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発達障害(ADHD)と生活リズム:睡眠・覚醒の乱れが日常に与える影響

はじめに:発達障害と睡眠の関係を見直す

発達障害(神経発達症)の代表格である注意欠如・多動症(ADHD)は、集中の持続が難しい、多動や衝動性が強い、といった特徴がよく知られています。一方で、本人や保護者から「生活リズムが乱れやすい」「寝つきが悪い・起きられない」といった悩みがよく聞かれるように、睡眠や概日リズム(体内時計)との関係が深く関わっていることがわかっています。

実際、2020年代に発表された148件もの研究を網羅した系統的レビューによれば、ADHDのある子どもには睡眠障害や生活リズムの乱れが非常に多く見られることが示されています。これは単なる偶然ではなく、ADHDの特性と睡眠・覚醒リズムとの関係性が繰り返し報告されているという科学的な証拠に基づくものです。

ADHDと睡眠・概日リズムの実態(論文の要点)

この大規模レビューでは、次のような傾向が確認されています。

✔ 睡眠障害はごく一般的

多数の研究で、ADHDのある子どもは睡眠障害を抱える割合が高いと示されています。睡眠の質が低い、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどのパターンが確認されています。

✔ 概日リズムの乱れ

睡眠–覚醒サイクルそのもの、つまり 「夜寝て朝起きる」というリズム」がずれやすいという報告も数多くあります。遅寝・遅起きの傾向や、体内時計の調整がうまくいかない人も多いことが示唆されています。

✔ 睡眠改善はADHDの症状にも影響する可能性

さらに、このレビューでは、睡眠リズムの改善が ADHD の症状にも良い影響を与える可能性があることが示唆されています。たとえば、規則的な睡眠習慣や光療法・睡眠衛生の改善などにより、日中の注意力や行動の安定感が向上したという報告があるのです。

なぜ生活リズムが乱れやすいのか?背景にあるメカニズム

ADHDと生活リズムの関係を考えるとき、単純に「夜更かししがち」という行動面だけではなく、生物学的・認知的な要因が絡んでいると捉える必要があります。以下はいくつかのポイントです。


① 体内時計(概日リズム)のズレ

人間の睡眠・覚醒リズムは、脳内の体内時計(概日リズム)によって制御されています。このリズムが乱れると、夜になっても眠くならない、朝になって目覚められない、といった症状が出ます。実際に、ADHDのある人には「夜型」(eveningness)になりやすい傾向**があるという研究もあります。

② 睡眠ホルモン(メラトニン)の影響

最近の研究では、メラトニンの分泌量やタイミングのずれがADHDの生活リズムに関連する可能性が示されています。メラトニンは「夜になりましたよ」と体に知らせるホルモンであり、これが適切に分泌されないと寝つきが悪くなったり、覚醒リズムが乱れたりしやすくなります。


③ 認知・行動面での影響

ADHDの特性として、時間の見積もりや自己制御が苦手であることが知られています。これは、生活リズムの構築にも影響し、例えば「時間までに寝よう」と決めても実行しづらいといった問題につながります。これは単なる性格ではなく、脳の情報処理や報酬システムの違いに起因するものである可能性が指摘されています。

睡眠・生活リズムの乱れが日中の機能に与える影響

生活リズムが乱れると、睡眠の質が低下しやすくなりますが、これは単に眠いというだけで終わらないことが多いです。研究では、以下のような日中の影響が報告されています:

✔ 注意力・集中の低下

睡眠不足が続くと、脳の覚醒レベルが下がり、注意力・集中力が維持しづらくなることが分かっています。これは ADHD のコア症状と重なって見えることもあり、評価・支援において区別が重要です。

✔ 行動の乱れ

夜間の覚醒が増えると、日中に疲れや過度の興奮が生じることがあります。これが外的な行動問題として表れやすいという報告もあります。

✔ 社会的・学習への悪影響

睡眠・生活リズムの乱れは、学校や仕事でのパフォーマンス低下、家族関係のストレス増加など、生活全般の質にも影響を与えます。睡眠の乱れは単なる「夜の問題」ではなく、日常機能に深く結びついているのです。

具体的な評価・支援の考え方

では、どのように発達障害に伴う生活リズムの乱れを支援するかを考えてみましょう。以下は臨床や支援現場で取り入れられているアプローチです。


✔ 規則正しい睡眠スケジュールの設定

毎日同じ時間に起きる・寝る習慣は体内時計を安定させます。光の刺激(朝日を浴びるなど)を使うことも効果的です。

✔ 睡眠環境の最適化

寝室の暗さや静けさ、寝具の快適さなどを整えることは、睡眠の質を高める第一歩です。特に感覚過敏がある人は、光や音の刺激が睡眠に大きく影響します。


✔ メラトニンに関する知識の活用

医療的管理が必要な場合もありますが、生活リズムが乱れる一因としてメラトニン分泌のタイミング異常を理解することは役立ちます。医師と相談しながら光曝露やメラトニン補充などの調整を行う例もあります。

✔ 行動支援と時間管理スキル

ADHDの特性を考慮したスケジュール管理や視覚的サポート(時計・タイマー・リマインダーなど)は、睡眠・生活リズムの改善に役立ちます。


まとめ:生活リズムを整えることは支援の柱

今回のレビュー論文は、ADHDのある子どもや若者に睡眠・概日リズムの乱れが頻繁に見られることを科学的に示しています。これは単なる「夜更かし」や「早起きが苦手」という話ではなく、体内時計のズレ・神経発達的な要因・ホルモンの働きなど、多面的な要因が絡んでいることを明らかにしています。

生活リズムの安定は、日々の体調や日中の機能、行動の安定にもつながります。発達障害の特性を理解しながら、睡眠・生活リズムを整える支援を多面的に行っていくことが大切です。

参考
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33402013/

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