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ADHDでは発症率10倍以上!うつ病の併発から心を守る仕事術5選


こんにちは。
ディーキャリア札幌オフィス、訓練生の西川です。
このブログをお読みのあなたは、次のようなお困りごとがありませんか?

  • 仕事がうまくできない日が続き、出社が面倒になった
  • 小さいころから他の人ならできることができなかったため、自分に自信が持てない
  • すぐに疲れてしまい、仕事が思うように進まない


もしかすると、あなたはお仕事がうまくいかない結果、抑うつ状態になっているのかもしれません。抑うつ状態は長く続いた場合、うつ病等の二次障害の原因となる危険性があります。
ディーキャリアはADHD/ASD等、発達障害の方の就労を目的とした事業所です。その為、うつ病の方は基本的に支援の対象としていません。
ですが、ADHDの方の多くがうつ病にもなっている言われており、ADHD等の発達障害とうつ病は無関係ではありません。

 そこで、今回の記事ではうつ病と発達障害(ADHD)の関係や、その対処法をお伝えできればと思います。

 この記事を読むことで

  • うつ病の症状がわかる
  • うつ病とADHDの関係がわかる
  • ADHDでありながらもうつ病になりにくくなる為の工夫がわかる

と言ったことに繋がったり、もっと長くお仕事を続けることができるようになれば幸いです。

うつ病とは

うつ病とは気分障害の一種です。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめなかったりするほか、体には眠れない、食欲がない、疲れやすいと言った症状が現れます。
発症の原因は正確にはわかっていませんが、感情や意欲をつかさどる脳の働きに不調が生じているものと考えられています。
仕事でうつになる原因としては、上司からの心無い言葉や同僚に無視されたなどの人間関係のトラブルの他、昇格などの役割の変化や仕事内容や量そのものも要因となると言われています。

特定の性格もうつ病になる要因の一つです。
具体的には生真面目で責任感が強い人や、完璧主義の人、人に頼まれた仕事を断りづらい人や他の人と意見がぶつかったときは自分が折れてしまう性格が挙げられます。
こうした性格の人は次々と仕事を引き受けた後、自分の能力を超えていると感じても、周囲に相談することができずに自分の力で何とかしようとすると言われています。
そうして長く苦しみ続けているうちに、心身ともに疲弊し、うつ病になってしまいます。

最後に、生活習慣もうつ病の要因として挙げられます。
いくつかの調査ではうつ病になった経験がある人は朝食をとっていなかったり間食をとる回数が多かったり、運動の習慣がないと言う結果が出ています。
直接の原因でないにしろ、うつ病の方の生活習慣に一定の特徴がみられることは事実です。

こうした、ストレスや性格、生活習慣と言った複数の要因が重なった結果、うつ病になると考えられます。

ADHDはうつ病になりやすいのか?

結論から言えば、ADHDの方はうつ病になりやすいとされています。
統計によって違いはありますが、ADHDの方の15%から30%の方がうつ病を併発しています。
発達障害などがない方のうち、うつ病になっている方の割合は2.9%と言われています。
ADHDの方はそうでない方と比べて、極端に高い確率でうつ病になっていると言ってもよいでしょう。
この原因は、ADHDの方は苦手な仕事や状況が他の方よりも極端であることが多く、そうした状況で失敗が続くことで自尊心が著しく低くなっていたり、大きなストレスを感じていることが多いためです。
ADHD、特に、大人になってからADHDの診断を受けた方がうつ病になりやすい原因を以下に詳しく書かせていただきます。

社会や仕事で失敗しやすい

ADHDの方はいくつかの要因により、他の方と比べて仕事上のミスをすることが多いと言われています。
例えば、衝動性という物事を考えずに行動に移しやすい特性のために、お客様に対して言うべきではない反論をして怒らせてしまうことが考えられます。
その他にも、注意力が続きづらい特性のために、他の方と比べてケアレスミスが多い等の特徴があります。
こうした経験を何度も繰り返した結果、自分を責めて気分が落ち込んだり、友人や上司との関係が怖くなってしまうことも少なくありません。

