ご利用事例

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卒業生インタビュー Yさん

障害者も健常者も、お互いに助け合えることを示したい

【自己紹介】

 

私は大学を卒業後、1年のブランクを経た後にショップ店員としてアルバイトを始めました。
このときに仕事や人間関係で失敗を重ね、悩んでいたところ【発達障害】という言葉を知りました。
その後「もしかしたら自分も発達障害なのでは」とモヤモヤを抱えたまま、何年間も仕事を転々とし、ついには精神不調に陥ってしまいました。これを機に「自分が発達障害かどうか、ちゃんと答えを出そう」と決意し、検査を申し込んだ結果、ADHDと自閉症スペクトラムを抱えていることが分かりました。


【ディーキャリアを選んだきっかけ&ディーキャリアを通じて変わったこと】

 

もともとソフトウェアの操作が得意で、それを生かした仕事を続けてきた私は、次の仕事でもその強みを発揮したいと考えていました。そのとき、ITの業種に特化した就労移行支援があると知り、利用することを決めました。
ディーキャリアの訓練を通して、プログラミングやプレゼン資料作りを習得できたのはもちろんですが、それ以上に、ネガティブな気持ちを引きずらない性格になり、また目標に向かって行動する力が身に付いたと感じます。


【入社した企業の紹介&入社に至った経緯(実習で得たこと)】

 

現在、私が働いているのは人事コンサルティングの会社です。主な事業内容は、社員研修や新卒採用・経営方針について、お客様と一緒に課題解決をしています。
会社を知ったきっかけは、たまたま職場実習の受け入れ先として紹介されたことでした。

 

実習を斡旋していただいている担当の方から『人事コンサルティングとして、障害者のマネジメントの方法を知る目的で実習を受け入れている』と聞き、私自身も「障害者ひとりひとりに向き合ってくれる世の中にしたい」という思いを持っていたことから、喜んで実習を申し込みました。

 

実際に実習を受けてみると、時間通りに作業を終わらせることが上手くいかない私に、作業に必要な手順を一つ一つに分解して時間を見積もるやり方を教えて下さり、『自分が今まで苦手としていたことを解決できそうだ』と前向きな気持ちを持つことが出来ました。

 

これらの経緯もあって、この実習はただの職場体験やスキルアップだけではない、特別な意味を持ったものになりました。その後、選考の案内をいただいて最終的に入社へと至りましたが、志望した理由については、実習を申し込んだときから一貫して変わっていません。


【仕事内容の紹介】

 

動画マニュアルの作成ソフトでマニュアルを作り、お客様に提供しています。
(支援しているお客様の声です→https://teachme.h-mbo.com/case/
ペイントソフトや動画編集は趣味で使っていたので操作はすぐに慣れましたが、『仕事の手順を簡単に、かつ正確に覚えさせるための説明』を書くのは、意外と難しくて苦労しました。
今では、お客様から『分かりやすくて良いですね!』と喜んでもらえるようになり、試行錯誤してきた甲斐があったなと思います。

 


 

【今の気持ち】

 

オープン就労で仕事していますが、だんだん『自分は障害者である』という意識が薄くなってきているように感じます。
私は時間を把握するのが苦手で、自力でスケジュールの段取りを組めることを目指していますが、なかなか上手くいきません。

 

そこで周りの社員さんはどうやっているのかを見ると、各自タスク管理のシートを作って、びっしりと項目に埋めていました。そんな皆さんも『段取りが全然うまくできないから、管理シートを作った』と言います。
このタスク管理シートは、彼らにとって一種の“セルフケア”のようなものだったのです。

 

結局のところ、ナビゲーションブックのように『自分が持つ特性に、自分に合った方法で対処する』というのは、仕事で成果を上げるためなら誰もが等しくやることなんだ、と最近になってすごく実感しています。


【今後の目標やテーマ】

 

私はもともと『仕事のスキルを上げて、障害者も健常者もお互いに助け合えることを示したい!』と意気込んでいました。今の私のスキルを見るに、まだまだ時間が掛かりそうですが、
この目標は今後もずっと変わりません。

 

また当社では障害者のスキルアップを支援していこうとしており、私もその実現に向けて業務に取り組んでいます。社内で唯一の障害当事者として、仕事の能力を高める支援だけでなく、障害とともに社会に出ていく不安を解消する支援もしていきたいです。そのために、ディーキャリアで見聞きした『障害に対する知識』や『他の利用者さんが話していたこと』を活用しようと思っています。


【ディーキャリアでの過ごし方(後輩へのアドバイス)】

 

発達障害の就労移行に通うということは、見方を変えれば『一般の人は知らないような、独特の経験をしている』と考えることもできます(少なくとも私はそう思っていました)。
どんな場所にいても学びを得ることはできますし、どんなに今までつらい経験を味わってもそこから『誰かを助けるための知恵』が生まれるかもしれません。
ぜひ皆さんには『自分だからこそ出来ること』を見つけてほしいです。