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筋トレ(抵抗運動)はうつに効くのか?論文でわかる「抗うつ効果」と実践のポイント

はじめに:うつと運動

うつ(うつ病・抑うつ症状)は、世界中で3億人以上が苦しむ大きな公衆衛生の問題です。うつ症状は気分の落ち込みだけでなく、生活の質や日常機能にも大きな影響を及ぼします。これまでは、抗うつ薬や認知行動療法などが中心に用いられてきましたが、体を動かす運動がうつの改善に寄与するという研究が増えています。

中でも注目されているのが、筋トレ(抵抗運動 training:RET)の効果です。本記事では、2018年に発表されたメタ分析論文を中心に、筋トレとうつ症状の関係をわかりやすく解説します。

論文の概要:抗うつ効果を示すメタ分析とは

今回紹介する論文は、33件のランダム化比較試験(RCT)を統合したメタ分析です。複数の国・異なる対象者による試験をまとめ、抵抗運動トレーニング(RET)が抑うつ症状にどれだけ効果を持つかを検討しています。合計で1877人が含まれ、それぞれがRET群と非活動の対照群に分けられました。

解析結果では、RETは抑うつ症状を有意に軽減したと報告されました。効果量(Hedges’s d)は平均で0.66と中等度の抗うつ効果を示し、統計的にも強い関連が認められています(P < .001)。この結果は、単に運動による身体的恩恵を超えて、メンタルヘルスにおける有効性を裏付けるデータでもあります。

なぜ筋トレがうつに効くのか?そのメカニズム

1)神経化学物質の変化

運動は脳内の神経伝達物質のバランスに影響を与えることが知られています。具体的には、以下のような効果があると考えられています:

  • セロトニンやノルアドレナリンの増加
  • ドーパミンの調整作用
  • BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加

これらはうつ病の治療にも関係している神経化学物質であり、筋トレや有酸素運動はこれらを促進する可能性があるとされています。

2)自己効力感の向上

うつになると、ともすると「何もできない」という感覚に陥ることが多いです。筋トレは、回数や重さを少しずつ積み上げることで、達成感や自己効力感の育成に役立つと考えられています。小さな成功体験を積むことが、気持ちの向上に寄与するのです。

3)身体機能の改善

身体機能が改善すると、生活全般の活動量が増えやすくなります。これは単独でうつを治すわけではありませんが、日常生活の質(QOL)向上につながります。このように、身体・心理・社会的な側面が統合されることで、筋トレの抗うつ効果が発揮される可能性が高まります。

どのくらいの筋トレが効果的?

論文自体では、「トータルの運動量」「参加者の健康状態」「筋力改善の有無」は、抗うつ効果の差には関係しないと報告されています。つまり、どのくらい重く・長く筋トレをおこなったかは効果に大きな差がなかったという結果です。

ただし、研究全体では頻度や継続期間が異なるため、実生活で応用する際には以下の点も考慮する価値があります:

  • 週2〜3回のペース
  • 1回あたり20〜40分程度
  • 主要な筋群をバランスよく刺激する

これらは研究以外のレビューでも中等度の効果が期待できるという報告があり、安全かつ継続しやすいとされています。

筋トレの抗うつ効果は誰にでもあるの?

このメタ分析では、対象者は健康な成人だけでなく、身体的・精神的な病状を持つ人も含まれています。興味深い点は、健康状態の違いは抗うつ効果の大きさに影響しなかったことです。つまり、うつ症状のある人でも、そうでない人でも、RETが depressive symptoms を軽減する可能性があるということです。

一方で、研究デザインの質(例えばブラインド化された試験)によっては、効果がやや小さくなる傾向があるとの指摘もあります。これは今後のRCTの質向上が必要であることを示すもので、研究そのものの信頼性向上が期待されます。

他の研究から見える筋トレとメンタルヘルス

さらに最近の研究でも、筋トレや抵抗運動がうつや不安の改善に効果を示す報告が増えています。若年者のメタ分析では、抵抗運動はうつ症状や不安を有意に軽減したという結果も報告されています。

また、筋トレだけでなく、有酸素運動との組み合わせは相乗効果的な結果が出ることも示されています。高齢者を対象にしたレビューでは、運動全般がQOL向上・身体機能改善・うつ軽減に寄与すると結論付けられています。

筋トレを始める前の注意点

無理なく始める

うつ症状が重い場合、最初から高強度の筋トレを行うのは難しいことがあります。その場合は、軽い負荷から始める、あるいは有酸素運動と組み合わせるなど、段階的な取り組みが望ましいです。

医療との併用

うつの治療には薬物療法や心理療法が推奨される場合もあります。筋トレはそれらの 補助的な役割として取り入れることが多く、安全性を確認しながら行うことが大切です。

継続が鍵

運動の効果は、継続することによってより安定的に現れる傾向があります。一時的に頑張るのではなく、週単位・月単位で継続する習慣づくりが重要です。

おわりに

今回紹介したメタ分析は、筋トレ(抵抗運動)が抑うつ症状を軽減する効果を持つ可能性を科学的に示しています。効果量は中等度であり、抗うつ薬や心理療法とは異なる形で、心身両面の支援につながる選択肢として注目されています。

うつの改善には多面的なアプローチが必要であり、安全性と楽しさを重視した運動習慣の形成が、生活の質向上に寄与することが期待されます。適切な情報を得ながら、自分に合った形で取り入れていきましょう。

参考

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29800984

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