音に敏感だったり曖昧な指示を出されて、ストレスをためやすい

発達障害の方の中には、特定の刺激を極端に不快に感じたり苦手に思う方がいます。これを感覚過敏と言います。ASDの方に多い症状ですが、ADHDの方にもお困りの人がいます。
例えば、聴覚過敏と言われる方は日常の環境音などが特別に大きく聞こえています。掃除機や店舗のBGMと言った比較的大きな音だけでなく、キーボードの打鍵音やマウスのクリック音、ボールペンのノック音等を苦手とする方もいらっしゃいます。
また、曖昧な指示が苦手な方もおり、そうした方は「適当にコピーしといて」など曖昧な指示を出されたらストレスを感じるだけでなく、何をすればよいのか分からなくなってしまいます。
ところが、実際の職場環境は世の中の多くを占める発達障害ではない方のために作られています。特定の方のために音が出ないような配慮がされていなかったり、曖昧な指示が出されることも少なくありません。
このため、多くの方にとっては問題がないような環境でも、長い間、強いストレスを感じ続けてしまいます。

周囲から理解されにくく、苦労を共有する仲間が少ない

ADHD等の発達障害については、正確な理解をされていない方も少なくありません。
例えば、上で挙げさせていただいた不注意や衝動性といった問題も親の育て方や本人のやる気の問題として認識されることがあります。感覚過敏もわがままの一種であるととらえられてしまうこともあります。
また、ADHDの方自身も周囲に似たような困りごとを持っている方を見つけづらく、自分の悩みを友人などと共有することができずに、不満やストレスを内側にため込んでしまいます。
自分の仕事ができないことや悩みごとを相談することも周囲から理解を得られることも少ない結果、うつ病の原因となる強いストレスを常に感じてしまう人も少なくありません。

こうした理由から仕事にストレスを抱えてうつ病になってしまう方も少なくないと言われています。


ADHDの方の職場での苦手なことや苦労、さらにはうつ病などの併発につきましては、仕事を長期で続けることができない要因と関連して、以下の記事でも述べられていますので、参考にしてください。


【ADHDは仕事ができない?】なぜミスをするのか|仕事が続かない理由とは

ADHDの人がうつ病にならないためには

ADHDの人がうつ病になる要因は大きく分けて二つあります。
一つは職場でのミスが続くことです。ミスが他の方より多かったり叱責されたりすることで、大きなストレスがたまり、最終的にはうつ病になってしまいます。
ですので、職場でのミスを減らす工夫をすることで、うつ病になる可能性を減らしたり、精神的なやる気をある程度回復させることができる可能性があります。
もう一つは、精神的な要因や生活習慣の問題です。確実にうつ病になる訳ではないにせよ、特定の性格や生活習慣の方が非常にうつ病になりやすいことはADHDの方もそうではない方も変わりありません。
職場でのミスを減らす方法に加え、こうしたストレスを感じやすい性格や生活習慣に対する対処法を身に付ければ、発達障害の有無にかかわらずにストレスに強くなり、うつ病になる可能性は低くなります。
以下に、そのための方法を紹介させていただきます。

職場でミスを減らす方法としては、次のような対策があります。

to doリストを作るなど、メモなどで視覚化

ADHDの方がスケジュールを立てることが苦手な要因としては、新しく思い浮かんだ考えや仕事に気を取られて優先順位を見失うことが多いためと言われています。また、記憶を一時的に覚えておく、ワーキングメモリと言われる領域の能力が低く、新しい指示や情報が入ってきた際に言われたことを覚えていることが苦手であることも要因の一つとして挙げられています。
その為、やるべき仕事を書きだす、いわゆる「to doリスト」と言われる書類を作ったり、メモを頻繁に取ることを心掛けることがADHDの方がお仕事をする上では特に重要になると言われています。
紙などで視覚的に行うことを確認しやすくすることで、以前言われたことや行うべき作業を管理しやすくなり、抜け漏れや指示を忘れたりすることが発生しづらくなります。

