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脂漏性皮膚炎との13年|障害や特性との「付き合い方」を考える

突然ですが、今回は少し自分自身の話を書いてみようと思います。

テーマは、脂漏性皮膚炎とのつきあいです。

私は、かれこれ13年ほど脂漏性皮膚炎と付き合っています。

「就労支援のブログなのに、なぜ皮膚炎の話?」と思われるかもしれません。

私自身、この経験を振り返ってみると、発達障害や精神障害のある方の支援で大切にしている「自分の特性との付き合い方」と、少し重なるところがあるように感じています。

今回は、そんな自分自身の経験を書いてみます。


最初は「頭皮がおかしいな」くらいでした

私が頭皮の異変を意識するようになったのは、最初の仕事を辞めた頃だったと思います。

最初は、「なんだか頭皮がおかしいな」という程度でした。

ところが、次第にフケがかなり出るようになりました。

当時は、黒や紺色のスーツを着ることが怖くなりました。

肩にフケが落ちているのが分かってしまうからです。

とはいえ、当時は営業の仕事をしていました。

営業職ですから、スーツを着ないわけにもいきません。

「どうしよう……」

そう思いながら仕事をしていたことを覚えています。


思い切って皮膚科へ

さすがに自分だけで何とかするのは難しいと思い、皮膚科を受診しました。

そこで診断されたのが、脂漏性皮膚炎でした。

脂漏性皮膚炎は、皮膚に常在するマセラチア属真菌などが関係して起こる皮膚炎です。一般的な「人から人へうつる感染症」とは異なります。

皮膚科の先生からは、あるメーカーのシャンプーを勧めてもらいました。

これを使ってみると、驚くほど症状が良くなりました。

「もっと早く病院に行けばよかった」

そう思ったのを覚えています。

ただ、症状が改善したからといって、すべての悩みがなくなったわけではありませんでした。


散髪に行くのも嫌だった

頭皮の状態を人に見られることが、とにかく嫌でした。

特に嫌だったのが、理容室です。

髪を切ってもらうためには、どうしても頭皮を見られます。

「フケが出ていると思われたらどうしよう」

「頭皮が荒れていると思われたら嫌だな」

そんなことを考えてしまい、普通の理容室に行くことにも抵抗がありました。

そこで、できるだけ人と接する時間が短くて済む、いわゆる千円カットのようなところを利用するようになりました。

髪を切ってもらったら、洗髪はせず、そのまま帰る。

できるだけ短時間で終わらせる。

自分なりに、そうやって対応していました。

今振り返ると、髪を切るというだけのことなのに、かなり気を遣っていたのだと思います。


約1年半前、「自分に合う場所」が見つかった

そんな状態が長く続いていました。

転機になったのは、約1年半前です。

インターネットで理容室を探していたところ、脂漏性皮膚炎について専門的知識と理解があり、頭皮の状態にも配慮してくれる理容室を見つけました。

「ここなら行ってみてもいいかもしれない」

そう思い、思い切って行ってみました。

実際に行ってみると、こちらが必要以上に気を遣う必要もなく、頭皮の状態についても相談することができました。

それから現在まで、月に1回ほど通っています。

13年ほど脂漏性皮膚炎と付き合ってきた中で、約1年半前になって、ようやく「ここなら大丈夫」と思える場所を見つけることができました。


「付き合う」というのは、なくすことだけではない

この経験を振り返って、最近よく思うことがあります。

それは、「うまく付き合う」というのは、必ずしも問題を完全になくすことではないのではないかということです。

もちろん、症状が良くなることは大切です。

私自身も皮膚科を受診し、シャンプーを変えることで、症状はかなり改善しました。

でも、それだけでは解決しなかった悩みもありました。

「人に見られるのが嫌だ」

「理容室に行きづらい」

こうした気持ちは、症状が改善しただけですぐになくなるものではありませんでした。

だからこそ、

  • 自分の状態を知る
  • 自分にできる対処方法を知る
  • 困ったときに相談できる人を見つける
  • 自分が安心して過ごせる場所を見つける

こうしたことも、「付き合っていく」ためには大切なのだと思います。


これは、障害や特性との付き合い方にも少し似ている

私は普段、就労移行支援の仕事をしています。

発達障害や精神障害のある方の就職や、その後の職場定着を支援する中で、「自分の特性を理解すること」の大切さを感じる場面がたくさんあります。

例えば、

「自分はどんなことが苦手なのか」

「どんな場面で困りやすいのか」

「どうすれば負担を減らせるのか」

「困ったときには、誰に相談すればいいのか」

「どんな環境なら力を発揮しやすいのか」

こうしたことを整理していくことです。

もちろん、脂漏性皮膚炎と発達障害や精神障害を同じものとして考えているわけではありません。

病気や障害、特性には、それぞれ違った性質があります。

ただ、私自身の経験として、

「自分ではどうにもならない部分があるからこそ、自分に合った対処方法や環境を探す」

という考え方には、共通する部分があるように感じています。


「自分を変える」だけが答えではない

就職活動をしている方と話をしていると、

「自分がもっと頑張らないといけない」

「苦手なことを克服しないといけない」

「周りの人と同じようにできるようにならないといけない」

と考えている方がいます。

もちろん、自分自身で工夫したり、できることを増やしたりすることは大切です。

一方で、すべてを「自分が変わること」だけで解決しようとすると、苦しくなってしまうこともあります。

私自身も、脂漏性皮膚炎について「何とか自分で隠さなければ」と考えていた時期が長くありました。

でも、皮膚科に相談することで症状への対処方法を知ることができました。

そして、約1年半前には、自分が安心して通える理容室を見つけることもできました。

振り返ってみれば、「自分を変える」だけではなく、「自分に合った付き合い方を探す」ことも大切だったのだと思います。


自分に合う場所を見つけることも大切

これは、就職について考えるときにも通じる部分があると思っています。

仕事を探すとき、

「どんな仕事がしたいか」

だけではなく、

「どんな環境なら働きやすいか」

「どんなことに困りやすいか」

「どんな配慮があると力を発揮しやすいか」

といったことを考えておくことも大切です。

自分に合わない環境で無理を続けるのではなく、自分の特徴を知ったうえで、働きやすい方法や環境を探していく。

それも、長く働くための一つの方法だと思います。


13年付き合って、今思うこと

脂漏性皮膚炎との付き合いは、もう13年になります。

今でも完全に何も気にならなくなったわけではありません。

それでも、以前のように「どうしよう」と一人で悩み続けることは少なくなりました。

皮膚科で相談する。

自分に合ったケアをする。

そして、自分が安心して通える理容室に行く。

そうやって、自分なりの付き合い方が少しずつできてきたからだと思います。

障害や特性についても、すべてを「なくす」「変える」ことだけが答えではないのかもしれません。

自分の特徴を知り、困りやすい場面を知り、対処方法を考え、自分に合った環境を探していく。

そうすることで、少しずつ「自分なりの付き合い方」が見つかることがあります。

私自身も、脂漏性皮膚炎との付き合いを続けながら、支援員として、利用者さん一人ひとりに合った「付き合い方」を一緒に考えていきたいと思っています。


参考情報

脂漏性皮膚炎については、日本皮膚科学会・日本医真菌学会のガイドライン等でも、皮膚に常在するMalassezia属真菌との関連などが示されています。詳しくは以下をご参照ください。

日本皮膚科学会

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