「なんでこんなに疲れるんだろう?」
発達障害(ASD)のある人が職場で陥りやすい“二次障害”とその予防法
「毎日ちゃんと出勤してるし、仕事もミスしないように気をつけてる。
なのに、なぜか心がつらい。周りといるとヘトヘトになる――」
そんなふうに感じることはありませんか?
発達障害(ASD:自閉スペクトラム症)をもつ人は、仕事の内容よりも「人間関係」や「環境の合わなさ」から心が疲れてしまうことが多いと言われています。そして、それが続くと「二次障害(うつ、不安など)」につながることがあります。
この記事では、働くASD当事者の方に向けて、
- なぜ職場でしんどくなってしまうのか
- どんなことが「二次障害」につながるのか
- そしてどうやって心を守っていけるのか
をわかりやすく紹介します。
◆ ASDの人が職場で感じやすい「しんどさ」
ASDの方には、次のような特性があります:
- 曖昧な指示や言い回しがわかりにくい
- 空気を読む・臨機応変な対応が苦手
- 音や光、人の気配に敏感
- ひとつの作業に集中しすぎて疲れてしまう
- こだわりが強く、ルールの変更にストレスを感じやすい
こうした特性は「努力不足」ではなく、脳の働き方の違いによるものです。
しかし、多くの職場では「空気を読んで行動する」「チームで柔軟に動く」といったことが求められるため、ASDの人にとっては目に見えないプレッシャーやストレスが常にかかっていることがあります。
◆ 二次障害とは?なぜ起きるのか?
二次障害とは、本来の特性とは別にあとから生じる心や体の不調です。
代表的なもの:
- うつ病
- 不安障害
- パニック症状
- 不眠
- 自信喪失・自己否定
- 出勤困難、離職
など
● 原因の多くは「がんばりすぎ」と「わかってもらえないこと」
- 曖昧なルールが理解できず、でも聞きにくい
- 報連相のタイミングがつかめず、評価が下がる
- チームワークに気を使いすぎて心が消耗する
- 感覚過敏で疲れても「甘え」だと思われる
周囲の期待に合わせようとがんばるうちに、気づかないうちに限界を超えてしまい、心や体がSOSを出すようになります。
◆ どうすれば「しんどさ」を防げるのか?
① 自分の「困りやすい場面」と「得意なこと」を把握する
まずは自分の特性を整理してみましょう。
| 苦手 | 工夫できること |
|---|---|
| 曖昧な指示 | 具体的に確認するクセをつける/マニュアル化 |
| 雑音・話し声 | ノイズキャンセリングイヤホンを使う/静かな席に移動 |
| 雑談・人づきあい | 無理に合わせすぎず、ひとり時間でリセット |
得意なこと(ルーティン業務、正確さ、集中力など)を活かせる場面では、ストレスを減らしやすくなります。
② 必要があれば「配慮」をお願いする
障害者雇用であっても一般雇用であっても、「こうしてもらえると働きやすい」と伝えることは権利です。
- 指示は口頭よりもメールやメモでほしい
- 作業中は話しかけずにいてほしい
- 周囲の音が気になるので席を変えてほしい など
会社や上司に伝えるのがむずかしい場合は、ジョブコーチや支援機関を通す方法もあります。
③ 無理に「普通」になろうとしない
「空気を読むのが下手」「気がきかない」「愛想がない」と言われ続けると、「自分が悪いんだ」と思ってしまうことがあります。
でも、あなたの感じ方・考え方は間違いではありません。
ただ「多数派」と違うだけです。
がんばりすぎて心が壊れてしまう前に、「無理しない」「人と違っていい」という考え方を持っても大丈夫です。
◆ 自分を守りながら働くために
- ひとりで悩まない
- 自分の特性と付き合っていく工夫を見つける
- 必要なときは「助けて」と言っていい
心や体の不調は、「がんばっていないから」ではなく、「がんばりすぎた結果」起きるものです。
疲れきってから休むより、ちょっと疲れてきた時点で手を打つことが、長く働き続けるコツです。
◆ 最後に
働く中で感じる生きづらさには、ちゃんと理由があります。
あなたが感じている「つらさ」や「違和感」は、決してわがままではありません。
自分に合った働き方や環境を見つけていくことは、甘えではなく「戦略」です。
無理せず、少しずつ、あなたらしく働ける場所や方法を見つけていきましょう。
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