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発達障害って、本当に“特別なこと”?──私たちが考える支援のかたち

発達障害って、本当に「特別なこと」なんでしょうか?

最近、とある話題がSNS上で注目を集めています。”発達障害”という言葉が、強い印象やステレオタイプと結びついて語られる場面も見かけるようになりました。

そんな中で、あらためて私たちは考えたくなったのです。

発達障害とは、本当に「特別なこと」なのでしょうか?

支援とは、「誰かを助けること」だけで完結するものなのでしょうか?


「障害」とは、“その人の中にある”もの?

かつて、障害は「本人にある困難」とされてきました。これを「個人モデル(individual model)」と呼びます。多くの人が、今も「発達障害=能力の凸凹」というイメージを持っているかもしれません。

しかし現在では、「社会モデル(social model)」という考え方が広がっています。これは、“障害”とは個人の中にあるのではなく、社会との接点で生じるものと捉える立場です。

たとえば―
誰かが「話を理解するのが遅い」と言われたとき、その原因は本人だけではなく、「説明の仕方」や「場の設計」にもあるかもしれません。「読み取れない」のではなく、「読み取れるように伝えられていない」ことだってあるのです。


「障害の父」エド・ロバーツの言葉

この社会モデルの考え方を体現した人物のひとりが、アメリカの障害者権利運動をけん引したエド・ロバーツです。彼は幼少期にポリオを患い、人工呼吸器を使いながら生活していましたが、カリフォルニア大学バークレー校への進学を果たし、のちに障害政策を大きく変えた先駆者となりました。

彼の言葉の中に、こんなものがあります。

「私の障害はポリオではない。本当の障害は、社会が私に自由を与えないことだ。」

これは、「本人の能力に限界がある」のではなく、「社会の側が環境を閉ざしている」ことの方が問題なのだ、という強いメッセージです。

また、IL(自立生活運動)の理念の中には、象徴的な言葉があります。

「人の助けを借りて15分で衣服を着て外出できる人は、 2時間かけてひとりで着替えて家にこもる人よりも“自立している”。」

この一節は、「一人でなんでもやること」が自立ではなく、 “より自由に、自分の生活を選べる”ことこそが自立だという考えを端的に表しています。


現代社会と“マッチング”という視点

求められるスキルは時代や社会によって異なります。
狩猟採集時代や産業革命直後に求められるスキルセットはもちろん 今とは違ったはずです。

そして―
現代の社会では、”たまたま、偶然にも”以下のようなスキルが重視されがちです。

  • 空気を読んで動く
  • マルチタスクで効率よく働く
  • 論理的に話す、結論から述べる

このような環境では、それにマッチしにくい特性を持つ人が「やりづらさ」を抱えやすい構造になっています。

けれどそれは、「その人が悪い」のではありません。
社会の側が、「こうあるべき」と設計されていることによって、思考や反応の多様性が“不得手”として扱われてしまうだけなのです。

発達障害は“個性”のひとつであり、 “社会とのマッチングの問題”として捉えることが、私たちの支援の出発点です。


配慮は“特別”ではなく、すべての人にとってのもの

私たちは日々の生活の中で、気づかぬうちにさまざまな配慮を受けています。

  • 疲れている時は、ゆっくり話してもらう
  • 苦手な業務をおこなうときは手順を教えてもらう
  • 目が悪い人には文字を大きくする

こうしたことは、“特別”な対応ではありません。 「働きやすくするための調整」であり、言い換えれば、すべての人にとって必要な“支え合い”の一部です。

支援や配慮を受けることは、“できない”ことの証明ではなく、 「よりよく生きる方法を選べる力」のあらわれです。


私たちが大切にしている支援のかたち

ディーキャリア草津オフィスでは、「困りごとを抱える方」だけでなく、 “全員の可能性が活きる環境”に目を向けた支援をおこなっています。

  • どんな時に力を発揮しやすいのか
  • どんな環境なら安心して取り組めるのか
  • 本人の特性が「弱み」ではなく「強み」になる場面はどこか

そういったことを一緒に探しながら、就労のステップだけでなく、 その先の社会参加を見据えたサポートを提供しています。


「凸凹が活きる社会を創る」ために

私たちディーキャリアでは、「凸凹が活きる社会を創る。」というビジョンを掲げています。

誰かが誰かを“管理する”のではなく、一人ひとりが力を発揮し、お互いに支え合える社会。

すべての人が、自分らしく働き、暮らし、生きていける。そんな未来をめざして、 私たちはこれからも支援を続けていきます。

※本記事は、現在話題となっている一部の表現に対して、私たち ディーキャリア草津オフィスが大切にしている視点を共有する目的で執筆しています。

凸凹凸凹凸凹————————————————-凸凹凸凹凸凹

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