合理的配慮のよくある質問集

メールやお電話での無料相談、そして、ディーキャリア各事業所で行っている無料相談会では、大人の発達障害の特性に悩まれている方から、多くのご相談をいただきます。

最近は「大人の発達障害」に対する社会的な認知度が高まり、テレビ番組や雑誌などでも取り上げられることが増えてきました。また、インターネットでも、専門的な情報から実際の当事者による体験談まで、さまざまな情報を手に入れることができるようになりました。

一方で、誰とも相談しないまま、「調べれば調べるほど、一人で悩んでしまう」という方も多くいらっしゃいます。「誰かに相談する」というのは、なかなかハードルが高いもの。最初の一歩を踏み出すには、勇気が必要です。

そこでこちらの記事では、私たちがご相談をいただくなかで、「合理的配慮」についての、よくある質問をまとめました。「同じ困りごとを抱えている人が、どんなポイントで悩んでいるのか」を知ることで、ご自身の悩みを解決するための、ヒントを得られるかも知れません。

※本記事では、「企業や自治体、教育機関等の事業主」を、便宜上「企業等」と表記しています。

Q1. 「合理的配慮」は、障害のある当事者からの申し出であれば、どんな内容でも対応してくれるの?

A1. どんな内容でも対応してもらえるわけではありません。申し出の内容が「合理的であるか」が判断軸となります。

法律では、企業等が合理的配慮を提供する場合に「負担が重すぎない範囲で、対応に努めること」と定められています。また、企業等の側に配慮を求めるだけでなく、障害者の側も「自分で行える対処=セルフケア」を提示して、すり合わせをおこなうことが大切です。

つまり、「合理的であるかどうか」を判断するポイントは、「障害が原因となる困難さのうち、セルフケアをしても対応しきれないことであり、かつ、企業等の側にとっても重い負担がなく提供可能な範囲かどうか」がポイントとなります

参考記事:合理的配慮ってなに?−「合理的配慮」で押さえておくべき3つのポイント

Q2.障害のことを開示せずに「合理的配慮」を求めることはできるの?

A2. 合理的配慮の提供を求めるためには、企業等の側に、障害のことを開示する必要があります。

合理的配慮は、「障害者差別解消法」や「障害者雇用促進法」で定められています。法律の名前にあるとおり、いずれの法律も障害のある方に対する支援を目的としていますので、障害があることを開示しなければなりません。

なお、障害があることを証明するための書類については、Q5. をご参照ください。

おすすめ関連コラム