全く違う結果になることがあります。

だからこそ、うまくいった時ほど少し立ち止まって考えたいと思っています。


人を評価するとき、自分を評価するとき

私がこの言葉を好きなのは、自分を戒めてくれるからです。

結果が出た時、

「自分が優秀だったからだ」

と思うのは簡単です。

しかし、

「良い上司に恵まれたのかもしれない」
「良い仲間がいたのかもしれない」
「自分の強みが評価される環境だったのかもしれない」

と考えることもできます。
すると自然と謙虚になります。

同時に、結果が出ていない人に対しても見方が変わります。

努力不足だと決めつける前に、その人が置かれている環境や条件に目を向けるようになります。
そして、自分自身がうまくいかなかった時も同じです。

私たちは失敗すると、

「もっと頑張ればよかった」
「自分の実力が足りなかった」

と考えがちです。

もちろん反省は必要です。
しかし、その結果が本当に失敗だったのかは、その瞬間には分からないこともあります。
当時は遠回りだと思っていた経験が、後になって大きな意味を持つこともあります。
別の道へ進むきっかけになることもあります。

だから私は、結果だけを見て自分や他人を評価しすぎないようにしたいと思っています。


だから私はこの言葉を大切に思う

「実力も運のうち」

という言葉は、努力を否定する言葉ではありません。

成功した時に驕らないための言葉です。
失敗した時に必要以上に自分を責めないための言葉です。

そして、人を結果だけで判断しないための言葉でもあります。

私たちは能力だけで生きているのではありません。
能力と環境の巡り合わせの中で力を発揮しています。

だからこそ、自分にも他人にも少しだけ寛容でありたいと思います。
これからも仕事だけでなく、生きていく上で常に心のどこかに置いておきたい言葉です。


筆者プロフィール

竹村 ゆうじ (ディーキャリアびわこ第一オフィス管理者)
発達障害のある方の就職支援に携わる一方で、歴史とゲームと漫画が好き。お酒とか哲学なんかも。
最近は『ドラゴンクエストVII Reimagined』を終えて、プレイするゲーム難民。たくさん積んでるのに。
また、『鬼武者 Way of the Sword』『STRANGER THAN HEAVEN』『FINAL FANTASY VII REMAKE』シリーズ完結編など、これから続く大作ラッシュに今からそわそわしています。

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