アラームなどを使って時間を管理する

ADHDの方には、時間の管理が苦手な方が少なくありません。原因としては時間の逆算やスケジュールの管理が苦手であるほか、特定の作業に過度に集中してしまい、時間の経過を忘れてしまうことなどが挙げられます。
その結果、仕事の納期に間に合わなかったり、大事な打ち合わせの時間に間に合わなかったりするなどの問題が発生してしまうことがあります。また、自宅での過度な集中は夜更かしの原因となり、遅刻などの原因になることもあります。
そうした問題については、アラームの使用などである程度の解決することができるかもしれません。
to doリストやメモに記入した作業をしなければいけない時間を決め、その時間ににタイマーをセットして作業を区切るようにすれば、特定の作業に集中して必要な作業を忘れてしまうことも少なくなると思われます。
自宅で趣味に没頭するときでも、睡眠時間を決めてタイマーをセットすることで、夜更かしをしてしまうことが少なくなるかもしれません。

仕事の場所や私物の持ち込みなどの配慮を認めてもらう

ADHDのある人が働く場合、職場の方へ合理的な配慮を求めることは非常に重要になってきます。特に、感覚が過敏な方の場合は本人の努力に加えて、職場の協力が重要になってきます。
例えば、特定の音に対して敏感な場合は職場の席を考慮してもらうだけでも大きな効果を得ることが出いるかもしれません。音が過敏な場合は私生活では耳栓などで対処する方もおられるかもしれませんが、職場でこうした道具の持ち込みには事前の了解が必要になるかと思われます。
to doリスト等の書類を作ろうとした場合でも、社内情報の管理が重要な職場では紙類の持ち込みが許されないかもしれません。そうした場合でも、事前に相談すれば職場内でだけ使えるメモなどを作ってもらえる可能性があります。
自分自身の努力はもちろん、その努力を認めてもらったり有効に機能させるための配慮をしてもらえれば、職場で大きなストレスを感じることもなく、職場で働きやすくなるかもしれません。

精神面や生活習慣の改善をする方法としては、次のような方法があります。

自分の考えを整理して、現実と食い違う点を修正する

通常、私たちは目や耳で受け取った周囲の情報を、脳で主観的に解釈しています。
ですが、うつ病など強いストレスが続いている状況では、不安な気持ちが著しく強くなってしまい、周囲の状況を適切に解釈することができません。
その為、何をしてもマイナスの意味でとらえてしまい、自分の心が落ち込んでしまう事があります。
こうした時に、自分が強いストレスを感じると起きる心の問題を整理してみたり、すぐに思い浮かんできた考えと目の前の状況が食い違っている点に注目して、現実に沿ったより柔軟なものの見方ができるようになれば、強いストレスを受ける現象に直面しても、ストレスを感じにくくなったり立ち直りがしやすくなります。
こうした考えは心療内科などの専門機関では認知行動療法と言われる治療法の一環としておこなわれています。

有酸素運動をする

うつ病への対策として、有酸素運動をすることが効果的と言われています。
前述のようにストレスはうつ病の主な原因の一つですが、ストレスの発散方法として運動が重要であると言われています。
特に、ジョギングやウォーキング、自転車こぎと言った有酸素運動と言われる呼吸をしながらおこなう運動はうつ病対策として効果が大きいと言われています。毎日20分程度の散歩や簡単な屈伸運動やストレッチなどはその代表と言ってよいでしょう。
運動量が多すぎると思うように動けないことがストレスとなる可能性はありますが、適度な運動はうつ病にならないための対策として非常に有効と言えるでしょう。

最後に

いかがだったでしょうか。
強いストレスを感じられている中、お仕事を続けるためのヒントを得ることができたでしょうか。
とは言え、実行方法が不安な方や、すでにお仕事を辞められて、復職しても上記のアドバイスが実行可能か不安な方も多いかと思われます。
ディーキャリア札幌オフィスでは、座学でストレスに対応する方法を教えており、「コントロールフォーカス」や「リフレーミング」と言う訓練の中で、特定の事柄をいろいろな視点から捉えなおし、良い意味で認識しやすくなるような訓練をおこなっています。また、通所した際に就寝や食事をした時間などを記入したり、記入内容について支援員からアドバイスをしたりする事があります。こうした訓練は、うつ病になりやすい精神的な面や生活習慣を改善するために大きな助けになるでしょう。
また、職場を模した環境で座学で学んだ内容を実践できるかどうか、練習することができます。
もし、発達障害であり、ストレスのために長期の就労ができずに悩んでいらっしゃる方がいましたら、お気軽にご相談ください。

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