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ADHDで朝起きられないのは怠けではない|原因と対処法を特性から解説


ADHDで「朝起きられない」「遅刻してしまう」原因を、体内時計・睡眠の問題・起きてから動きにくい特性の観点から解説。意思の弱さではなく特性による困りごとであることを丁寧に説明し、今日からできる対処法と相談の目安、支援につながる考え方を紹介します。


はじめに|ADHDで朝がつらいのは、性格の問題ではありません

結論から言うと、原因は生活習慣だけではありません。
ADHDのある方が朝起きられないのは、怠けや気合不足ではありません

多くの場合、

  • 脳の働き
  • 神経の特性
  • 睡眠や生活リズムの影響

が重なって起きています。

そのため、一般的な早寝早起き対策が合わないこともあります。

この記事では、ADHDの特性と朝のつらさの関係を整理し、
無理のない対処法を分かりやすく紹介します。


ADHDで朝起きられない主な原因

ここでは、ADHDのある方に多い原因を3つに整理します。

原因① 体内時計と睡眠のズレ

まず、私たちの体には「体内時計」があります。
この体内時計は、朝の光を浴びることでリセットされます。

しかし、ADHDのある方では、

  • 夜に頭が冴えやすい
  • 寝つくまでに時間がかかる
  • 就寝時間が後ろにずれやすい

といった傾向が見られることがあります。

その結果、
朝になっても体が目覚めきらず、起きるのが非常につらくなる
という状態が起こります。

これは「夜更かしの癖」ではなく、
体内リズムのズレによる問題として整理されます。

原因② 睡眠の質が下がりやすい

次に、ADHDのある方は睡眠の質に悩みを抱えやすいと言われています。

例えば、

  • 布団に入っても考えごとが止まらない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 眠ったはずなのに疲れが取れない

このような状態が続くと、
睡眠時間が足りていても、日中の眠気や起床困難が起こります。

この場合、
「もっと早く寝よう」と努力するだけでは改善しにくいことがあります。

原因③ 起きてから動き出すまでに時間がかかる特性

もう一つ見落とされやすいのが、
起床後の行動のつまずきです。

ADHDでは、

  • 何から始めるか決める
  • 行動を開始する
  • 次の行動へ切り替える

といった力が弱くなりやすいと言われています。

そのため、

  • アラームは止めたが布団から出られない
  • 支度を始めても途中で別のことをしてしまう
  • 出発までに想定以上の時間がかかる

といったことが起こりやすくなります。

これは「だらだらしている」のではなく、
脳の特性による動きにくさです。


3分セルフチェック|「どの原因が強いか」を見立てる

まず、当てはまるものにチェックしてください。
次に「一番困っている場面」をメモしてください。
それが、対処の優先順位になります。

A:体内時計(概日リズム)のズレが強そう

  • 眠くなるのが深夜になりやすい
  • 休日は自然に昼近くまで寝てしまう
  • 朝に起きても午前中が使い物にならない
  • 夜になると元気が出る

B:睡眠障害が強そう

  • 入眠に30分以上かかることが多い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 睡眠時間は足りているのに日中眠い
  • いびき、呼吸の止まりが指摘される(要受診)

C:実行機能(支度)が強くつまずく

  • 起きた後の準備に時間がかかりすぎる
  • 優先順位が決まらず、出発が遅れる
  • 忘れ物チェックが終わらない
  • 「家を出るまで」にエネルギーを使い切る

D:起立性調整障害(自律神経)っぽい

  • 朝に立ちくらみ、動悸、強いだるさがある
  • 立ち上がると気分が悪くなる
  • 午前に体調が悪く、午後から回復する
  • 入浴や起床直後が特につらい

ADHDの朝が苦手な人に「効きやすい対処法」実装パック

ここからは、精神論ではなく“運用”です。
まず、全部やらなくてOKです。
次に、1つずつ固定して再現性を作ります。


1. 体内時計がズレる人向け|朝の光と夜の刺激を設計する

まず、体内時計の調整には「朝の光」が重要です。
次に、夜の強い光や刺激はズレを助長しやすいです。

実装ポイント

  • 起床後すぐにカーテンを開ける(できれば外の光)
  • 朝の行動を固定する(顔を洗う→水を飲む→窓際に立つ、など)
  • 夜はスマホの“ダラ見”を減らす(スクリーンタイムを決める)
  • 夜の予定を詰めすぎない(寝る前の興奮を避ける)

睡眠の基礎情報は厚労省の「睡眠ガイド」も参考になります。
参考:厚生労働省(睡眠対策)


