大人の発達障害~情報処理過程にみられる特性/対処法~
発達障害は脳の一部の支障における脳機能障害、神経系の障害と定義されていますが、この障害は具体的に仕事上、どのような困りごとにつながるのでしょうか。今回は特に「情報処理過程においてみられる特性」について、ご紹介しながら大人の発達障害における職場での困りごとへの対処法について、考え方のご提案をさせて頂きたいと思います。
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発達障害の情報処理過程にみられる特性について
<目次>
1.情報処理とは
2.情報処理過程にみられる特性
3.対処法について
1. 情報処理とは
情報処理とは、外界からのあらゆる情報の中から自分が受信(INPUT)したことを、一旦記憶/処理し、その中から必要な時に適切なものを出す(行動/送信/OUTPUT)一連の過程のことを指します。図にすると下図のように説明できます。この一連の過程のどこかに、障害による特性があり、それが仕事上の困りごとや対人関係におけるストレスの誘因となっている可能性が高いと言えます。それではINPUTー処理ーOUTPUTの3工程を順に追いながら、発達障害における脳機能の一部の支障(障害)が、情報処理過程の段階でどのような特性として表れていくのか見ていきましょう。
2.情報処理過程にみられる特性
・受信(INPUT)
外界の情報をINPUTする際の特性を、大きく分けて2つに分けてお話しします。一つは「感覚特性」つまり感覚器官に特有の性質です。例えば視覚刺激に対して過敏である(明るすぎるところが苦手/蛍光色が苦手など)こと、ぬれるや汚れる触られることに強いストレスを感じる等の触覚過敏なども挙げられます。もう一つが「注意・集中特性」です。情報を受信する際の「クセ」と考えると分かりやすいと思います。例えば「作業や話と関係ないことを空想したり連想して、現実の眼前の情報がそのまま入りずらい」などです。また「一度に複数のことに注意を向けられない」や「作業に集中できる時間が短い」なども挙げられます。
・処理(判断/思考)
処理に関しては「理解の優位性」「作業指示」「対人関係場面」「プランニング」「思考の偏りや思い込み」の5つに分類してご説明します。
「理解の優位性」・・・視覚優位(口頭で指示されるよりも写真や絵などを見た方が分かりやすい。手順を追って説明された方が一度に全部説明されるより理解しやすいなど)。
「作業指示」・・・見本を示されることで理解できる(モデリング)、マニュアルを見た方が理解しやすい(マニュアル化)、口頭で聞いた方が分かりやすい/省かず詳細も含めてすべて説明された方が分かりやすいなど(聴覚情報)。
「対人関係場面」・・・表情や感情、身振りなどを見て相手の感情を推測することが苦手、場面の理解が苦手(相手の状況に構わず話しかけてしまうなど)。
「プランニング」・・・メモを取りながら指示を受けることが苦手、優先順位が決められない(タスク管理が苦手)、手元のお金をすべて使ってしまうなど。
「思考の偏り、思い込み」・・・物事の理解が極端(白黒思考)、自分にも他社にも「べき思考」が強い(〇〇すべき、〇〇しなければならない)、「相手に嫌われている」などのネガティブに考えやすい(考え方の極端なクセ)。以上を図式化したものを示します。
・行動/送信(OUTPUT)
OUTPUTの段階は外界との関りが出てくる段階で、困りごとの発生や関係性の築きに、直接影響してくるところです。受信と処理の特性を経て、最終段階のOUTPUTにおける特徴の一部を示します。
「作業特性」として手先が不器用あるいは得意、はさみなどの道具をうまく使えない、見本通りに体を動かすことが苦手、作業スピードが遅い等です。「対人場面」として決まった場所やタイミングであれば挨拶や報告ができるが、状況に応じて判断して報告するなどの、臨機応変な行動をとることが苦手などです。
3.対処法
情報処理の3つの過程において、発達障害のある方の特性を見てきました。個人差や程度の差があるためすべて当てはまることはないと思いますが、それぞれの特性に対して、またそれぞれに固有の対処法があり、仕事を視野に入れると、職場においては配慮依頼の必要性も考慮して行く必要があります。ここでは対処法を考える際の手立てについてご紹介したいと思います。対処法とは「できないことをできるようになる」ことではなく、できることや得意なこと、いわゆる自分の強みを最大限活かして、「求められる状態」に近づける/達成する方法です。具体例を以下の図に示します。これは「求められる状態=タスク管理を行い、時間内に仕事を終える」に対して、タスク管理ができるようになるのではなく、最終的な求められる状態つまり「時間内に仕事を終える」ことができる方法(対処法)を示したものです。
「優先順位を考えることが苦手」だったり「複数の業務を同時におこなうことが苦手」な特性に対して、タスク管理ができるようになることや、同時に複数の業務をおこなうことができるようになるのではなく、矢印の順に自分が行動する(対処法/工夫)ことで、最終的には求められる状態に到達できることを示しています。
さいごに
今回のブログでは主に発達障害のある方の情報処理過程における特性についてみてきました。「自分のことを知る/把握する」ことは、障害の有無に関わらず大切な事だと思います。ロールプレイングゲームに例えると…自分の特性を把握することは、武器を手に入れるための第1段階だと言えます、自分の強みや苦手、考え方のクセや行動のパターンを知ることは、どんな武器を手に入れたらいいのかがわかることにつながります。特性には得意があれば苦手もあります。(この特性が生活する環境で、困りごとになることもあれば、困りごとにはならない場所もある。日本で生活するために「求められる状態」と、日本以外の国で「求められる状態」は違うからです。)
これからどこでどのような仕事をして、どんな風に生きていきたいのか、あるいはどんな環境を「自分で築いていきたい」のかを考えることも大切です。まずは自分を知ること、そして自分の人生ですから、「ガチの自己理解を粛々とおこない、未来に備える」。これからの人生をよりよく生きていくために、最適な武器を手に入れる…自己理解を自分の特性を把握することを、そんな風に捉えてみることもできるのではないでしょうか。
ディーキャリア大分オフィスでは、どのような職種や職場環境が自分に合っているのかが分かるために、まずは自己理解に取り組んでいます。ここでは「自分をよく見せよう」という努力は必要ありません。「ガチで自分と向き合う」ことを全力でサポートするスタッフと、そのための環境を提供しています。自分の人生を最後まで生き抜くために、どんな武器が必要なのか、そしてその武器を手に入れる方法について訓練しています!興味のある方は是非、実際の訓練を体験していただきたいと思います。次回の体験会は「セルフケア ストレスコーピング」です!
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