大学院で薬学を専攻し、修了後は製薬系の会社に就職。治験に関する業務に従事するも、ケアレスミス・マルチタスクの困難・コミュニケーションの齟齬などが生じ、毎日のように上司から叱責を受けるように。「なぜ自分はできないのか、自分は生きる価値がない」と自己嫌悪に陥るようになり、精神的にもかなりまいっていたとき、テレビで”発達障害”の特集を見た。「自分もそうかもしれない」と精神科を受診し、ADHDの診断を受けた。
診断を受けたあともクローズ就労（障害を開示しない働き方）で頑張ってきたものの、発達障害の特性による困難を感じ、障害に配慮した働き方（障害者雇用枠）へ変えることを決意。発達障害のある方に向いている仕事について調べていたところ「エンジニア」が紹介されており、自分もエンジニアを目指したいと考えるようになり、就労移行支援の中でも「IT・Web専門職」を目指せるディーキャリアITエキスパートを利用することに。

まずは適切なコミュニケーションの取り方・ストレス対処・感情のコントロールの仕方を学ぶことからスタート。その後、模擬業務を通じて、就業時に必要となるコミュニケーションスキル（「報連相」の仕方やチームでの業務の進め方など）とプログラミングスキル（HTML・CSS・JavaScript・PHP・Rubyの学習、データベースを用いたECサイトの模擬サイトの作成など）を実践しながら習得した。
障害特性への対策を講じながら、基礎的なプログラミングスキルを身につけたあとに、就職活動をスタート。支援スタッフから企業へ実習を提案し、２週間の実習にて「エンジニアとして働けそうか」を確認。実習を実施したシステム開発会社の障害者雇用枠でエンジニアとして採用。

大学ではロボット工学やプログラミングを学び、卒業後はシステム開発会社にオープン系のSEとして就職。その後、職業訓練校でWeb系のシステム開発を学んだのち、Web系エンジニア（フロントエンド、バックエンド）とスマホアプリ開発エンジニアとして従事。システム・Web・アプリと幅広い経験をしながら、プログラミングスキルを高めてきたが、精神疾患と発達障害の特性による人間関係の困難によって退職。その後数年間は引きこもりに。
高校生の頃から精神疾患を抱えていたものの、通院と服薬によって安定していた。大学生になった頃から、人間関係がうまくいかずに不安定になることがあった。社会人になってから、指示の聞き洩らしや対人関係の困難があることを主治医に相談したところ「発達障害の可能性がある」と言われ、検査をおこなったところASDの診断を受けた。
実務経験やスキルは持っていたものの、障害との付き合い方を学ぶ必要性を感じていたことから、「特性対策」と「自己理解」を強みとするディーキャリアITエキスパートを利用することに。

まずは「引きこもり生活」から「社会人生活」に切り換えるために、規則正しい生活や毎日の通所に慣れるための支援からスタート。本格的な訓練に入ったあとについては、エンジニアとしての実務経験やプログラミングスキルがもともとあることから、「障害との付き合い方」を中心に訓練に参加。自己理解を深めながら、感情のコントロールや他者との関わり方、物事を肯定的に見る方法など自分に必要な特性対策を習得した。
自身のこれまでの経験を活かせる「やりがいある仕事」が実現できる就職を目指すため、スタッフと密に連携しながら就職活動に取り組み、一般雇用枠で物流会社の社内システム開発エンジニアとして内定を獲得。