2. 睡眠障害が疑われる人向け|「受診の目安」を先に置く

まず、睡眠リズムの乱れが生活に支障なら、医療につなぐ価値があります。
次に、睡眠障害は種類が多く、自己流で悪化することもあります。

受診を検討したい目安

  • 2週間以上、起床困難や日中の眠気で生活が回らない
  • いびき・呼吸停止が疑われる
  • 抑うつ、不安が強くなっている
  • 仕事や通学の遅刻・欠勤が続く

(参考)睡眠障害の概念:e-ヘルスネット
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-027.html


3. 実行機能がつらい人向け|「起きる」ではなく「出る」を自動化する

ここが最重要になりやすいです。
まず、朝は判断力が低い前提で設計します。
したがって、選択肢を消すほど成功率が上がります。

実装:出発までの“3点セット”

  1. 朝タスクは3行だけ
  • トイレ
  • 口をゆすぐ(or洗顔)
  • 服を着る
    ※ここを越えたら合格にする
  1. 準備は夜に“固定化”
  • 服を一式セット
  • カバンを玄関に置く
  • 財布・鍵・定期を同じ場所へ
  1. 支度はタイマー運用
  • 10分だけ
  • 終わらなくても出る
    “完璧支度”を捨てると遅刻が減ります。

4. 起立性調整障害が疑われる人向け|朝の体を「立ち上げる」順番を変える

起立性調整障害っぽい場合は、「起きる」より「起き上がる」がつらいことがあります。
まず、急に立たない。
次に、段階を踏む。
それだけで負荷が下がることがあります。

実装例

  • 起床→ベッド上で1分(深呼吸)
  • 次に、座位で1分
  • その後、ゆっくり立つ
  • 水分を先に入れる(医師の指示がある場合はそれに従う)

起立性調整障害は鑑別が重要です。気になる場合は医療相談が前提です。
参考:東京医師会PDF
https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/gakkou/application/pdf/cc31176cd310a81aeba096776b0631ca-1.pdf


よくある誤解|「早寝早起き」が効かないことがある理由

まず、夜型が固定している人に、突然の“早寝”は効きにくいことがあります。
次に、寝床で頑張るほど、寝つけず自己否定が増えることがあります。
したがって、睡眠は「意志」より「条件」を整えるほうが現実的です。

また、ADHDの人は、

  • 夜の過集中(スマホ、動画、作業)
  • 切り替えの苦手さ
    で、入眠が遅れやすいことがあります。

つまり、対策は「気合」ではなく、刺激と手順の設計です。


家族・職場のサポート|言い方を変えるだけでうまくいく

本人に「怠けてる」と言うほど、朝は悪化しやすいです。
なぜなら、ストレスで睡眠がさらに崩れるからです。

使える声かけ(例)

  • 「起きられない日がある前提で、代替案を一緒に作ろう」
  • 「朝の手順を減らして、成功率を上げよう」
  • 「受診や支援につなぐのも、作戦の一つだよ」

職場側なら、まず「遅刻=意欲がない」と決めつけず、

  • 始業時刻の調整
  • 業務開始タスクの固定
  • リマインドの仕組み
    など、環境側の改善余地を検討できます。

相談・受診の目安|一人で抱えない方が早い

次のいずれかなら、相談する価値があります。

  • 遅刻や欠勤が続き、生活・仕事に支障
  • 日中の眠気や集中低下が強い
  • 気分の落ち込み(うつ病)や不安が増えている
  • ODが疑われる症状がある
  • 睡眠リズムの乱れが固定している

睡眠の悩みは、医療(精神科・心療内科・睡眠外来)と支援(生活設計)の両輪が有効です。


特性理解が進むと、朝は“戦場”から“運用”になる

ADHDの朝の苦手さは、努力不足で片づけると長引きます。
一方で、原因を分解して対策を当てると改善しやすいです。

  • 体内時計(概日リズム)
  • 睡眠障害
  • 実行機能
  • OD(自律神経)

まずは、どれが強いかを整理しましょう。
次に、1つだけ対策を固定しましょう。
結果として、遅刻や自己否定が減ります。


体験・相談の案内(特性理解プログラムへ)

「朝起きられない」は、就労・復職・通所の大きな壁になります。
だからこそ、特性(ADHD症状)と生活リズムを整理し、現実的な対策に落とすことが重要です。

就労移行支援では、

  • 生活リズムの設計
  • 遅刻を減らす仕組み化
  • 職場での配慮の整理
    などを、本人の特性に合わせて一緒に作れます。


参考リンク(国内サイト)


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